自分を守り、地域を守る 地域防災の担い手の育成
西条市立石根小学校
活動に参加した児童生徒数/6学年10人
実践期間2014年7月16日~2014年12月25日
活動のねらい
・防災の必要感をもって主体的に学習に取り組み、防災についての知識、技能を高めることで、自然災害に備える実践力がもてるようにする。
・学習の成果を地域へ発信することで、地域が防災について考えるきっかけを作り、災害に強い地域づくりに貢献する。
活動内容
1)実践内容・実践の流れ・スケジュール
前掲の活動のねらいを達成するために、学習を以下の4段階で展開した。
2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。
昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
○9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと
・写真資料をもとに全校児童に紹介し、東日本大震災の被災状況や、復旧もままならない現状について、研修を通して感じた思いとともに伝えた。
○研修会を受けての自校の活動の変更・改善点
・土砂災害に特化した取組を考えていたが、緊急性の高い南海トラフ地震への備えの必要性を痛感し、地震対応を視点として加えた。
・6年生だけでなく、防災は全学年で取り組むべき課題と位置付け、避難訓練時に全校児童が起震車体験、煙体験を行った。
○昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点
・地域への発信と啓発がより充実した。
○助成金の活用で可能になったこと
・助成金により成果物をより多くの家庭へ配布することができ、地域の防災意識を向上に役立った。
・被災時の体験談をたくさんの方から聞くことができて、災害をより豊かにイメージさせることができた。
3)実践の成果
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
○各種団体との連携による、多様な体験活動の実施
災害や防災への関心が高まり、多くの情報であふれていることから知識を得ることは容易である。一方で被災経験はないことから、児童は具体的な災害のイメージをもつのに乏しく、防災の必要感をもちにくかった。そこで各種団体と連携し体験的な活動を取り入れることでそれを解消した。また各団体がもつ強みを生かした豊かな体験活動は、児童に防災への関心を高めて以後の学習の原動力となった。
○児童の取り組む課題の選定
これまで児童が課題解決する際、児童は非常食選びなど分かりやすい課題を選びがちであった。それらは必要な備えであるが、そこに目的意識が感じられなかった。今回は被災から時間が経過するごとにどんな課題が現れるかを明らかにして、優先的に取り組むべき課題を示した。すると児童は被災後すぐに命を落とすことがないように備えたいと考え、自然と家具の固定の必要性に気付いた。家庭における防災の向上を考えたときにも、何を課題として取り組むのかは重要である。
②児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身に付けたか。
○社会とのつながり
児童は防災学習を通して、地域の方を始め多くの方が防災への意識をもち、様々な防災対策に従事していることに気付いた。普段は気付かなかったものに価値を見出し、多くの方が自分たちの生活を守ってくれていることに感謝の気持ちをもっていた。また学習の成果を地域へ発信することで、地域の防災意識が高まったことを知り、学習の達成感を得たり、自信を深めたりした。
○実践力の高まり
ほとんどの家庭で十分な防災が行われていなかったこともあり、家庭での実践に取り組ませたことで、実践力が飛躍的に高まった。また「家では自分が一番防災にくわしい」という発言も聞かれ、家庭から「一緒に取り組んだが、防災の必要性を感じて積極的に活動していた」との感想を得るなど、家庭でリーダーシップをとり防災に取り組む児童が育った。
③教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
○防災教育の重要課題の変更
学校外で被災する可能性がほとんどであることを踏まえ、学校外で被災した場合に避難できる児童を育てるという視点を得た。また6年生だけでなく全児童を対象に防災学習を進めていくことを検討したり、校内の避難訓練を充実させたりする必要性を感じている。
○家庭との連携
アンケート調査により、各家庭の防災上の課題を把握した。それに基づいて学習を進めることで、学習の成果の発信が地域の防災意識をより効果的に高めることにつながった。
4)実践から得られた教訓や課題と今後の改善に向けた方策や展望
○実践から得られた教訓や課題
・地域人材の活用と各種団体との連携により、より効果的に防災学習を進めることができた。また地域へ学習の成果を発信することは地域への啓発はもとより、児童にも学習の目的意識をもたせることができた。
・防災学習は全学年で取り組むべきである。また校内での避難訓練の充実はもちろん、学校外での危険に気づかせ、危機回避させることが課題である。
○今後の改善に向けた方策や展望
・全児童が身に付けるべきことと、各学年段階で身に付けていくのが望ましいことを明らかにし計画的に指導する。また近隣の保育所と連携して避難訓練を行うなどより効果的な活動のあり方を検討する。
前掲の活動のねらいを達成するために、学習を以下の4段階で展開した。
2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。
昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
○9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと
・写真資料をもとに全校児童に紹介し、東日本大震災の被災状況や、復旧もままならない現状について、研修を通して感じた思いとともに伝えた。
○研修会を受けての自校の活動の変更・改善点
・土砂災害に特化した取組を考えていたが、緊急性の高い南海トラフ地震への備えの必要性を痛感し、地震対応を視点として加えた。
・6年生だけでなく、防災は全学年で取り組むべき課題と位置付け、避難訓練時に全校児童が起震車体験、煙体験を行った。
○昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点
・地域への発信と啓発がより充実した。
○助成金の活用で可能になったこと
・助成金により成果物をより多くの家庭へ配布することができ、地域の防災意識を向上に役立った。
・被災時の体験談をたくさんの方から聞くことができて、災害をより豊かにイメージさせることができた。
3)実践の成果
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
○各種団体との連携による、多様な体験活動の実施
災害や防災への関心が高まり、多くの情報であふれていることから知識を得ることは容易である。一方で被災経験はないことから、児童は具体的な災害のイメージをもつのに乏しく、防災の必要感をもちにくかった。そこで各種団体と連携し体験的な活動を取り入れることでそれを解消した。また各団体がもつ強みを生かした豊かな体験活動は、児童に防災への関心を高めて以後の学習の原動力となった。
○児童の取り組む課題の選定
これまで児童が課題解決する際、児童は非常食選びなど分かりやすい課題を選びがちであった。それらは必要な備えであるが、そこに目的意識が感じられなかった。今回は被災から時間が経過するごとにどんな課題が現れるかを明らかにして、優先的に取り組むべき課題を示した。すると児童は被災後すぐに命を落とすことがないように備えたいと考え、自然と家具の固定の必要性に気付いた。家庭における防災の向上を考えたときにも、何を課題として取り組むのかは重要である。
②児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身に付けたか。
○社会とのつながり
児童は防災学習を通して、地域の方を始め多くの方が防災への意識をもち、様々な防災対策に従事していることに気付いた。普段は気付かなかったものに価値を見出し、多くの方が自分たちの生活を守ってくれていることに感謝の気持ちをもっていた。また学習の成果を地域へ発信することで、地域の防災意識が高まったことを知り、学習の達成感を得たり、自信を深めたりした。
○実践力の高まり
ほとんどの家庭で十分な防災が行われていなかったこともあり、家庭での実践に取り組ませたことで、実践力が飛躍的に高まった。また「家では自分が一番防災にくわしい」という発言も聞かれ、家庭から「一緒に取り組んだが、防災の必要性を感じて積極的に活動していた」との感想を得るなど、家庭でリーダーシップをとり防災に取り組む児童が育った。
③教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
○防災教育の重要課題の変更
学校外で被災する可能性がほとんどであることを踏まえ、学校外で被災した場合に避難できる児童を育てるという視点を得た。また6年生だけでなく全児童を対象に防災学習を進めていくことを検討したり、校内の避難訓練を充実させたりする必要性を感じている。
○家庭との連携
アンケート調査により、各家庭の防災上の課題を把握した。それに基づいて学習を進めることで、学習の成果の発信が地域の防災意識をより効果的に高めることにつながった。
4)実践から得られた教訓や課題と今後の改善に向けた方策や展望
○実践から得られた教訓や課題
・地域人材の活用と各種団体との連携により、より効果的に防災学習を進めることができた。また地域へ学習の成果を発信することは地域への啓発はもとより、児童にも学習の目的意識をもたせることができた。
・防災学習は全学年で取り組むべきである。また校内での避難訓練の充実はもちろん、学校外での危険に気づかせ、危機回避させることが課題である。
○今後の改善に向けた方策や展望
・全児童が身に付けるべきことと、各学年段階で身に付けていくのが望ましいことを明らかにし計画的に指導する。また近隣の保育所と連携して避難訓練を行うなどより効果的な活動のあり方を検討する。
活動内容写真
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起震車体験
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煙体験
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砂防学習会
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防災研修会
起震車体験
煙体験
砂防学習会
防災研修会
活動において工夫した点
○過去の土砂災害の経験から学ぶことから学習を始めたことで、児童全員の防災への関心を高め、学習の必要感をもたせることができた。また過去の記憶を風化させることなく、被災したことから得た教訓を次世代へ継承することができた。
○家庭の防災上の課題を明らかにし、それに基づいて防災学習を進めたことで、学校での学びがより効果的に地域へ広がり、防災意識を高めることにつながった。また学習の成果を防災すごろくの作成に生かし、ゲーム感覚で楽しみながら取り組めるようにしたことで、防災の必要性を多くの方に理解していただいた。
資料ダウンロード
資料なし