有珠山と共に生きる

豊浦町立豊浦小学校

活動に参加した児童生徒数/4学年 16人
活動に携わった教員数/3人
活動に参加した地域住民・保護者等の人数/保護者・地域住民15人

実践期間2024年7月23~2025年1月28日

活動のねらい

有珠山の噴火について理解し、災害時における安全な行動ができるようにするとともに、地域住民の一人として減災の意識を高める。

活動内容

1)実践内容・実践の流れ・スケジュール
8月23日(金) 〇火山アンケートから自分達で課題を設定

①   有珠山の噴火って?

②   有珠山噴火の被害って?

③   有珠山噴火からの身の守り方は?
8月26日(月) 〇出前授業 講師:教育委員会から火山マイスター渡邉さん
・有珠山噴火の歴史や概要、被害、マイスターなどについて知る
8月27日(火) 〇校外学習 講師:教育委員会から火山マイスター渡邉さん
・過去の有珠山噴火で被害があった病院や幼稚園を見学
〇調べ学習

・昔の人はどうやって噴火を知ったのか→三松正夫さんを知る
  9月  3日(火) 〇1日防災学校 講師:役場交通防災係 玄間さん
・段ボールベッド作り ※北海道新聞掲載
・社会科「自然災害にそなえるまちづくり」に関する講話
9月  5日(木)

 
〇校外学習 講師:火山マイスター佐々木さん  三松正夫記念館館長 三松三朗さん
※保護者参加
・三松正夫記念館見学:三松正夫さんの業績などについて学ぶ

・昭和新山地熱体験:活火山を実感する

・有珠山ロープウェー乗車:有珠山噴火への対策、火山の恵みについて学ぶ
10月12日(土) 〇学習発表会:保護者や地域の人にこれまでの学習について発表

・有珠山噴火における被害、三松正夫さんの思い、身の守り方について伝える
10月28日(月) 〇校外学習 講師:火山マイスター佐々木さん、阿部さん、渡邉さん ※保護者参加
・昭和新山登山(立ち入り禁止区域に特別に許可)

・昭和新山に来ていた観光客へこれまでの取組などの減災PR

※室蘭民報掲載
12月13日(金) 〇豊小っ子まつり:他学年や保育園児、保護者にこれまでの取組について楽しく知ってもらう

・「噴石から逃げろ!防災ゲーム」※室蘭民報掲載
 1月23日(木)

 
〇オンライン交流:神奈川県池子小学校、岡山県柵原学園
(アクサユネスコ減災教育プログラム助成校)
・各校での取組について伝え合う(スライド作成、意見交流)

火山マイスター佐々木さんより減災教育における証明書授与

※室蘭民報掲載
3月11日(火) 〇校外学習

・公衆電話の使い方を知り、テレホンカードで電話を掛ける。
2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
今年度から総合的な学習の時間の見直しを図りました。地域に根差した内容、学習する必然性のあるものを考え、有珠山噴火における減災教育をテーマにし、地域の人材を生かしながら学習を進められました。近くに隣接する中学校では、すでに有珠山噴火における減災教育について学んでいたので、小学校と中学校の系統性を大切にしました。中学校の減災教育に関わっている地域の専門家の方に、小学校のねらいを伝えながらアドバイスをいただき、一緒に授業づくりをしてきました。

また、町所用のバスを利用しただけではなく、助成金で大型バスを併用したことで学習の進め方に余裕をもたせられたり、保護者も参加したりすることができました。残りの助成金では、次年度以降の減災教育で引き続き使用できる防災グッズを購入しました。

3)実践の成果
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から 
有珠山の噴火に目を向け、減災という課題と向き合っていく活動を通して、想定される災害に対するイメージをもち、災害時の具体的な行動や対策を考えられるようになりました。命を守ることや火山から生まれた地域の財産を守るために、活動を通して得た情報を整理する力を身に付け、自分たちにできることを考え、減災の意識を高められました。

②児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
児童は2000年噴火を経験していないので、有珠山噴火について全く知らないという声もあり、当初は有珠山が噴火することについて実感をもてないようでした。その後、あと数年で有珠山が噴火することや過去の被害を知ったことで、減災教育の必然性を感じながら学習を進められるようになりました。学習を始めた頃は、噴火に対して怖い印象をもっていましたが、火山の特性を正しく理解することや、噴火の記憶や災害を軽減する知恵を伝承していく大切さを理解するようになり、多くの人に自分たちの学習について発信することができました。地域の火山マイスターと継続的に学習を進めたことで、自分たちの地域には減災教育のために頑張っている人たちがいることや、噴火から身を守るための設備や取組があることなどを知り、地域への愛着にも繋がりました。町内の防災キャンプに参加した児童もおり、社会参画の意識が高められたと思いました。

③教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
豊浦町教育委員会や豊浦町役場、有珠山火山マイスターと連携し、講義とフィールドワークを併せて活動を進めてきました。専門的な知識をもつ火山マイスターと一緒に、実際に目で見たり、肌で感じたりしたことで学びが深まり、減災意識を高めて自分たちができることは何かを考えられました。また、校外学習には保護者が数名参加したり、学習発表会で披露する機会が設けられたりしたので、親子で減災教育について考えることができました。さらに、有珠山近くの洞爺湖や昭和新山に訪れた観光客に、有珠山噴火や減災教育、火山の恵みなどを伝えて、広く発信することができました。これらの学習の取組が、地方の新聞紙に何度か掲載されました。小学生から地域へと情報発信をすることで、地域全体の減災意識を高め、災害に強いまちづくりに貢献することができたと感じています。

4)実践から得られた教訓や課題と次年度以降の実践の改善に向けた方策や展望
豊浦町は洞爺湖有珠山ジオパークを推進する町の一つであり、本校は有珠山の麓に位置し、数年後に噴火するといわれている有珠山噴火における減災教育の必要性がますます高まってきました。今回は助成金によるバスの手配をしましたが、次年度以降は町所用のバスを活用して学習を継続していきます。引き続き地域と連携しながら、4年生の社会科や総合的な学習の時間を通して、有珠山の特性や自然について学び、正しい知識や噴火の記憶について、世代を超えて語り継いでいく実践者を育成していきたいと考えています。

活動内容写真

  • 被害施設見学

  • 1日防災学校、段ボールベッドづくり

  • 三松正夫記念館見学

  • 昭和新山地熱体験

  • 有珠山ロープウェー

  • 昭和新山登山

活動において工夫した点

学習の進め方は児童の思考に基づいて計画を立ててきました。教師側から行く場所や活動内容を提示するのではなく、課題解決のために、児童の「行ってみたい」「やってみたい」という気持ちを大事にし、外部講師の方にも理解していただきながら学習を進めてきました。インターネットで検索して調べる活動ではなく、フィールドワークや地域の方や専門家との関わりを多くもってきました。特に昭和新山登山では、普段立ち入り禁止区域に許可を得て登り、あえて危険体験することで生きた火山を感じたり、自分の身の守り方を知ったりすることを体感しました。また、インプットで終わらせるだけではなく、アウトプットする場面を多くもち、実際に体験して目で見て、聞いて、肌で感じたことについて、実感を伴って伝えることができました。

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