新刊紹介

 

☆満州 楽土に消ゆ

1939年、大農場経営を夢にひとりの少年が満州に渡る。

現在、中国残留孤児救済活動に心血を注いでいる菅原幸助理事(当時14歳)である。本書は、農場主にはなれたものの語学力を買われて即席憲兵となり、敗色濃くなるや、真っ先に満州脱出を図る高位高官家族の警護憲兵として日本に帰還するまでの菅原さんの半生と、その後の贖罪活動を、神奈川新聞が39回に渡って掲載したものをまとめたもの。「戦争っていうのはね。人間というものを変えちゃうんです、本当に」。菅原さんの言葉である。神奈川新聞社 213頁、1500円+税


 

☆もったいない

布団や座布団になり、小さなお手玉になる迄使われていた子供の頃。今は自転車や傘が修理を想定せずに作られている

。ノーベル平和賞受賞者の著者は日本で「もったいない」の言葉をみつけた。物も人の能力も充分活かさないのはもったいない。

日本古来の美徳、飽食の日本人が忘れかけていた此の言葉を改めて見直し、物や人を大切にする優しい心が、平和に繋がると呼びかけている。著者の提言4R。リデュース、リユース、リサイクル、+リペア。
 ケニア共和国環境副大臣ワンガリ・マータイ著、定価925円、マガジンハウス、原文英語、対訳付。(佐藤嘉子)

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