男の料理教室
蓼沼 誠一
鎌倉市が毎年開いている教養講座「男の料理教室」は講座終了後も自主グループができて現在10グループ200名余が参加しています。昨年男の料理教室20周年を記念してチャリティーバイキングを開催し売上金を新潟地震の被災地に義捐金として送りました。この教室では食材の選び方や料理を作ること後片付けなど学びながらボランティア活動にも参加し友達づくりにも役立っています。「医食同源」これからも1人でも多くの元気な男の自立を目指して楽しい男の料理教室にしていきたいと思います。若干の空席があります。
地下鉄自由の広場駅
松坂 ワ政
シカゴでの仕事を終えた後、シンシナチに留学中の息子を訪ねた。週末にNational Underground Railroad Freedom
Centerに行った。日本語で“国立地下鉄道自由の広場駅”とでも訳せば良いのだろうか。歴代のアメリカ大統領は“自由”の大切さを標榜してきた。一方、歴史を考えると奴隷制度、人種差別の問題が生々しく脳裏に浮かんでくる。地下鉄道とは自由を求めて南部から逃げて来た黒人達を秘密裏にサポートした心ある人々のネットワークのことである。そのような人たちによって現在の自由が確保され、築かれたことが良く解る博物館であった。
免疫学者の涙
丸山 泰世
昨年暮NHKテレビで放送された、免疫学者多田富雄さんの自作現代能「原爆忌」公演に際し訪れた広島の原爆ドームでの涙のシーンが忘れられない。5年前に脳梗塞で倒れ介護3の多田さんが車椅子から祈り、全身を震わせて嗚咽する姿。 免疫学を極めながら障害者でもある科学者の心中は凡庸の身の思い及ぶところではないが、破滅を回避する人類の自己保全遺伝子を信じ、核廃絶と平和への願いを自作能で表現する信念の人の、そして科学者としての、原爆の死者への鎮魂の姿に胸が一杯になった。
自然遺産への細やかな我慢
鈴木 壮介
鳥瞰然り、鳥の目は想像以上なのか下界の人間を見下す気分よしと我家の心字ならぬ足形2m余りの小さな池をも見付けてしまう。
ゴイサギに較べ白鷺は優美さか魚の失敬に絵の要素あり、感じ方が僅かに違うようだ。名の響きも良くないゴイサギは日頃だから多少の偏見は仕方ない。帝の宴に飛来し五位を授かったと聞くが、実は10Km先の行徳に私がねぐらと決付ける御猟場があり、今でも天皇の庇護との慢心があるのだろう。漫遊での一尾もゴイサギの環境造りになり干潟という自然遺産の保護への一助かと心を抑えるが、鳥も年の瀬か朝がけでなく庭掃除の傍らでの白昼の羽音には驚くも位の授けが恨めしく、鮒をクロスした嘴を見上げるも無念である。
チェコの至宝
本多 孝匡
昨夏、休暇を利用して中欧チェコに行ってきた。プラハからバスに揺られること約4時間。肥沃なボヘミアの大地に突如として現れる、緑の谷に包まれた、文字通り「そこだけ時が止まった」かのような町、チェスキー・クロムロフ。湾曲するヴルタヴァ川に抱かれた城と街並みをTV番組で見て以来、ずっと行きたかった場所だった。夜、川にかかる橋から見上げた、照明に照らされた城は、「凛とした」という言葉がとても似合うものだった。
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