ユネスコのSはサイエンス
“エマの里山自然観察”

 
ビーチコーミングの講師もされた英国人のエマ・ロングホーンさんは、海だけでなく野鳥や自然に詳しいナチュラリストです。そんなエマさんに鎌倉の衣張山周辺の自然観察の案内人をお願いした。

3月15日(日)は朝から本格的な雨、そして観察を終えた後もはげしい雷雨と幸運にも雨の間の晴れ間で開催されました。朝の雨で参加者が大幅減となり参加者は8人になってしまったのが残念でした。
コースは名越の切通し、大切岸、浄明寺緑地、衣張山、報国寺を歩きました。

この時期は、ツクシが盛りでキブシがはやくも咲いていました。それぞれ小さな春をみつけては参加者の中からも知っている人がどんどん説明するなどして、ツクシのこと、キブシのことなどに理解を深めました。
 エマさんは素早い動きでキノコや鳥や蝶などみつける名人です。エマさんの流暢な日本語と自然の中から興味深いものを次々見つけてくれる観察力に一同関心しました。野鳥の観察では、シジュウカラの群れにいたキツツキの仲間のコゲラはコナラの枝で夢中になって虫を探している様子が観察できました。大切岸では高柳さんの詳しいお話に一同納得でした。春の暖かさに出てきた美しいチョウの“ルリタテハ”はクヌギの甘い汁をながながと吸っていてデジカメのモデルになってくれました。浄明寺緑地では池一杯のオタマジャクシ(アカガエル・ヒキガエル)が我々を迎えてくれました。
 野草でも珍しいものがみられ、毒草のトリカブトの群落や、ウラシマソウの赤い実、キノコのツチグリ、キクラゲなど参加者が喜ぶものが一杯ありました。 鎌倉が一望にできる衣張山ではお昼を食べて記念撮影をしました。今回の観察ではエマさんからも鎌倉の豊かな自然、歴史的遺跡が大切なものであること、もっと多くの子供や大人が貴重な鎌倉の自然を親しみ、そこからいろいろなことを学んで欲しいと話していました。
 参加者からは春を待ちわびた野鳥や草花たちの息吹きを直接味わえた、エマさんと一緒に歩いて貴重な発見の連続、学ぶところの多い楽しい里山歩きでした。年に何回か企画してほしい、と感想を頂きました。     (山田海人)