情報ア・ラ・カルト

王毅中国大使を迎えて

 

 八ヶ岳山麓の平山郁夫シルクロード美術館による「煌めく布―金更紗と金糸織」特別展が3月10日オープンした。三千点に及ぶ染色品コレクションの中から、今回は金箔や金糸あるいは無数のミラーで飾られた60余点が出展され、世紀を超えて輝きを放つ絢爛の世界を現出。

  臨席の王毅大使は「三十数年前から訪中を重ねシルクロードを描き、敦煌文物保護に多大な貢献をされた平山画伯を、13億の中国国民は皆知っています。いま日中関係は好ましいものではないにしても、何千年に亘った友好の歴史によって必ず好転するであろうし、文明と平和と友好のシルクロードの精神よ永遠なれ」と挨拶、大きな拍手で迎えられた。
 同展は6月26日まで。7月1日からは「シルクロードのきらめき−正倉院文化の源流を訪ねて」。写真は王大使と平山画伯ご夫妻。(尾花)

織姫
 
有楽町で山田ミヤ子さんの織の展覧会があった。海外旅行で着想を得、事務局長の仕事の傍ら織りあげられた作品の数々。織姫のセンスが光る。 (内田)


草の根助成ベンチ設置完了
 栄光学園前、鎌倉女子大前に追加。計5ヵ所に鎌倉ユネスコのネーム入り7台を設置。 (山田ミヤ子)
 

新刊紹介

ユネスコによる 知の出会い
“人類”から“生類”共生へ

 ユネスコ・パリ本部在職30年間に服部英二氏は「科学と文化の対話」連続シンポジウムや「シルクロード・対話の道」総合調査を提案しコーディネーターをつとめた。いずれも大プロジェクト。
 

世界中の知性を結集した。鶴見和子氏もその一人。鶴見さんはユネスコによってジャック=イヴ・クストーと出会い、『生態系の種が減ると生態系はもろくなる。この法則は文化にもあてはまる」の警告に共鳴。一方、服部さんは鶴見さんによって"南方熊楠まんだら"に出会う。ともに2005年ユネスコの「文化の多様性に関する国際条約」につながる哲学。熱い対話が続く。前半、服部さんの 説くユネスコの歴史は簡にして明。ユネスコの「政治化」はアメリカが先導と言い切る。後半、鶴見さんの語る生死観は爽やかにも心に沁みる。藤原書店発行、219p、2,400円。(尾花)

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