30年にわたって"文化財赤十字構想"を提唱実践してこられた平山画伯の熱誠に応えるかたちで、去る6月16日、超党派による議員立法「海外文化遺産保護国際協力推進法」が全会一致で可決成立しました。そこでまず、この法律を中心にお話を伺いました。
世界に先がけた画期的な法律
これまでの文化財保護をめぐる日本の国際協力は、JICA、国際交流基金、ユネスコ信託基金、いずれもタテ割りの形でしたが、これからは関係部門の専門家から情報を集めヨコの連携によってコンソーシャム〈共同体〉で進める体制が整ったわけです。
イタリアには文化財省はありますけれど、破損や損傷の恐れのある海外の文化遺産保護をうたった国内法を制定したのは日本が最初です。今回の法律は、国家としてその理念を世界に示したという意味で画期的なことですね」。
すでにインドネシアの地震による世界遺産被害調査団が派遣されたという。
関係者の間で"平山法"とも言われているこの法律のもとで、アジア地域全体を4つにわけて担当する分科会を設置。その全体をまとめる座長に就かれた平山画伯は先進国の文化遺産を担当する分科会の構想も持っておられる。 |