ようこそ鎌倉へ

鎌倉ユネスコ協会は、2006年JICA青年招へい事業の地方プログラムを担当し、フィリピン初中等教員23名に対して7月4日から1週間にわたって受け入れを実施した。
 その内容は、初日の鎌倉市長表敬訪問、初中等教育制度に関する神奈川県・鎌倉市教育委員会による講義、学校研修(御成小学校、玉縄小学校、深沢中学校、清泉女学院中学高等学校)、施設研修(JAMSTEC:海洋研究開発機構)、文化体験会(於高徳院客殿)、週末2泊3日のホームステイ、並びに最終日の歓送会であった。
 前回のミャンマー教員の受け入れから、半年が過ぎただけであるが、各研修先並びに各ホストファミリーが積極的に受入れていただいたお陰で、招へい教員の感想に表れているように成功裏に終えることができた。関係各位に深く感謝申し上げたい。(石田)

 

「学校研修」

 設定された4つの学校研修では、各学校施設の見学だけでなく実際の授業を参観することができ、加えて私たち自身が模擬授業を受け持って生徒と直接交流できる機会も与えられたことは大変良い経験になりました。一方で生徒たちが上手な歌や踊りで私たちを歓待してくれたことに感激しました。

また各学校での校長、教頭を含む先生方との質疑応答はどの学校でも楽しみな時間でした。これらを通して日本の学校では生徒への教育の質を実際にどのようにして高めているかを教えられたことは有意義でした。そして、学校毎に教育・学習環境は違っていますが、独立心に富んで責任感が強い、かつ他の人々並びに自然と調和できる市民となるように生徒を育て上げることを共通の目標とされていることに強い感銘を受けました。本当に「来てみなければわからない素晴らしい」この経験を私たちは決して忘れることはないでしょう。

「文化体験会」

 よく配慮された文化体験会に参加させていただいて日本の文化をより深く理解できました。日本は科学技術王国である一方で伝統ある文化をしっかりと継承していることは本当に素晴らしいと感じました。

茶道の心である相手への尊敬と理解並びに温かいもてなしを大切にすることはフィリピンの文化と相通じるものがありますので、茶道の伝統を守ってこられた日本の人たちへの親近感を強めました。琴はコミュニティにおける平和と調和への日本人の思いがあのような澄み切った演奏の形になっているのでしょう。フィリピンの方は世界の中でもエンタテイナー能力の高さで知られていることに表れているように楽器と音楽にいわば熱情をぶつける演奏を得意としていて、その対比を興味深く思いました。折り紙については、特に具体的なものの形に仕上げる段階になって私たちフィリピン人は日本人の参加者が作る手順を見よう見真似でやったことで両者が一体感を持てたのは楽しい経験でした。

「ホームステイ」

私たちは待ち遠しさに高ぶった気持ちでそれぞれのホームステイのホストファミリーと7月7日に対面し、非常に温かい歓迎を受けました。ホームステイでは、史跡や名所の見学、色々な文化体験、大いにはずんだ会話など、楽しい思い出を沢山持つことができて大変うれしく思いました。ホストファミリーからこのような寛大で親切なおもてなしを受けましたお陰で、私たちはご家族の皆様と短い滞在期間にすっかり打ち解けて心を通い合わせることができ、またフィリピンと日本の両国の文化やものの考え方に関してその違いだけでなく興味深い共通点についてもより良く理解し合えるようになったと思います。その意味から今回のホームステイは真に「記念すべき一歩」になりました。この一歩がフィリピン人と日本人の間に生涯を通じて続く友情をもたらすことを心より願っています。

送別会で披露した青年たちの踊り

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