今回の講師は当協会理事の渡部研自さん。渡部さんは、原発問題を深く考察されてこられただけに、そのお話は簡にして要、かつ門外漢にも大変わかりやすいように工夫いただいたので、原発問題に関心が高い我々一同にとって非常に有益な機会となりました。ご講演の順での要点は以下の通り。 1.UNESCOのSは科学のS原子力は20世紀を代表する科学であるが、不幸にして最初に原子爆弾という形で世に出てしまった。そこで、世界の平和の実現を目指して発足したUNESCOの組織名称に「教育」のE、「文化」のCに加えて、「科学」のSが入れられた際には原子力が強く意識された。 2.原発の何が見直されているか 原発の恐ろしさをまざまざと知らしめたチェルノブイリ原子力発電所の事故が極めつけとなって、世界の人々に強烈な原発アレルギーを引き起こしていたのに、このところ急に「原発回帰」ムードへ風向きが変わってきた理由は何か。 3.原発のマイナス面の見直し しかし、依然として原発は完全に安全とは言えない。その面での目下の見直しの焦点は、柏崎刈羽原子力発電所の中越沖地震の際のトラブルが記憶に新しい。 4.まとめ核分裂反応の原子力、更には将来の核融合によるエネルギーは、遠い将来、これまでのエネルギー資源が枯渇しても人類が生存し続けることを可能ならしめる、人類が獲得した貴重な財産である。従って、そのマイナス面の対策に向けて、安易に妥協することなく、今後、人類の英知が益々、発揮されなければならない。(石田) |
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