梵鐘の魅力と歴史 八幡先生は50年近く梵鐘の勉強をしてこられたと聞く。研究ではなく勉強とおっしゃるところが、インドから鎌倉まで、梵鐘を実地主義で検証された先生のお人柄だ。 2週間後の「平和の鐘を鳴らそう」実施にあたって「サロン」での講演をお願いしたことをうけて、鐘を打つ意味が重要と、「梵鐘の音はお釈迦様の説法として響いてくる」と説明される。 過去・現在・未来の三世の無情、苦、空、無我を昇華して「自」の悟りだけでなく「他」の救済をも願う大乗の心はまさに「平和の鐘を鳴らそう」にも通じるものがあるのではと。 身近でみることができる建長寺、円覚寺、東慶寺、常楽寺等の梵鐘は東国の武家文化を語っている。 梵鐘のルーツをたどると、平家物語等でも知られている、インドの祇園精舎の鐘ということになる。梵語では鐘は音を発する小さな楽器という意味で「けんち」といわれていた。それが大乗仏教の東遷に伴い、仏を荘厳する聖なる音として中国の古代の楽器と結合して梵鐘なったという。6世紀初頭の龍門石窟にある釈迦涅槃図に中国鐘のレリーフを八幡先生が発見されたとのお話もあった。 中国鐘と朝鮮鐘、日本鐘の形、紋様、竜頭、吊り方等の違いについても、用意された豊富な資料とスライドによる説明で興味深くおおいに学ぶところがあった。 |
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