ユネスコサロン

鎌倉の地域文化遺産を知る
  鎌倉の遺跡−釈迦堂口・名越を中心として

7月27日午後2時半から生涯学習センターにおいてユネスコサロンが開かれた。大盛況で熱気がこもったサロンだった。講師は八幡義信先生。24ページの分厚い資料を作ってくださり講義の中身がより理解できた。青磁鉢3点の写真を見せて説明
開口一番、八幡先生が釈迦堂口の中世時代の鎌倉の面影を残す国際自動車別荘跡に関係したいきさつを述べられた。

要約すると、義信先生の父上は昭和10年代から鎌倉の史跡を研究する八幡義生先生で、この辺一帯の発掘は昭和28年頃行われ、特に、シュリーブス氏邸の庭から出土した青磁鉢3点は見事で他では見られない名品からこの地が北条氏の名越邸跡と推定していた。

このとき立ち会った人は既に鬼籍に入り、講師の八幡義信先生が今では唯一の生き証人とか、この地が最近開発計画にのり、地元大町の住民達が開発反対の運動を起こし、市役所も発掘調査に踏み切ったとのこと。地元の要望で今年の5月5日に、八幡先生がこの地の歴史を語った時、2時間の予定が1時間しか講演できず、残念に思っていたところユネスコサロンで今回機会に恵まれたという話であった。

発掘された青磁鉢3点はいまは国立博物館に重要文化財として収められている。
また、名越に住んでいたと思われる主要御家人の名前を挙げたが、記録はあっても確かに住んでいたという確証はない。史跡で確認できているのは、常盤邸ぐらいとか。

休憩後は中世の面影を残す名越の風景、植物、地形、出土品、史跡などをスライドで説明された。特に印象深い写真は、釈迦堂口やぐら群の「唐糸やぐら」「日月やぐら」など、釈迦堂建立の話、五臓六腑を持った釈迦像の話、さらに切通の写真いくつか、話題が尽きないうちに時間切れとなってしまった。筆者も非常に好奇心を刺激された内容だった。   (鴇澤)

 
 

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