9月25日、美術館の新館落成と、4月に北京、5月にパリで開かれた平山郁夫展の凱旋帰国展見学のため、参加者44名がバスで出発した。美術館までは3時間余。
新館は本館と一体となり、規模を拡大、装いも新しく、すっきりした外観が高原の緑と風にとけ込んでいた。
入口近くに大石仏像の陶板画がはめ込まれ、ここからは平山郁夫の世界。
ローマからアジアへのシルクロードの歴史を数々の作品を通して知る。
次室は日本の伝統美を伝える絵画、「平成の洛中洛外図」は画伯がヘリコプタ−からスケッチされたとのこと。伝統形式に納められた現代の京都の市街はビルが立ち並び、興味深い、「流水無間断」は緑豊かな奥入瀬渓流。大作の前に立ち、その迫力に圧倒される。
また、平山御夫妻が長年にわたって収集された、陶器、土器、仏像、コイン等など。貴重なものばかり、本物を目の前にていねいに見たかったが時間不足。
「またの来館を」と気持を取り直して、大いなるシルクロードの展示室へと進む、左右に朝と夜の対比で、太陽と月の下を駱駝で行く隊商が、正面の大画面、フォロ・ロマーノまで続く。この広い展示室の空間が砂漠となって来訪者をシルクロードの終着点へと導いてくれる。
少し疲れて、中央のソファに座り、夜空に描かれた無数の星に目を向けると白い絵具がきらきらとほんとうに砂漠に輝く星となって映る。感動を胸に館外へ出るとそこは屋上のウッドデッキ。
2頭の大きな駱駝の置物があり記念撮影に絶好のスポット。こんな時、人は歳を忘れて駱駝に触ったり、乗ってみたり、パチパチとシャッターが切られ笑顔が溢れる。
帰路はぶどう園やワイナリイに立ち寄り、手にも心にも重いお土産と共に、無事鎌倉に到着。充実した一日だった。 (岩永)
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