第22回定期総会報告と特別講演報告

定例総会は、5月1日(土)午後2時から鎌倉芸術館集会室を会場にひらかれました。佐藤美智子会長
今年の総会は三部立て、第一部が総会、第二部が記念講演、第三部が懇親会で構成されていました。

総会の司会は、ユースを代表して、佐野彩理事がつとめました。
開会挨拶を佐藤美智子会長が行い「会長として初めてご挨拶するので緊張しています。

平山会長をサポートする意味で副会長を引き受けて来ましたが会長がお亡くなりになり、副会長の役目が終わったと思っていたところ、会長を引き受けて欲しいとの話があり、一時は平山先生を慕って会員になられた人が大勢いるので平山夫人が適任と思い辞退しましたが、夫人がお断りになり、どうしてもということで夫人には名誉会員になっていただくことをお願いして、会長職を引き受けることにしました。

鎌倉ユネスコは私の知る限り、団体では一番組織的にも、目的もしっかりしております。私自身ちからはありません。皆さまのご協力と平山先生が築き上げた鎌倉ユネスコを先生のお声を聞きながら発展させていきたいと思いますのでご協力をお願いします」と述べられました。
松尾市長は公務のため欠席で、来賓を代表して兵藤芳朗副市長が市長のメッセージを代読されました。副市長は創設期からのユネスコ会員で学生時代からユネスコに関心のあったことを述べられました。兵藤芳朗副市長
議長団として、鈴木圭子理事、田村耕一郎理事を選出、書記として、赤井明郎理事と神代實理事を選び、議事が始まりました。
第1号議案2009年度事業報告(案)を廣瀬光世事務局長がおこない、第2号議案2009年度決算報告を渡辺隆理事が説明、監査報告を石渡好行監事がおこなって会場の承認を受けました。続いて第3号議案 2010年度事業計画(案)を事務局長が説明、第4号議案の2010年度予算(案)を渡辺理事が説明。これらも承認されました。
続いて表彰式に移りましたが、今年20年目のシルバー賞に該当する会員はいなく、10年目を迎えるブロンズ賞対象の方々が14名おり、そのうち総会出席の4名の方々が壇上で会長から表彰状と記念品を受取りました。ブロンズ賞授与

[ブロンズ賞授与の方々]
古谷 晶子、山本 雪江、庭山 啓子、鈴木 圭子、栗村 淑香、大石 尚子、渡邊 周、里吉 弘治、島田 裕、大森 英孝、岩本 紀代子、石井 照彦、田頭 清作、吉岡 裕美子、14名

[今年度活動の方針]
2010年度の事業計画と予算をみると、いままでにない活動の変化を見ることが出来ます。本来、ユネスコ活動は活動すればするほど資金が必要になってきます。
ところが最近は経済界の不況もあって蓄積されてきた繰越金、準備金が減少傾向にあります。
そこで昨年後半から執行部は危機感を持って討議し今年度から実行する計画をすすめているのです。
@資金を集めるために、会員を集めるが、特に法人会員を積極的に集める。
Aオリジナル商品を開発する。具体的には「平山画伯世界遺産支援絵はがき」の新版を制作・販売する。
B会報発行月をずらして新年号に名刺広告の企画を実施する。

第2部は「予測の時代の科学《なぜスーパーコンピューターなのか》」と題して、理化学研究所の茅幸二先生によるご講演がおこなわれた。(内容は以下の通り)
第3部は鎌倉芸術館パウゼを会場とする懇親会。講演の熱気を引きずったまま会場へ移動。茅先生を取り巻き、さらに新会長就任の祝賀ムードでいつまでも盛り上がっておりました。(鴇澤)

特別講演

「予測時代の科学」

理化学研究所          
次世代スーパーコンピューター
開発実施本部副本部長    
茅幸二氏

今年度は、理研(理化学研究所)の次世代スーパーコンピューター開発実施本部副本部長である茅幸二氏に「予測の時代の科学」をタイトルとするご講話をお願いした。講師は理研の和光研究所・中央研究所所長等を歴任され、平成17年には文化功労者を顕彰されたナノ物質科学で世界的に著名な研究者。ご自宅が葉山で、父君の茅誠司氏が民間ユネスコ活動に大変ご尽力下さった縁もあって快くお引き受け下さった。理化学研究所次世代スーパーコンピューター開発実施本部副本部長茅幸二氏
ご講演では、理研で2012年に稼働予定で開発が進行中の1秒間に1万兆回の計算速度(10ペタFLOPS)を持つスーパーコンピューターの、「予測の時代の科学」に不可欠なツールとしての意義を語られた。地球温暖化の進行状況のビジュアル化、都市型集中豪雨の気象予測、テーラーメイド医療・体内適所薬搬送などの新しい可能性を平易にご説明いただいたので、その意義をよく理解することができた。
科学・技術は、物質内部の極小世界から宇宙の極大世界まで、その構成要素(部分)を探求してきた20世紀に対して、21世紀は構成要素の相互作用によるシステム(全体)の挙動を予測するものへと進化しつつある。スーパーコンピューターの出現こそが、そのために必要とされる相互作用に関する膨大な量の情報の高速な処理を可能にした。  
環境問題など、我々は科学・技術の「部分」での進歩が全体としては負の効果をもたらす事例をいくつも見てきた。科学・技術が、全体として人類・地球にとって良い方向に向かっているかどうかの評価には、人文科学、更には哲学、宗教までも関わってくるであろう。その意味からUNESCOのSがScienceであるユネスコに期待する役割が益々高まっている、と述べてご講話を締めくくられた。
(石田)

 

 
 

戻る