今年の献茶会

鎌倉大仏殿にて5月23日、年一回の献茶会が華やかに開催された。生憎の雨模様であったが、美しい和服姿の参加者が、深い緑の木々に囲まれた大仏殿の中庭を艶やかに飾っており、回廊に並んだブースが活気を添えていた。鎌倉ユネスコのブースでは、かなり品質の良い日本人形、こけし、陶器、和風の小物、版画絵、和紙文具などが飛ぶ様に売れ歓声に沸いた。
特に外国人観光客の「買い振り」はお国柄が反映され、ちょっとした異文化体験であった。

最後の「購入を決定」する時の人間の心理は、言語抜きで数字が勝負とする「経済交渉」に動く。合計金額を少しでも値切ろうとするインド人の粘り強さ、合計金額を素直に払うが、やたらと「これ、おまけネ」とブース内を歩き回り小物を選ぶ中国人観光客の逞しさ。静かに控え目に一回位の交渉で満足するヨーロッパ系の観光客。

値切る事に不慣れな日本人の妙な「恥の文化」が交渉のリズムを狂わす。
しかし共通するアジア系観光客の機転の速さと陽気さは、彼らを憎めない小気味良い後味を我々に残していく。「参った」と心で彼らに脱帽し、去り行く彼らの後姿を眺めながら「日本人は、果たしてグローバルな遊牧民として勝ち抜けるであろうか?」と言う不安も同時に感じさせられる。

今回は、清泉女子大学英文学科から1年生のボランティア2名(櫻井良美さんと島村舞さん)の参加もあり、バザー店と厨房の配膳のお手伝いとフル回転で動いた。
「働く事の大変さ、労働の意味が分かった。また来年も来たい」と元気に感想を述べた大学生。各人各様が何かしらを学んだ実り多い一日であった。 (山田ますみ)

 
 

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