「微生物多様性」勉強会

名古屋での生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)に合わせて10月29日に開催したことがタイムリーで、18名の熱心な参加者を得た。講師は、先日(6/24)のエコキャンパス見学会でもお世話になった、環境微生物学がご専門のフェリス女学院大学の佐藤輝・准教授。種々の微生物の存在が、土壌維持、水質浄化、環境汚染物質除去微生物多様性勉強会、新薬開発等の点からいかに不可欠かを学ばせていただいた。

ツバルが水没の危機にさらされている事は知っていたが、原因は住民の生活汚染物質の排出による海水の富栄養化のためのサンゴ、有孔虫の死滅である事は全く知らなかった。CO2対策だけでは、何年後かには、ツバルは水没する事を意味する。

恐ろしい事だと思う。因果関係を的確に追及する賢さが無ければ、とんでもない事になる、良い事例である。私達の身の周りにも、原因をCO2に押し付けて、実は別のところに原因があった、と言うような事が、沢山あるのではないでしょうか。

手遅れになる前に因果関係を洗い直す必要がある様に思う。ゴミの分別はCO2対策の為だけでは無い。ダイオキシン対策の為と認識する事こそ大切なのかも知れない。

COP10は一定の成果をあげて終了した。微生物には底知れないパワーがある。今後の研究に期待が大きく膨らむ。私も若かったらこんな研究をしてみたいと思う。微生物の輸入や国外持ち出しには、きっと充分な注意が必要なのだろう。

ペットの密輸が問題になっている。外国の蜘蛛や蟻や、動物や、魚や、植物が、悪さをして困っている。きっと、これが微生物にまで広がるのだと思うと、目に見えないだけに、何となく気持が悪いのは私だけだろうか。等と考えているうちに、あっと言う間に講演が終わってしまった。ともかく知らない事が多かった。講演会のあとには、大きな満足感が残った。      (神澤貞臣)

 
 

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