8月15日の記憶
鈴木 佳子
青い空、白い土の道を大男が一目散に走る。疎開先の座敷いっぱいの人、ラジオに向かって頭を下げる。聴こえる声がいつもと違っている。1945年、私は国民学校1年生。この光景だけが、今も鮮明に残る8月15日の記憶の全て。
2011年、戦後生まれが、既に日本人口の3/4以上を占める。原発事故の報道が、原子爆弾・戦争に重なる人間は、もはや少数。20世紀の科学技術が生んだ両者は、共に原子核反応を応用する。発生する放射線は、発電と殺戮を弁えない。意識と覚悟をもってUNESCOのSを考えたい。
教育の大切さ
本岡 俊郎
名古屋でフードバンクの仕事をしていますが、外国人支援が重要です。静岡県西部地区を含む東海地方では全国の日系ブラジル人の約半数が住んでいますが、教育問題が根深くあります。長く続く不況でお金のかかるブラジル人学校は退学、代わりに入った日本の公立学校もお客様扱いでいつの間にか退学。ブラジルにも帰れない。このような子供達が成人になれば、日本での人生にどのような可能性があるのでしょうか?ネパールでの寺子屋建設のスタディツアーに参加した時に、言葉を学ぶ価値を知りましたが、足元の日本でも深刻な問題があるのです。
平山郁夫画伯アトリエ・ミーティング
に参加して
磯山 文雄
かねてから、神秘に満ちた平山芸術の特長とされる群青色、ロマンと叙情性を感じさせる褐色に魅せられて、どのような場所で制作されたのか関心があった。7月14日、「大唐西域壁画」制作の画室参観に参加した。
平山郁夫シルクロード美術館スタッフの説明によれば、作画が大きいため、特大和紙の特注、画室2階部分を吹き抜けにしたなどご苦労があったことを伺った。壁画に観る風土と人間が織りなしてきた歴史の重み、叙情性と精神性を感じさせる大作が、この画室で制作されたかと思うと感慨無量であった。
最近いつも思うこと
榎本 時子
2001年9月11日におきた同時多発テロの丁度一月前に米国より帰国して瞬く間に10年が過ぎた。貧しかった日本は、物質的な豊かさにあふれ、特にバラエティーに富んだ食生活の贅沢なことは、米国の一般市民をこえている。今、私は健康上の問題で老人ホ―ムに入居している。帰国前に訪れた米国の広々とした美しいホームは魅力的でしたが、その食事内容は老いても立派な体格の米国人向けで、小さな私の胃には耐えられないと思ったものです。
それにつけても最近思うのは飢饉にあえぐ世界中の貧しい人達のことです。特にソマリアの人達には国連のWorld Food Programが支給する食料がソマリア政府の腐敗、反乱軍の暴力により届くことは非常に困難と聞いています。食べ残されたホームの食事を見るたび、空腹を抱える人達に思いをはせ、老人の私に出来る事を見つけようと思っています。
記憶力
石渡 節子
年令を重ねると記憶力が衰えていきます。私の友人で、円周率4万桁を暗誦しギネス記録保持者に登録され、その後「ルービックキューブ」シニア部門世界三位となられたTさん。
2年前「海の研究所」訪問にご夫妻をお誘いし、その時スーパーコンピューターを見て感動されたお姿を忘れることができません。ユネスコの活動を通してすこしでもお役に立てるよう皆様のお力を借りながら、係わっていきたいと思っております。 |