新年あけましておめでとうございます


昨年は初の試みであった鎌倉ユネスコ・フェスティバル開催を目前にして未曾有の大災害が起こり、フェスティバルは中止のやむなきに至りましたが、そこは鎌倉ユネスコの皆様の底力。そのエネルギーを災害復興支援に振り替えた対応は特筆すべき事でした。

その情熱に呼応して50もの団体が参加して下さり、市行政と一つになって大支援バザーが催されました事は市政始まって以来の画期的なものとなりました。その折に平山郁夫シルクロード美術館がご協力くださいました事は、支援活動の大きな力となり、改めて先生の偉力に合掌致しました。
また、昨年4月から平山美術館のご好意で会員のためのアトリエミーティングを開催させて頂き、11月には法人会員をお招きして、先生のかつての瞑想の場「寂静庵」でお茶会を開催させていただけました事は先生の三回忌をお偲びする良い機会となりました。ここに改めて平山美知子館長はじめスタッフの皆様に感謝申し上げます。
素晴らしい頭脳と実行力を持ち合わせていらっしゃる鎌倉ユネスコの皆様をいつも誇りに思っておりますが、新年を迎え、皆様がご健康で益々ご活躍下さいますよう祈念致します。

今年は世界遺産登録に鑑み、鎌倉をより魅力的な街、世界に誇れる街にするのには、どうしたらよいのか、鎌倉をリードする会として、実力ある皆様のお知恵に期待するところ大でございます。

会長 佐藤美智子

新しい年を迎え、謹んでご挨拶申し上げます

昨年の東日本大震災で、肉親や親しい人を失われ、また生活基盤を根こそぎ奪われました多くの方々のことを覚え、ユネスコ活動の原点に立ち返って、今年の歩みを始めたいと思います。
東日本大震災支援バザーには、世界寺子屋運動バザーに予定していた献品を急遽変更して振り向けました。また、大震災発生直後の会員からの救援募金は、被災地の学校復興支援や被災児童への奨学金に使われています。私たちはもっぱら開発途上国に対して就学支援をしてきましたが、この事態に、その目を海外だけでなく国内にも向ける方向に、大きく舵を修正する必要を感じています。
東日本大震災はまた、原発の問題を大きくクローズアップしました。懸念されていた原発の恐怖を日本国民が福島第一原発事故により肌身で体験し、合わせて、核燃料廃棄物が地球上に次々と溜まっていく恐ろしさを改めて浮き上がらせたのです。この衝撃の事件は、ESD (Education for Sustainable Development:持続発展教育)を通して持続発展可能な社会の実現を目指す私たちに、原発の廃止と自然エネルギーの活用拡大に向けた行動を促しています。一方で、このような原発の問題や地球温暖化といった環境、エネルギーの側面に加えて、この世界には貧困、食糧危機、民族紛争など、持続発展可能な社会を阻害する要因が他に多々あり、それらが世界の平和を乱していることに気づきます。
その結果、ユネスコのモットーである「心の中に平和の砦を」が目指す平和な世界は、単に戦争が無いことではなく、持続発展可能な社会であるという見方に変わります。それに合わせて、私たちのユネスコ活動それぞれも、ESDの一環として再構築することに取り組まなければなりません。
ESDの大きな要素である国際理解に向けては、私たちの長年にわたる世界寺子屋運動や世界遺産保全活動を通して、現地スタディツアーを含めて持ってきた豊富な交流実績を活用できるでしょう。たとえば、「わたしの町のたからもの絵画展」に関して、それらの国の学校の生徒の作品を特別展示することから始め、将来的には日本の学校との絵画交換へと発展させることまで考えられます。
鎌倉のユネスコ世界遺産登録については、昨年、いよいよ国が登録申請に踏み切ったことに対して、当地域のユネスコ協会として、世界遺産登録の本来の意義に沿うものとなるように、具体的に行政に働きかけ、その方向への協力、支援をしていきたいと考えます。
本年も、鎌倉市の行政、学校並びに地域のNPO団体と密接に連携を持って当協会としての不足を補いつつ、ユネスコ精神に沿う活動を鋭意進めたく、皆様のご協力、ご支援をよろしくお願い申し上げます。

理事長 石田喬也

 

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