NO.176
            先達からの贈り物     会長  加藤玲子

  初夏、緑がうつくしい。精一杯のエネルギーをたくわえている艶やかな葉先が太陽に眩しい。この自然の姿を見る時、ふと思う。「50年前、ユネスコの創設から日本が加盟したその頃、ユネスコ運動に心を傾けた先達の思いは、明日にむけて、あふれるような喜びと力強いエネルギーに満ちあふれていたにちがいない。」と。日本がユネスコに加盟して半世紀。敗戦後、日本の国連加盟に先がけて国際機関に復帰できたのは、大地をゆるがすような民間ユネスコ運動のたかまりが、大きな推進力として働いた。

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 1951年6月21日。パリの第6回ユネスコ総会で日本の加盟承認の決議が行われた直後、前田多門日本首席代表は感謝の挨拶に立たれた。「日本国民を代表して・・・」と始まる言葉の中には、「・・今や扉は開かれ、われわれの宿願は達せられましたが、日本国民はただこの特典に得々として安ずるものではなく、ユネスコが拠って立つところの崇高な理想の実現に参与することに重い責任を感じているということを、諸君に対して確言 したいと存じます。」とある。さらに、「日本国民 ユネスコ本部のホームページ は世界各国との文化交流、特に東西文化融合に熱意を持っている。」とのべ、加えて「国際連盟の事務局次長であった故新渡戸稲造博士が、ユネスコの前身ともいうべき国際知的協力委員会の設立に大きな責任を負ったことに言及することをお許しいただきたい。」との前置きのもとに「私の同胞によってつくられた『国際精神』をわれわれ後輩はここにひきつぐ。」と語った。 半世紀余を経て、「国際知的協力委員会」の意を受け継いだ「ユネスコ」は、その運営を日本人に委ねた。いま、松浦事務局長の手によって、その果たすべき使命を全うするために、厳しい運営改革、力強い行動が展開されているときく。 折しも、ここに、予てからの望みが叶えられ、ユネスコ本部の情報(ホームページ)がごく一部ではあるが転載されて日本語でも読めることが実現化した。(次ペ一ジ参照) まだ、試行錯誤の段階ではあるが、はじめの一歩が目黒ユ協の英文担当スタッフによって成されたことに感謝し、私たちのささやかなユネスコ運動は、地域、日本、世界と連動していることを、あらためて皆様とともに実感したい。

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