No.195−2

ユネスコ親善大使 イラク問題に関する声明文を発表
 
 ユネスコパリ本部で開催されたユネスコ親善大使定例会議において、ユネスコ親善大使19名(平山郁夫氏、ピエール・カルダン氏他)がイラク問題に関する声明文を発表しました。(2003年2月6日付)
(日ユ協連から、このユネスコ親善大使による声明文を支持する旨発表がありました。)
 
ユネスコパリ本部
2003年2月6日
 我々、ユネスコ親善大使は、2003年2月5日〜6日に開催された定例会議に臨み、イラクでの戦争の勃発の危機に対し、深く憂慮するものであることを表明する。
  
  
我々は自らの名において、以下に始まるユネスコ憲章の前文にたちかえることを願う。

               ユネスコ憲章前文

この憲章の当事国政府は、その国民に代って次のとおり宣言する。
 戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。
  相互の風習と生活を知らないことは、人類の歴史を通じて世界の諸人民の間に疑惑と不信をおこした共通の原因であり、この疑惑と不信のために、諸人民の不一致があまりにもしばしば戦争となった。
  ここに終わりを告げた恐るべき大戦争は、人間の尊厳・平等・相互の尊重という民主主義の原理を否認し、これらの原理の代わりに、無知と偏見を通じて人間と人種の不平等という教義をひろめることによって可能にされた戦争であった。
  文化の広い普及と正義・自由・平和のための人類の教育とは、人間の尊厳に欠くことのできないものであり、且つすべての国民が相互の援助及び相互の関心の精神をもって果さなければならない神聖な義務である。
  政府の政治的及び経済的取きめのみに基く平和は、世界の諸人民の、一致した、しかも永続する誠実な支持を確保できる平和ではない。よって平和は、失われないためには、人類の知的及び精神的連帯の上に築かなければならない。
 これらの理由によって、この憲章の当事国は、すべての人に教育の充分で平等な機会が与えられ、客観的真理が拘束を受けずに探究され、且つ、思想と知識が自由に交換されるべきことを信じて、その国民の間における伝達の方法を発展させ及び増加させること並びに相互に理解し及び相互の生活を一層真実に一層完全に知るためにこの伝達の方法を用いることに一致し及び決意している。
 その結果、当事国は、世界の諸人民の教育、科学及び文化上の関係を通じて、国際連合の設立の目的であり、且つその憲章が宣言している国際平和と人類の共通の福祉という目的を促進するために、ここに国際連合教育科学文化機関を創設する。
 


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