NO.196   2003.4.9

第50回の総会へむけて
会長 加藤玲子
 目黒ユネスコ協会の創立50周年は、2004年にあたりますが、今年度の総会は第50回となります。都内でも多くの協会ができては消えていきましたが、当協会がいまあることのなんと有難いことかと、長きにわたってこの協会を支えていただいた内外の方々に心からお礼を申しあげます。

 今年度は、まさに変革の年となりましょう。関係各位のご尽力で、事務局が独立できたこと、それにともない、多くの会員がそれぞれの知恵と力を、自然に提供できる環境が整えられたことは感謝にあまりあるところです。
 そして、この環境を最大に、いかに活かすかは、いまの会員に与えられた課題です。来年度までに、新たな50年を見据えて、理想を高く掲げながら、今までの概念にとらわれることなく、時代に即応した、しかも、わが協会の身の丈に応じた実現可能な計画を立案し、手法を選び、行動に移さなければなりません。
 時は、動いています。たとえば、創立時〈1954年〉の趣意書に書かれていないことで、いま、わたくしたちが真剣に取り組んでいる活動があります。それは、国際協力・支援活動です。創設当時は、むしろ支援される立場であったでしょうから、これもごく自然なことでした。

 20世紀は「戦争の世紀」でした。そして「平和の文化を築く世紀」と願いをこめてむかえたこの21世紀は、すでに「戦いの時」を過しています。悲しいことです。戦いは、武器を伴うもののみではないということを前提とし、この戦いを乗り越えるために、ある種のもどかしさを一方で感じながらも、いや、それだけに「平和」への道程を見極め、努力を積み重ねなければならないとあらためて思うのです。

 目黒ユネスコ協会は、地球の上の、アジアの、日本の小さな地域にあります。しかし、常に世界に目をむけ、自らの足元を確認しながら歩みたいと願います。当協会は、幸い半世紀にわたる活動のつみかさねと、いまの会員のたゆみない働きにより、世界のあちらこちらに、この運動に共鳴し、いろいろなかたちで連なる方々がおられます。地域から世界に発信する作業、海外在住の方々との連携、明日を託す青少年に関わる活動など、会員皆の知恵と行動力をいかし一歩でも前に進みましょう。
 そして、ここに、民間ユネスコ活動に対し、関係各位のさらなるご指導、ご鞭撻を頂きたく、あらためてお願いいたします。

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