No.202-5

第16回目黒区国際交流ひろば
―日本文化紹介―
花のお江戸の素敵なエスプリ
デジタル浮世絵でお江戸を読む
お話 佐藤光信氏(平木浮世絵美術館館長) 英語解説・通訳 マーク大島氏(日本文化研究家)
めぐろパーシモンホール(大ホール) 日時:2003年10月31日(金)19:00〜
主催 : 目黒区教育委員会 主管 : 目黒ユネスコ協会
特別協力 : (財)平木浮世絵財団・NHKプロモーション
  後援 : 目黒区・目黒区芸術文化振興財団・目黒区美術館・(社)日本ユネスコ協会連盟
  協力 : 干ドテックス・韓ナックスカフェ・桓ーデックスイメージズ・くるりんぱ・〈らぶ
 
 平木浮世絵美術館とNHKプロモーションの協力で第16回目黒区国際交流ひろばが開催された。平木浮世絵美術館の佐藤館長が自ら解説された浮世絵は15枚。いずれもこれが版画とは思えないくらい精緻で、かつ美しいことに感嘆の声が上がる。せいぜい30−50センチ角程度の浮世絵が巾6メートルの画面に映し出され、その一部分が更に拡大されても、更に細かな描写があることは驚きであった。そしてその色彩の美しさ、描写の美しさに時間を超えて江戸時代に引き込まれる思いであった。
 解説の佐藤館長は質問にも余裕を持って解説を深めて下さりその造詣の深さを感じさせ、又英語解説のマーク大島氏も歌舞伎座、国立劇場で英語解説する経験に加え、清元志磨大夫としても活躍されていることもあり、通訳の域を超えて江戸文化の神髄を外国の方々に理解して頂けたのではないだろうか。
 「文化」と「平和」を隠れたテーマとしたいとの目黒ユネスコ協会の要望に対し、平木浮世絵美術館はデジタル化された数百枚に及ぶ浮世絵の中から大変適切な選択をして下さった。江戸時代の庶民の生活の中に広く芸術・文化が根付いていたのは、そこに安定した平和があったためではないかとあらためて考えさせられる思いであった。 
    
右:当日のプログラムから
      (広報活動委員会 奥澤行雄)



写真:上 歌川 広重
  「東海道五十三次之内 日本橋 朝之景」     天保4年頃(c1833)
 
写真:右 喜多川歌麿「高名三美人」         寛政4年頃(c1792)
 
写真:左 歌川 広重
   「名所江戸百景 猿わか町よるの景」 安政3年 (1856)







江戸時代は世界史上類い希な、長期にわたり異民族との紛争がなかった安定した時代でした。庶民の中には寺子屋が根付き芸術が実り現在の日本の文化の基盤が培われたのです。中でも「浮世絵版画」は、19世紀のフランス印象派に多大な影響を与えた日本を代表する芸術です。今回は、財団法人平木浮世絵財団とNHKプロモーションによる、浮世絵作品の優れたデジタル化技術に注目しました。デジタル化した浮世絵をスクリーンに200〜500倍に投影し、江戸庶民の暮らしの知恵やこれまで見過ごされていた作品に潜む謎を解き明かそうと試みます。
 
 

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