No.203                        2004.1.1 

ふさわしい活動・ふさわしい運営
目黒ユネスコ協会会長 加藤玲子
あけましておめでとうございます。本年は、目黒ユネスコ協会創立50周年をむかえます。先人に培われ、多くの方々の支えによりこの目黒の地に、脈々と受けつがれてきた半世紀です。本年は、創立記念前日、10月2日の記念会をはじめアメリカのユネスコ復帰にちなんで、アメリ力青年を迎えてのコンサート、子ども達への働きかけなど記念活動を企画中です。
 昨秋も日常活動の他にコンサートやユネスコ講座、バザー、美術展など一般市民を対象とした活動が目白押しで、事務局スタッフや担当委員会も忙しいことでした。また独立した事務局は多くのボランティアの活動拠点として、さらに修学旅行の中学生を迎えるなど今までにない活力の源として活かされています。 

「その時代にふさわしい活動を」とよくいわれます。わが協会の歴史のなかにもそれを読み取ることができました。目黒ユネスコ協会は1954年秋に誕生しましたが翌春に『浮世絵版画巡回展』を実施しているのです。(アメリカンスクールを含み区内小・中学校巡回)そして昨秋、偶然にも「デジタル浮世絵でお江戸を読む」と題して江戸から学ぶ一タをもちました。「デジタル…」それは、まさに現代だからこそ享受できる技です。両者とも教育委員会と目黒ユネスコ協会の協働活動でありました。歳月にかかわらず、ユネスコ活動として意図するところは同じでありましょう。半世紀を経て今度は、『デジタル浮世絵』で学校巡回し、子ども達に『江戸』を通じてユネスコの心を伝えることも可能かもしれません。活動は、運動を推進するための手段です。媒体がなにであれ、私たちの活動は『ユネスコの心』を広く一般市民に伝えることからはじまります。

 ユネスコ憲章の前文には、「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和の砦を築かなければならない。」「平和は、失われないためには、人類の知的及び精神的連帯の上に築かなければならない。」とあります。しかし、いま人類は、イラク、中東、北朝鮮など平和を脅かす様々な問題をつきつけられています。歯がゆい思いにかられながらもその渦のなかで、「この運動体の原点はただ一つである」と、あらためて思うのです。

 半世紀を経た今、原点を見つめ直し、次の50年へ向けて、この地域からの民間ユネスコ運動に課せられた「相応しい活動」「相応しい運営」★ をまさぐる時といたしましょう。そして、私たちの宝である、世界の、日本の、目黒の子どもたちに、若者に、最善の贈りものを残したいと思います。明日にひきつぐために50周年を期に議論を重ね、力をたくわえたいと思います。会員みなさまのさらなるご協力を切にお願いいたします。

 ★「運営についての基本的な考え万 @全ての会員とともに Aボランティアに徹する B寛容・厳正・ 中立−    セクト主義に陥らぬように」  加藤いさ子副会長(当時)筆のメモより。(1974年頃)
 


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