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ごあいさつ

西宮ユネスコ協会

会長 辰馬 章夫

 西宮ユネスコ協会は1962年の創立以来50年余の年輪を刻んでまいりました。

その間「心の中に平和の守りを固めよう」「すべての人間の尊厳を重んじよう」「教育・科学・文化を通じて人類の知的及び精神的連帯を深めよう」「民族間の疑惑と不信を除こう」「世界を友愛と信頼の絆で結ぼう」との会員綱領のもと、会員相互の親睦をはかりつつ、諸活動や研修会、勉強会を催して参りました。

 科学文化が急速に発達し、世界がネットでつながる今日においてもなお紛争や貧困が絶えず、平和への道のりはまだまだ遠いと言わざるを得ません。私たち西宮ユネスコ協会は、この大きな目標をめざして活動を続けてまいりましたが、更なる飛躍を目指して若い世代を育てながら、理想に向かって歩み続けて参りたいと存じます。

 私たちはこの50年余りの間にふたつの大震災を体験いたしました。特に東日本大震災では激震とともに津波と放射線による苦境が加わりました。被災された方々の苦しみは4年を過ぎた今日もなお続いており、皆さんが一日も早く笑顔が戻る日の訪れることを願うばかりでありますが、この苦境は国民の間に新たな工夫や価値観を生み、郷土愛や連帯意識を高めました。又被災者の方々のじっと耐える姿や他者を思いやる心は国内外多くの人々の感動を呼びました。大きな苦境の中で日本人が本来心の中に宿している美しい精神風土が目覚めたのです。逆境の中から蘇った和の精神や連帯意識は新たな力を創出します。このつながりが国境を越えると国民と国民の、国家と国家の心暖かな輪に広がっていきます。つながりは人と人だけではありません。人類はすべての生物の幸せへの責任を負っています。今望まれるのは多様性を尊重し、人と自然の共存関係を取り戻し、持続可能な循環型社会を構築していくことです。長年に亘る民間ユネスコ運動における先人の尊い足跡に感謝しつつ国境を越えて「人と人」「人と自然」のつながりの中に幸せを見出す「ともに生きる」精神を共有し、創立以来半世紀を超えた西宮ユネスコ協会の世界平和への草の根運動を会員ともども力強く前進させてまいりたいと願っています。