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六条大好き! 奈良大好き!

奈良市立六条幼稚園

参加人数 4~5歳児54人
地域住民・保護者60人、 NPO関係者6人

助成活動期間2019年4月~2020年2月

活動のねらい

①自分たちで作った油を薬師寺や唐招提寺、元興寺の灯明に使ってもらうことで、伝統を守り、受け継いできた奈良の人々の営みや心との重なりを感じる。

②菜の花を見つめたり、触れたりする環境を準備し、毎日関わっているからこそ気づくことや、感じる思いを大切にする。
                          
③ 大人と園児たちの交流の中で、他者を受けとめたり、疑問を解決したりしながら活動を通して「受け継ぐ」事を体験する。

活動内容

①菜の花プロジェクト
菜の花を育て、油を搾って奉納や食用として使い、その時に出る油の搾りかすを畑の肥料とするような循環型社会について学習。
                                          
六条幼稚園の近くにある薬師寺や唐招提寺、ならまちにある元興寺の灯明の火は、昔から菜の花の油を使っていることを聞き、子ども達が作った菜種油を灯明に活用してもらうために奉納することで、歴史文化と自然、地域社会と子どもをつなぐことができると考えて取り組んでいる。指導計画に位置づけ、地域やNPO、保護者の方々と協働して実施。

【年間の流れ】
5/21 幼稚園・薬師寺菜の花の刈り取り
6/14 菜の花の種落し、油搾り
7/ 8 薬師寺に油を奉納 (全園児親子)
8/23 元興寺に油を奉納
9/20  菜の花の種まき
10/24 幼稚園の菜の花を移植
10/31 薬師寺菜の花の移植 (5歳児親子)
10/31 唐招提寺に油の奉納 (4歳児親子)

②鬼瓦つくり
子どもたちが唐招提寺の『隅鬼』に興味をもっていたため、六条の昔からある家にも鬼瓦があることを知ったり、調べたりし、6月の参観日に親子で鬼瓦を作り、自分たちが住む町の文化や人と人の繋がりについて触れる機会をもった。

  • NPOの方々から循環型社会についてのお話

  • 乾燥した菜の花の種落とし (踏んだりラップの芯でたたいたり!)

  • 菜の花で絞った油を薬師寺へ奉納

  • 唐招提寺では国宝の金堂で油奉納

  • 唐招提寺の『隅鬼』探し

  • 親子土曜参観で薬師寺の鬼瓦を作成

助成金の使途

助成額 10万円
(下記費用を、助成金から充当)

内訳使途金額
消耗品費 鬼瓦代(1,400円×54人) 75,600円
消耗品費 腐葉土・骨粉入り油かす・有機化成・培養土 7,317円
消耗品費 花の土 10,483円
消耗品費 プランター(220円×10) 2,200円
消耗品費 ちりとり・ゴミ袋 4,400円

児童・生徒の変容

●今年度はねらい③の「受け継ぐ」を意識しながら取り組んだので、子どもたちが薬師寺や元興寺へ奉納に行ったり、遠足で奈良の歴史遺産を見学したり、触れることで「すごく昔にこんなものができたってすごい」「どうして昔のものが今も残っているの?」などの声が聞かれるようになり、最後には「大事にされてきたからなんだね」ということに気づくことができた。

●鬼瓦の制作では、家の瓦に興味を持って自分たちの住む町を散策したことで、「鬼瓦は家を守ってるんだって」「悪いことが家に起こりませんようにってお願いなんだよ」など、昔からの習わしに関心が広がった。

先生の声

・菜の花プロジェクトを通して循環型社会への学びにつながっただけでなく、地域とのかかわり・絆が生まれ、自分たちが次に「大事にしていく」という気持ちの芽生えにつながったと思う。

・10月には静岡においてユネスコの『全国幼児教育ESDフォーラム2019』と『世界遺産学習全国サミットinなら』でプレゼンテーション・ポスターセッションでの報告や発表を行い、多くの方々へ啓発することができた。

生徒の声

「菜の花がいろんな物になるんやなぁ」

「ぼくらの油が火になった!」

「種を落とさないように大事にしよう」

「たくさんの種から少ししか取れないことにびっくりした」

「頑張ったから火を灯してもらってうれしい」

「電気がなくてこの火だけだったら暗いね」

「あっ!絵本で見た隅鬼、見つけた!」

学習成果発表の様子

親子土曜参観で作成した鬼瓦と菜の花で絞った油。

教材ダウンロード

資料なし