SGDs視点でマンガを読み解く『まんがでSDGs!!』プロジェクト
湘南学園中学校高等学校
参加人数 6学年 1144人
パンフレット制作:4学年 30人
助成活動期間2021/4~2022/2
活動のねらい
漫画という生徒にとって身近な存在とSDGsとを結びつけることで、大人からテーマを与えられて一方的に教わる「受け身」の学びではなく、等身大の「自分」から関心を出発させる主体的な学びを目指す。
活動内容
<1> 図書委員会での企画立案
図書委員会の企画班(中高生10名)の生徒達が「SDGsの学びに何が足りないのか?」というテーマで議論。「学校のカリキュラムの中で取り組むと、どうしても“やらされている”感が出てしまう」「社会経験が少ないので、なかなか身近なものとして感じられない」などの問題点が挙げられた。
解決策を話し合い、「授業外で」「子どもが自ら接する」「身近なもの」であるマンガを、SDGs学習の素材として活用することにした。
<2> 生徒によるマンガの選出、冊子の作成
「SDGsとの関連が深く、テーマ性がある」マンガ18タイトルを生徒たちが選出し、図書室で購入。各自担当を割り振って、以下について原稿にまとめ製本した。
① マンガのあらすじ
② 関連するSDGs目標(3つ以上)
③ その作品のどんなところがSDGs的であるかの説明
<3> 校内での活用
完成した『まんがでSDGs‼』パンフレットを校内で配布し、図書室に全タイトルを揃えたコーナーを設置した。生徒は自由に閲覧・貸出ができる。教員の利用も多く、授業資料として活用されることもある。
完成したパンフレット、また生徒作成の企画概要はページ下部「教材ダウンロード」からダウンロード可能。
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パンフレットを手に取る生徒
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図書室内のコーナー
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図書室内の展示
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マンガだけでなく、ドラマやアニメもSDGs視点で考える
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広報用のポスター
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学生が制作したパンフレットより。 パンフレットはページ下部「使用したワークシート等の教材」よりダウンロード可能
助成金の使途
助成額 10万円
(下記費用を、助成金から充当)
内訳 | 使途 | 金額 |
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通信費 | スマートレター 100部 | 18,000円 |
印刷製本費 | 『まんがでSDGs!!』パンフレット 520部 | 85,000円 |
児童・生徒の変容
・マンガには疑似体験性があるので、まだ社会経験の少ない子ども達の「実感」を補いつつ、ごく自然にSDGs的な問題に触れさせることができた。とくに生活保護やジェンダーといったセンシティブなテーマに関して、中学1年生ですら感覚的に理解できるようになった。
・「身近なエンタテイメントもSDGsの視点から研究対象にすることができる」という経験を通して、ジャンルを超えた広い視野に立ち、研究・表現する能力を身につけることができた。
先生の声
・子ども達にとって魅力的な、マンガという素材を主題にしたことで、彼ら自身が主体的に課題に取り組むことが出来た。
・マンガを真剣に読んで分析し、文章で説明するという作業そのものに、子ども達のメディアリテラシーを高める効果がある。
・多忙でなかなか本をじっくり読む時間がとれないが、マンガであれば隙間時間に気軽に手に取ることができて、大人の学びにも最適だと思う。
・中高生ならではの視点がユニークで、大人のほうがはっとさせられた。
生徒の声
・マンガだと自分から手に取るので、授業のように受け身にならず、自然に楽しみながら学ぶことができた。
・マンガだと登場人物になりきって疑似体験ができるので、実際に自分が体験していなくても「自分ごと」として理解できるようになった。
・身近な存在であるマンガが、さまざまなSDGsと結びつくことに驚いた。この体験を通して、日常のさまざまな場面で「これはSDGsだったらこのテーマにあてはまるんじゃないか」と考えられるようになった。
・マンガだけではなくドラマや映画など、他の題材もSDGsで分析してみたい。
・マンガが好きで気軽に始めた活動が、外部の大人達から高く評価してもらえて嬉しかった。自分の進路を考えるときにも、高校時代の活動の一つとして参考にできると思った。
学習成果発表の様子
「中高生×未来のためのSDGsマーケット」出展
クイーンズ横浜で開催された同イベントにて、来場者に『まんがでSDGs‼』パンフレットを頒布し、掲載マンガを立ち読みできるブースを設置した。
近隣書店でのフェア
近隣書店の店頭にて『まんがでSDGs‼』掲載コミックスを集めたフェアを展開し、パンフレットも頒布した。
公共図書館での展示
近隣自治体の図書館にて『まんがでSDGs‼』掲載マンガのPOPをコミック コーナーに展示し、パンフレットも閲覧できるようにした。