国際理解・地域理解を中心に据えたESD・SDGsの推進
福島県立安達高等学校
参加人数 450
助成活動期間2022/4~2023/2
活動のねらい
国際理解教育及び復興教育を柱に、SDGsの指針に基づく探究活動による学習を通して、持続可能な社会の実現はもちろん、地域を大切にする心や未来を創造する力を育むことを目標としている。
活動内容
・復興教育の一環で、7月30日にはエネルギー教育モデル校としての研究を長年実践されている京都教育大学附属京都小中学校の生徒たちと交流し、10年後の福島について想いを巡らせながら議論し、グループごとに発表。
・7月下旬には「福島第一原子力発電所の廃炉に向けた取組とALPS 処理水の海洋放出について」(講師:佐藤 義就氏・経産省資源エネルギー庁)と「飯舘村長泥地区の環境再生事業について」(講師:村山 友章氏・環境省)を受講し、8月8日には東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの教訓や復興について学ぶ研修を実施。視察に参加した生徒たちは富岡町の東京電力廃炉資料館で 廃炉へ向けての説明を受けた後に東京電力福島第一原発を見学した。
・8月中旬には東京電力福島第一原発事故に伴い帰還困難区域となっている飯舘村の長泥行政地区で環境省が取り組む除染土壌を再生利用する実証事業の見学会を実施し、再生土壌への理解を深めた。視察後は飯舘村の交流センターに移動し、経産省資源エネルギー庁の木野正登参事官から処理水の海洋放出に関する説明を受けた。
・12月には1・2年生の参加者が「いわき震災伝承みらい館」を訪問し、資料や映像でいわき地区が経験した甚大な被害の説明を受けた。館内見学後は、震災語り部の方からバスにて薄磯地区を巡り、被災地の記憶や復興状況などを自分自身の目や耳や肌で感じ取った。
・国際理解教育としては、ブリティッシュヒルズの語学研修やマリールイズさんの講演会、JICA国際理解講座の受講、世界寺子屋運動の一環である書き損じハガキの回収など多岐にわたる活動を行った。
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「いわき震災伝承みらい館」を見学する生徒たち
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「いわき震災伝承みらい館」見学後に語り部の方から話を聞く生徒たち
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ルワンダ内戦を生き抜いたマリールイズによる、ルワンダの歴史や文化についての講演の様子
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ペットボトルのキャップ回収で、途上国のワクチン支援を行う様子が新聞にも掲載された
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生徒が作成したポスター
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ユネスコスクール北海道・東北ブロック大会のポスター発表部門で最優秀賞を獲得したポスター
助成金の使途
助成額 10万円
(下記費用を、助成金から充当)
内訳 | 使途 | 金額 |
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旅費交通費 | バス代 | 99,780円(一部学校が負担) |
諸謝金 | 語り部講師への謝金 | 5,000円 |
児童・生徒の変容
復興教育の研修を通して、生徒たちはその柔軟な思考と感性で福島にとっての「復興」や「再生」の意味について深く探究し、福島と自分自身の未来を創造する力をさらに高めることができた。また、原発事故から十一年経った今なお多くの方々が廃炉へ向けて携わり努力してくれていることも学んだ。研修を通して生徒からは「震災は、いつ起きるかわからない。自分に何ができるか、何をすればいいか、それを考えていくのが今、自分が出来ることだろう。これからも、自分に出来ることを考えていきたい」といった声があがった。実際に被災地に赴いたからこそ得られた学びを胸に、ユネスコスクール生として自分たちも震災の記憶を伝え続けなければと強く考える生徒が増えた。
先生の声
・様々な活動後、課題を自分事として考えることができる生徒が増えた。
・地域のリーダーにつながるような、地域と密接に積極的に関わる活動に参加する生徒もでてきた。
・探究活動を通して、自分で課題を見つけ、仮説を立て、解決策を探る考え方を身につけることができた。
・復興教育や、国際理解教育において、実際自分の目で見たり、体験することを通して、興味関心を高めることができた。
生徒の声
・今回の研修を通して、これまでよりも震災や復興を「自分事」としてとらえることができるようになった。
・飢餓問題は決して他人事ではないということ。 ひとりひとりが意識して生活することが大切だということ。 学んだことを活かし、少しでも解決できるように自分で意識したり周りに声をかけたりして行動していきたい。
学習成果発表の様子
1年生のSDGsポスターセッション
SDGsに焦点を当てて、グループごとにポスターにまとめて発表した。他グループの発表を聞くことで、新たな知識を取り入れることにもつながった。
2年生が探究の成果を発表する公開ESD発表会
公開ESD発表会には、保護者や地域の方など多くの人が参加した。
教材ダウンロード
資料なし