「忘れない」を合い言葉に!~科学的思考と慌てない心構えで2次災害を防ごう~
平川市立竹館小学校
活動に参加した児童生徒数/1~6学年96人
活動に携わった教員数/15人
活動に参加した地域住民・保護者等の人数/20人
実践期間2019年6月1日~2020年2月29日
活動のねらい
停電は、あらゆる災害に付随して発生しうる2次災害である。しかし、現代社会に於いて停電によって絶対必須のライフラインが途絶する事態は災害そのものであるとも言える。事実、当地でも東日本大震災により3日間にわたる停電で照明、暖房、情報を失い心理的な不安、身体的影響を受けた。また、昨年度の修学旅行では北海道胆振東部地震に遭遇しブラックアウトを経験した。この機会を捉えて、万一停電に見舞われても冷静に振る舞うための確かな知識を身につけ、停電に備えるための学習を推進することは重要な意味を持つ。震災の記憶を風化させることなく「自然災害でなぜ電気が失われるのか」について筋道を立てて考察させる中で、「自分の身を守るための判断と行動の在り方」を見出させたい。更には、子供達へ「科学的な知識は身を守る」という科学の有用性を実感させるとともに人類が直面している課題を乗り越えるための創造力を醸成する。
活動内容
1)実践内容・実践の流れ・スケジュール
①各児童が各家庭で東日本大震災による停電時の状況や対応などを聞き取り、聞き取った内容を各学級で発表し合い、それぞれの情報を共有した。(6月~) ②大地震の発生を想定した避難訓練を実施。地震によって停電が起こる理由を学ぶとともに、停電が発生した場合の対応法について学習した。(9月3日)
③弘前大学から長南幸安教授を招聘し、バンデグラフを用いた実験を行い「電気の正体」について学んだ。落雷の実験では、鳥カゴや自動車の中に入ると雷の影響を受けないことを学習することができた。(12月13日)
④マッチやろうそくの安全な使い方の指導(寒冷期の停電に備えての防寒対応)(各学級で1月~)
⑤日本科学技術振興財団から加藤太一研究員を招聘し、種々の発電方法のメリットとデメリットを整理し、電気エネルギーを確保することとベストミックスの重要性について確認した。(1月29日)
⑥活動の成果を平川市の「青少年健全育成市民会議」で発表した。減災教育の重要性について保護者や地域住民へ広く啓蒙する機会となった。(2月16日)
3)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。 昨年度まで(助成金・研修受講前)と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
・気仙沼市での研修会では、衝撃的な状況を呈している被災地を目の当たりにすることができた。従って、自然災害のすさまじい脅威をより具体的に迫力をもって子供たちへ伝えることができるようになった。
・階上小中学校の先進的な実践例をお手本にした防災学習を展開できるようになった。
・外部から講師を招聘することで、より効果的な実験や体験を折り混ぜながら、より専門的な見識を踏まえて子供たちを指導することが可能になった。
4)実践の成果
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
・手回し発電機を用いて子供たちに交流電流をつくり出す実験に取り組ませるとともに、風力発電の仕組みや電気エネルギーを光や熱、動力に変換できることを体験的に学習させることができた。子供たちは普段の生活で何気なく使っている電気をつくるために意外と大きな労力が必要であることを実感した様子であった。また、エネルギーを変換する技術が自分たちの生活を支えている事実を理解できたようである。
・今回の学びを生かし、日本教育新聞社主催の「小学生・中学生によるエネルギー環境問題アイデアコンテスト」や資源エネルギー庁主催の「私たちの暮らしとエネルギー、壁新聞コンテスト」へ応募する児童が大幅に増加したことは大きな喜びであった。
②児童にとって具体的にどのような学びがあり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
・児童及び保護者、地域住民が確かな知識と自分の考えに基づいて行動できるようになり、いたずらに暗闇を恐れたり不安に駆られることがなくなった。
・本活動で招聘する専門家らによる学術的な見地からの指導により、児童の視野を大きく広げることができた。また、子供達の社会性を高めるために有効であった。
・本地域において小学校は地域コミュニテイの拠点を担っていることから、児童の声を通して保護者の皆さんや地域の方々の減災への気運を高めることができた。本市全体にとって大きな利益になったと確信する。
③教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
・教師が外部講師による指導へ立ち会うことで、減災への意識と意欲を向上させることができた。
・「減災」をテーマにした授業を参観日などで公開することで、減災教育の必要性について保護者の皆さんや地域の方々へも広く啓蒙することができた。
・子供たちの感想の中には、「もしもの時に備えて家族で災害時に必要な懐中電灯など保管場所を確認したい」などがあり、家庭内で減災について話し合うきっかけにすることができたことも成果の一つである。
5)実践から得られた教訓や課題と次年度以降の実践の改善に向けた方策や展望
・震災の記憶や教訓を確実に次世代へ伝えるために、次年度以降も本実践を確実に継続することが求められる。
・かつて、寺田寅彦氏は「天災は忘れた頃に来る」と人々を戒めた。しかし、昨今の気候変動は「忘れる間もないほどに次々と新たな自然災害が来襲する」現実をもたらしている。今回のプログラムを一つの契機として、減災教育を一層充実しなければならないと決意を新たにしている。
①各児童が各家庭で東日本大震災による停電時の状況や対応などを聞き取り、聞き取った内容を各学級で発表し合い、それぞれの情報を共有した。(6月~) ②大地震の発生を想定した避難訓練を実施。地震によって停電が起こる理由を学ぶとともに、停電が発生した場合の対応法について学習した。(9月3日)
③弘前大学から長南幸安教授を招聘し、バンデグラフを用いた実験を行い「電気の正体」について学んだ。落雷の実験では、鳥カゴや自動車の中に入ると雷の影響を受けないことを学習することができた。(12月13日)
④マッチやろうそくの安全な使い方の指導(寒冷期の停電に備えての防寒対応)(各学級で1月~)
⑤日本科学技術振興財団から加藤太一研究員を招聘し、種々の発電方法のメリットとデメリットを整理し、電気エネルギーを確保することとベストミックスの重要性について確認した。(1月29日)
⑥活動の成果を平川市の「青少年健全育成市民会議」で発表した。減災教育の重要性について保護者や地域住民へ広く啓蒙する機会となった。(2月16日)
3)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。 昨年度まで(助成金・研修受講前)と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
・気仙沼市での研修会では、衝撃的な状況を呈している被災地を目の当たりにすることができた。従って、自然災害のすさまじい脅威をより具体的に迫力をもって子供たちへ伝えることができるようになった。
・階上小中学校の先進的な実践例をお手本にした防災学習を展開できるようになった。
・外部から講師を招聘することで、より効果的な実験や体験を折り混ぜながら、より専門的な見識を踏まえて子供たちを指導することが可能になった。
4)実践の成果
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
・手回し発電機を用いて子供たちに交流電流をつくり出す実験に取り組ませるとともに、風力発電の仕組みや電気エネルギーを光や熱、動力に変換できることを体験的に学習させることができた。子供たちは普段の生活で何気なく使っている電気をつくるために意外と大きな労力が必要であることを実感した様子であった。また、エネルギーを変換する技術が自分たちの生活を支えている事実を理解できたようである。
・今回の学びを生かし、日本教育新聞社主催の「小学生・中学生によるエネルギー環境問題アイデアコンテスト」や資源エネルギー庁主催の「私たちの暮らしとエネルギー、壁新聞コンテスト」へ応募する児童が大幅に増加したことは大きな喜びであった。
②児童にとって具体的にどのような学びがあり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
・児童及び保護者、地域住民が確かな知識と自分の考えに基づいて行動できるようになり、いたずらに暗闇を恐れたり不安に駆られることがなくなった。
・本活動で招聘する専門家らによる学術的な見地からの指導により、児童の視野を大きく広げることができた。また、子供達の社会性を高めるために有効であった。
・本地域において小学校は地域コミュニテイの拠点を担っていることから、児童の声を通して保護者の皆さんや地域の方々の減災への気運を高めることができた。本市全体にとって大きな利益になったと確信する。
③教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
・教師が外部講師による指導へ立ち会うことで、減災への意識と意欲を向上させることができた。
・「減災」をテーマにした授業を参観日などで公開することで、減災教育の必要性について保護者の皆さんや地域の方々へも広く啓蒙することができた。
・子供たちの感想の中には、「もしもの時に備えて家族で災害時に必要な懐中電灯など保管場所を確認したい」などがあり、家庭内で減災について話し合うきっかけにすることができたことも成果の一つである。
5)実践から得られた教訓や課題と次年度以降の実践の改善に向けた方策や展望
・震災の記憶や教訓を確実に次世代へ伝えるために、次年度以降も本実践を確実に継続することが求められる。
・かつて、寺田寅彦氏は「天災は忘れた頃に来る」と人々を戒めた。しかし、昨今の気候変動は「忘れる間もないほどに次々と新たな自然災害が来襲する」現実をもたらしている。今回のプログラムを一つの契機として、減災教育を一層充実しなければならないと決意を新たにしている。
活動内容写真
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避難訓練後の防災講話
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発電方法による長所と短所を比較
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市民会議で学習成果を発表
活動において工夫した点
本プログラムで特筆すべき点は、東日本大震災の発生から8年が経過して、本市に於いて風化しかけている震災の記憶と教訓を呼び起こす学習を出発点としていることである。奇しくも、2018年9月に修学旅行中であった本校児童が遭遇した北海道胆振東部地震に伴い発生したブラックアウトの体験談とも併せて、それらの情報を学校全体で共有することで減災学習に取り組むことへのモチベーションを大きく向上させることができた。
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資料なし