3・11当日の見直しから本校の津波防災教育の在り方を模索する

北海道函館水産高等学校

活動に参加した児童生徒数/水産食品科1学年40人、品質管理流通科2学年2人
活動に携わった教員数/2人
活動に参加した地域住民・保護者等の人数/4人

実践期間2018年5月10日~2019年3月28日

活動のねらい

本校の立地環境は函館湾の奧、七重浜に近接しており、3・11級の津波に襲われた場合、被害が甚大であることが予測できる。被害をできるだけ少なくすることを「目的」として、
① 学校として津波にどう対処するかを検討し、その方法を策定すること
② 地域の避難施設に指定されていることもあり、施設としての能力を検討・改善すること
③ 水産高校としての特色を生かした防災プログラムを検討することを「ねらい」とする。

活動内容

1)実践内容・実践の流れ・スケジュール
5月・・・〇3・11当日の、本校の避難住民受け入れ状況の調査実施
8月・・・〇「高校生ボランティア・アワード」(東京)で「大震災を忘れないひまわりプロジェクト活動」を
ブース展示する。(※補足資料 写真1)
9月・・・ 〇学校から高台までの避難データ採り実施(※補足資料 写真2)
10月・・・〇函館湾の模型製作並びに津波シュミレーション実施(※補足資料 写真3)
     〇第6回 高校生ビジネスプラン・グランプリ」(日本政策金融公庫主催)に「地震・津波に関する防災・減災商品で
             生命を守るビジネスプラン」を応募。全国ベスト100に入賞。(※補足資料 写真4)
          〇
日本赤十字主催「救急救命法(基礎講習)」を生徒7名が受講
     〇「2018ジュニア・シッピング・ジャーナリスト賞」(日本海事広報協会主催)に「津波に弱い函館港」の新聞を
     制作して応募した結果、国土交通大臣賞を受賞。(※補足資料 写真5)
11月・・・〇北斗市民文化祭において、本校の津波減災活動をブース展示。(※補足資料 写真6)
12月・・・〇災害食としての缶詰の衝撃耐性試験(※補足資料 写真7)
           避難所生活における応急寝袋作りの研究(※補足資料 写真8)
2月・・・  〇避難所生活における熱源確保・ダンボールベッドの研究(※補足資料 写真9)
           日本赤十字主催「救急救命法(養成講習)」を生徒2が名受講(※補足資料 写真10)
3月・・・  〇北斗市七重浜住民センターと函館市地域交流まちづくりセンターで、本校の津波減災に関する
     研究成果発表会を開催。(※補足資料 写真11)
           〇地域FM局「FMいるか」の電話インタビューで、本校の減災教育を紹介した。
           〇「全国青年ボランティア・アクションin福島」に生徒2名の参加が認められて、石巻市で被災地
             
の視察と炊き出しボランティアを経験する。(※補足資料 写真12)
活動最終報告補足
2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。
  昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
① 9月研修会からの学び・・・地域として一体化した防災研修が皆無であることを思い知らされた。情報の共有や
 研修を北斗市・町会に働きかけ、地域が一体となって推進する「きっかけ」を作ること。
② 今年度の実践で変わった点・・・本校として、初めて防災教育に着手できたこと。
③ 助成金の活用で可能になったこと・・・日本赤十字の救命救急資格を生徒に取得させ、さらにその中から
 「ボランティア・アクションin福島」に生徒を派遣できたこと。

3)実践の成果
減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
今年度は、水産食品科の1年生を中心にプログラム展開したが、次年度以降は、学科はもちろん、教科横断的に「自然災害(特に津波災害)教育プロジェクト」を構築していくこと。

児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
地震・津波・豪雨・高波災害が国内外至るところで発生し、とうとう胆振東部地震では生徒自らが3日間のブラックアウトを経験したこともあり、本プロジェクトに真剣に取り組む姿勢が見られた。

教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
9月の研修を先生方にパワーポイントで報告する機会があり、津波被害に対して認識を新たにし、防災教育の必要性を感じてくれたと思う。また、本校の減災活動の一部が新聞や地域FMで紹介され、地域に本校の取り組みを紹介できた。

4)実践から得られた教訓や課題と次年度以降の実践の改善に向けた方策や展望
石巻や気仙沼に比べたら、本校は「防災教育ゼロ」の学校であることを認識した。今回のプロジェクト活動結果を地域に発信して、地域が一体化した取り組みを構築しなければならないと痛感している。

5)その他
今年度は、校内活動が主で、地域に働きかける活動が少なかったことが悔やまれる。せいぜい、北斗市民文化祭と研究成果展示会で、ブース展示という消極的な発表に留まり、次年度の課題となった。
本校の活動の一端を、ボランティア・アワード出場やビジネスプランコンテスト、海事新聞コンテストの成果を新聞、地域FM局が紹介してくれて、生徒の活動の範囲が広がったと思う。

活動内容写真

活動において工夫した点

海の学校としての特色を生かした実践ができた。冷凍や潜水の知識を生かした避難所生活用品の試作や、災害食としての魚肉缶詰の研究、石鹸と酢から油を作る方法の割り出しなどが挙げられる。

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