児童一人一人が実践を通して学び、確かな危機回避能力を身に付ける
北海道教育大学附属札幌小学校
活動に参加した児童生徒数/1~6学年453人
活動に携わった教員数/29人
活動に参加した地域住民・保護者等の人数/357人
実践期間2015年9月25日・26日
活動のねらい
地震による津波、大雨による洪水や河川の氾濫、暴風雪による孤立など、学校に留まらざるを得ない状況下で、子どもの身の安全をどう保つのかを考えるとともに、そうした状況下における学校としての体制作り(関係機関との連携、保護者との連絡方法等)について、実際の訓練を通してより精度の高いものにしていく。
また、子どもたちが将来、どの地域で生活しても災害に対しても危機を回避できるように、教員の災害に対する意識、防災に対する意識を高めていく。
活動内容
1)実践内容・実践の流れ・スケジュール
※資料参照
2)9月研修会での学びから自校の実践に活かしたこと、研修会を受けての自校の活動の変更・改善点、
昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点、助成金の活用で可能になったことなど。
9月の研修会の時点では、すでに本実践の計画ができており、大きな変更はなかった。しかし、研修後すぐに、教員に研修報告をし、より具体的なイメージをもって減災の取り組みの必要性を訴えることで、本実践中に今後の方向性を話し合う姿が教員の中に見られたことは、研修を受け、それを発信することで得られた成果の一つである。
3)実践の成果
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
東日本大震災の影響を受け開始した本実践(宿泊・引き取り訓練)であるが、「災害の想定」という本実践の根本の所で共通の認識をもててはいなかった。「なぜ、津波を想定するのか」といった疑問がどこかにあったのは事実である。しかし、研修の中で学んだ「子どもがどこにいても」災害に対応できるようにすることの大切さを共通認識できるようになったことで、より「本気」の実践につながった。本実践の反省の中に、「災害の想定をより具体的にするべきだ」という声が多数出てきたことも、2人の教員を派遣し研修した成果の表れと感じている。
②児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。 前述のように、教職員に「具体的な災害の想定」への必要感が出てきたことにより、各学級における「いのちを守る授業」や活動全般を通して、自分の身を守る方法やその必要性を、各教員が自分の言葉で語る姿が見られた。児童の「非常時への備え」に対する意識が、教師の本気の態度により高まっていったと感じられる。
各下校分団で、登下校時の災害の備えについて確認する時間を取った。日頃の分団による下校(毎週火曜日)の取組と本実践の効果か、10月8日に暴風雨により電車が数時間止まった時も、上級生が下級生を落ち着かせ、保護者への連絡を取ってあげたり、車内で気を紛らせるお話をしてあげたりする姿が見られた。災害時に慌てることなく、不安を取り除いてあげる行動は、本実践を通して身に付けた力が発揮されたものと考えている。
③教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
教師は、今後の本実践の在るべき姿について、非常食や物品等の準備を、具体的な災害を想定しながら今後も進めていくべきとの考えが大勢を占めました。この実践は縮小の方向で進めるという声もないわけではなく、被災地を訪れ、被災された方の声を聞き、減災への熱心な取組を見た者とそうではない者の意識の差を、どう縮めていけるのかを考える必要はある。
保護者については、「何のためにやっているのか」という意識は少なからずあるようだが、多くの保護者が「とても大切である」との認識で一致しており、この実践の意義について今まで以上に発信し、必要感のある実践に育てていきたい。
4)実践から得られた教訓や課題と今後の改善に向けた方策や展望
「災害を具体的に想定する」ということに尽きる。本校は、暴風雪による孤立が最も現実的な災害である。その備えとして、必要なものをリストアップし、限られて予算より購入する予定である。課題としては、現在2年に一度の「宿泊訓練」を3年に一度にするべきとの声も出ている。子どもに、災害時の対処の仕方や災害時の避難所の「疑似体験」をさせることも大切であると考え、よりよい形で継続していけるよう模索中である。
5)その他
最初にも述べたが、研修会と本実践との間が2週間ほどだったので、減災教育プログラムでの学びを生かせるのは次年度になると考え、準備を進めているところである。
※資料参照
2)9月研修会での学びから自校の実践に活かしたこと、研修会を受けての自校の活動の変更・改善点、
昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点、助成金の活用で可能になったことなど。
9月の研修会の時点では、すでに本実践の計画ができており、大きな変更はなかった。しかし、研修後すぐに、教員に研修報告をし、より具体的なイメージをもって減災の取り組みの必要性を訴えることで、本実践中に今後の方向性を話し合う姿が教員の中に見られたことは、研修を受け、それを発信することで得られた成果の一つである。
3)実践の成果
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
東日本大震災の影響を受け開始した本実践(宿泊・引き取り訓練)であるが、「災害の想定」という本実践の根本の所で共通の認識をもててはいなかった。「なぜ、津波を想定するのか」といった疑問がどこかにあったのは事実である。しかし、研修の中で学んだ「子どもがどこにいても」災害に対応できるようにすることの大切さを共通認識できるようになったことで、より「本気」の実践につながった。本実践の反省の中に、「災害の想定をより具体的にするべきだ」という声が多数出てきたことも、2人の教員を派遣し研修した成果の表れと感じている。
②児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。 前述のように、教職員に「具体的な災害の想定」への必要感が出てきたことにより、各学級における「いのちを守る授業」や活動全般を通して、自分の身を守る方法やその必要性を、各教員が自分の言葉で語る姿が見られた。児童の「非常時への備え」に対する意識が、教師の本気の態度により高まっていったと感じられる。
各下校分団で、登下校時の災害の備えについて確認する時間を取った。日頃の分団による下校(毎週火曜日)の取組と本実践の効果か、10月8日に暴風雨により電車が数時間止まった時も、上級生が下級生を落ち着かせ、保護者への連絡を取ってあげたり、車内で気を紛らせるお話をしてあげたりする姿が見られた。災害時に慌てることなく、不安を取り除いてあげる行動は、本実践を通して身に付けた力が発揮されたものと考えている。
③教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
教師は、今後の本実践の在るべき姿について、非常食や物品等の準備を、具体的な災害を想定しながら今後も進めていくべきとの考えが大勢を占めました。この実践は縮小の方向で進めるという声もないわけではなく、被災地を訪れ、被災された方の声を聞き、減災への熱心な取組を見た者とそうではない者の意識の差を、どう縮めていけるのかを考える必要はある。
保護者については、「何のためにやっているのか」という意識は少なからずあるようだが、多くの保護者が「とても大切である」との認識で一致しており、この実践の意義について今まで以上に発信し、必要感のある実践に育てていきたい。
4)実践から得られた教訓や課題と今後の改善に向けた方策や展望
「災害を具体的に想定する」ということに尽きる。本校は、暴風雪による孤立が最も現実的な災害である。その備えとして、必要なものをリストアップし、限られて予算より購入する予定である。課題としては、現在2年に一度の「宿泊訓練」を3年に一度にするべきとの声も出ている。子どもに、災害時の対処の仕方や災害時の避難所の「疑似体験」をさせることも大切であると考え、よりよい形で継続していけるよう模索中である。
5)その他
最初にも述べたが、研修会と本実践との間が2週間ほどだったので、減災教育プログラムでの学びを生かせるのは次年度になると考え、準備を進めているところである。
活動内容写真
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活動において工夫した点
本実践での工夫としては、非常時に子どもにリラックスした気持ちになるにはどうすればよいのかを考え、レクレーション活動を組み入れたことである。集団で避難するという非常事態への不安を解消する方法が他にはないのか、そもそもその考えが正しいのか、今後も検証していきたい。
資料ダウンロード
資料なし