「生き抜く力を育む防災教育の推進」~主体的・協働的な教育活動および小中連携の取組を通して~

岩泉町立小本小学校・岩泉町立小本中学校

活動に参加した児童生徒数/小学1~6学年61人、中学1~3学年40人 計101人
活動に携わった教員数/23人
活動に参加した地域住民・保護者等の人数/318人

実践期間2017年4月10日~2018年3月18日

活動のねらい

「生き抜く力を育む防災教育」
小本地域の児童生徒が,復興・発展を支える人として成長していくためには,東日本大震災とH28台風10号による災害を乗り越えるとともに,これらの経験を活かし,自然や社会の様々な変化や状況で「生き抜く力」を身に付けさせることが必要であることから。

活動内容

1)主な実践内容と流れ,スケジュール
【小学校】
①「いわての復興教育」副読本の活用
「いわての復興教育」副読本…震災後に県教委により作成され,県内全小中学校に配付されている。復興・防災教育の充実のため,各学校において通常の教育活動で効果的に活用することを期待されている。
②社会科見学や生活科探検,宿泊学習等の校外学習と関連させて防災意識を育てる
【中学校】
③「全校道徳授業」
④防災マップ作り
【小中連携】
⑤各種合同避難訓練
⑥地域防災避難訓練(11月5日(日)実施)
※詳細は資料参照
2)9研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。
  昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
①自校の実践に活かしたこと
・「自助・共助・公助」についての教職員の理解を深め,児童生徒への事前指導を確かなものとして地域防災訓練を行った。
・防災・減災教育の意義と育て身に付けるべき力について教職員の共通理解を図り,防災・減災教育の推進を図った。
②研修会を受けての自校の活動の変更・改善点
・日常の教育活動の中において防災意識を育てていく必要性について教職員の共通理解を図り,実践化を図った。
・防災・減災を「自分ごととして捉える」意識を高めさせるために,児童生徒による話し合い活動を意図的に位置付けて大切に指導した。
③昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
・教職員の防災・減災教育への意識を高めさせたことで,児童生徒の学びに向かう姿勢も主体的且つよりよいものとなった。
・緊急時の児童生徒・教職員の安全確保に関る現有物品をチェックし,ラジオや懐中電灯等の不足分を揃えることができた。

3)実践の成果 [ ⑥地域防災避難訓練について ]
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
・登校時間の災害を想定した訓練を計画したことにより,登校途中の通学路において,その場で判断して適切な避難行動をとることが困難であるという児童生徒の実態が明らかになった。その後の指導と次年度計画への改善につなげることができた。

②児童生徒にとって具体的にどのような学びがあり,どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
・「自分の命は自分で守る」ために,災害を想定したときに起こり得る危険,そして,それに応じた安全確保と避難について想像する力を高めることができた。

③教師や保護者,地域,関係機関等(児童生徒以外)の視点から
・地域一丸となった防災訓練は,それぞれの立場で防災意識を一層高める結果となった。
・教職員にとっては,命を守るために様々な人や機関が有機的に結びつき関っていることを実感することができ,考えを深めることができた。

4)実践から得られた教訓や課題と今後の改善に向けた方策や展望
・本校の現在の防災・減災教育を見直し,必要に応じて適切な学習へ改善を図り教育課程へ明確に位置付けて実践を継続していくこと。また,外部専門機関との連携についても積極的に計画していくこと。
・避難所指定であることから,中学校を中心に避難所運営に関る訓練を行政と連携して行うこと。

 

 
 

 

 

 

活動内容写真

  • 生活科探検1・2年実践例

  • 全校道徳授業

  • 防災マップ作り

  • 地域防災避難訓練

活動において工夫した点

・小中連携による避難訓練を当たり前に行っている。その際,小中担当者を中心に連携を密にとりながら計画している。更に,保育園と連携した避難訓練や地域や関係機関と連携した実効的な避難訓練を実施している。
・児童生徒による主体的な話し合い活動を核に据え,課題解決や振り返りを位置付けている。
・防災教育の様子を学習参観日に位置付けて公開し,保護者の意識も高めているところ。

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