STOP!「忘」災!!~私学の地域社会における社会的責任~
帝京中学高等学校
活動に参加した児童生徒数/高2学年242人
活動に携わった教員数/10人
活動に参加した地域住民・保護者等の人数/20人
実践期間2021年6月1日~2022年3月22日
活動のねらい
昨年より先行実施されている「総合的な探究の時間」において「震災」をテーマとし、生徒の興味・関心・進路に関連付けて個人・グループ学習を行い、地域社会と協働して、その成果を内外に公表する。また、地域の危険性を「継承する」存在として、比較的人事異動の少ない私立学校教員に注目し、「持続可能な減災教育」の礎を築く。
活動内容
1)実践内容・実践の流れ・スケジュール
〇夏休み
夏期講座「STOP! 忘災」の開講(放射線教育含む)。生徒自身による、地元のハザードマップ調べ。
〇2学期
生徒を居住地域毎に分類し、グループ学習。「地理B」で「探究方法」「日本の災害」を授業、
中間試験にて出題。
帝京大学・帝京科学大学教授による対面・Zoom・メールによる指導。
避難所となっている区立学校の見学。
〇3学期
「防災・災害ボランティア啓発イベント」にて研究発表@板橋区立中央図書館 図書館ホール
生徒作成スライドのデジタル展示@板橋区役所1 階 区民イベントスクエア
教員担当の東京農業大学教職課程科目「地誌」の講義内にて、本校生徒が研究発表し、大学生が助言。
個人レポート提出「震災と〇〇」(〇〇には、自分の進路の系統を入れる。800字以上)
グループレポート(6,000字)提出 校内プレゼンテーション大会(2/14 1グループ15分以内)
全ての活動を得点化し、3/21にグループごとの表彰式。
「地理B」の学年末考査にて、ハザードマップの読み解き問題を出題。
2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。
昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
〇「いたばし総合ボランティアセンター」の協力を得る事が出来たため、生徒の成果を校外へ発信できた。
〇学校の決裁を待たず自由に使用できる助成金を得た事により、機動的に活動する事が出来た。特に、インターネットを利用した調べ学習や、オンラインによる大学教授陣からの講義に必要なWi-fiの整備、大学教授陣への謝礼金は非常に有益であった。
3)実践の成果
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
令和3年度の高校2年生は、東日本大震災発災当時に小学1年生。辛うじて当時の混乱の記憶が残っているだろう世代であり、彼らに対して「震災」をテーマにした減災教育活動を施す意義は、後世への継承の意味においても重要な意味があった。特に現在の高校生にとって身近な災害は、新型コロナウイルスおよび洪水である。現在も東日本大震災の余震は続いているものの規模が小さいため、生徒は「地震慣れ」しており、「地震が災害をもたらす」という発想そのものが欠落していた。減災教育とは基礎の繰り返しであり、教員の粘り強さの重要性を改めて確認できた。
②児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
〇「震災」=「地震+諸災害」のため、様々な想定・ハザードを生徒が「自分事」として捉えるようになった。
〇大学教授による指導により、経済・観光・心理学など、様々な視点で震災を捉える事が出来た。
〇個人レポートを作成することにより、自分の希望する学問類型(経済学など)の学びを深める事が出来た。
〇地域毎に分類したグループによる協働作業により、各生徒の居住地域の危険性も理解する事が出来た。
〇一般市民が聞いている場所で生徒が発表する事により、言語活動の重要性を理解する事が出来た。
③教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
〇良質な発表を生徒が行った事により、防災担当以外の教員にも防災意識を広める事が出来た。
〇板橋区の施設で学習成果を公表した事により、本校が地域社会に対して社会的責任を果たしている事を示した。
〇「地理B」で日本地誌を扱う事は皆無であったが、本事業との連携により、「地理総合」へ繋ぐ事が出来た。
〇教員を志す大学生の前で発表させる事により、次世代の教員にも減災教育の重要性を理解させる事が出来た。また、高校生に指導するためには教員自身が深い学びをしていなければならない事を、理解させる事が出来た。
4)実践から得られた教訓や課題と次年度以降の実践の改善に向けた方策や展望
全教員が、地域の土地をお借りし、教育活動をさせていただいているという謙虚な気持ちを持つべきである。私学教員こそ、地域社会へ貢献する事が肝要であり、その1つが減災教育であるという認識を、共有させていきたい。
昨年度もほぼ同じ流れで探究活動を行ったが、グループ分けを昨年度は「進路」別にしたが、今年度は「地域」別にした。生徒に実施したアンケートを元に対比・分析したところ、今年度はグループ内の温度差が大きかった事が判明した。どのようなグルーピングが減災教育に効果的か、今後も検証していきたい。
〇夏休み
夏期講座「STOP! 忘災」の開講(放射線教育含む)。生徒自身による、地元のハザードマップ調べ。 〇2学期
生徒を居住地域毎に分類し、グループ学習。「地理B」で「探究方法」「日本の災害」を授業、
中間試験にて出題。
帝京大学・帝京科学大学教授による対面・Zoom・メールによる指導。
避難所となっている区立学校の見学。
〇3学期
「防災・災害ボランティア啓発イベント」にて研究発表@板橋区立中央図書館 図書館ホール
生徒作成スライドのデジタル展示@板橋区役所1 階 区民イベントスクエア
教員担当の東京農業大学教職課程科目「地誌」の講義内にて、本校生徒が研究発表し、大学生が助言。
個人レポート提出「震災と〇〇」(〇〇には、自分の進路の系統を入れる。800字以上)
グループレポート(6,000字)提出 校内プレゼンテーション大会(2/14 1グループ15分以内)
全ての活動を得点化し、3/21にグループごとの表彰式。
「地理B」の学年末考査にて、ハザードマップの読み解き問題を出題。
2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。
昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
〇「いたばし総合ボランティアセンター」の協力を得る事が出来たため、生徒の成果を校外へ発信できた。
〇学校の決裁を待たず自由に使用できる助成金を得た事により、機動的に活動する事が出来た。特に、インターネットを利用した調べ学習や、オンラインによる大学教授陣からの講義に必要なWi-fiの整備、大学教授陣への謝礼金は非常に有益であった。
3)実践の成果
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
令和3年度の高校2年生は、東日本大震災発災当時に小学1年生。辛うじて当時の混乱の記憶が残っているだろう世代であり、彼らに対して「震災」をテーマにした減災教育活動を施す意義は、後世への継承の意味においても重要な意味があった。特に現在の高校生にとって身近な災害は、新型コロナウイルスおよび洪水である。現在も東日本大震災の余震は続いているものの規模が小さいため、生徒は「地震慣れ」しており、「地震が災害をもたらす」という発想そのものが欠落していた。減災教育とは基礎の繰り返しであり、教員の粘り強さの重要性を改めて確認できた。
②児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
〇「震災」=「地震+諸災害」のため、様々な想定・ハザードを生徒が「自分事」として捉えるようになった。
〇大学教授による指導により、経済・観光・心理学など、様々な視点で震災を捉える事が出来た。
〇個人レポートを作成することにより、自分の希望する学問類型(経済学など)の学びを深める事が出来た。
〇地域毎に分類したグループによる協働作業により、各生徒の居住地域の危険性も理解する事が出来た。
〇一般市民が聞いている場所で生徒が発表する事により、言語活動の重要性を理解する事が出来た。
③教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
〇良質な発表を生徒が行った事により、防災担当以外の教員にも防災意識を広める事が出来た。
〇板橋区の施設で学習成果を公表した事により、本校が地域社会に対して社会的責任を果たしている事を示した。
〇「地理B」で日本地誌を扱う事は皆無であったが、本事業との連携により、「地理総合」へ繋ぐ事が出来た。
〇教員を志す大学生の前で発表させる事により、次世代の教員にも減災教育の重要性を理解させる事が出来た。また、高校生に指導するためには教員自身が深い学びをしていなければならない事を、理解させる事が出来た。
4)実践から得られた教訓や課題と次年度以降の実践の改善に向けた方策や展望
全教員が、地域の土地をお借りし、教育活動をさせていただいているという謙虚な気持ちを持つべきである。私学教員こそ、地域社会へ貢献する事が肝要であり、その1つが減災教育であるという認識を、共有させていきたい。
昨年度もほぼ同じ流れで探究活動を行ったが、グループ分けを昨年度は「進路」別にしたが、今年度は「地域」別にした。生徒に実施したアンケートを元に対比・分析したところ、今年度はグループ内の温度差が大きかった事が判明した。どのようなグルーピングが減災教育に効果的か、今後も検証していきたい。
活動内容写真
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活動において工夫した点
本事業参加校同士の連携を行った。板橋区立板橋第三中学校(以下「三中」)は本校より徒歩圏内であり、担当教員と連絡を取りあい共同作業が出来ないか模索した。「三中」は区の避難所に指定されている事から、担当教員により本校生徒を案内していただくとともに、「三中」生徒の減災教育活動を行っている様子の見学をさせていただき、高校生に刺激を与える事が出来た。板橋区施設での発表についても、「三中」と共同出展している。2月実施の本校校内研究発表においては、「三中」担当教員にもGoogle Meetでご参加いただいた。