「私たちは未来の防災戦士」
気仙沼市立階上中学校
活動に参加した児童生徒数/1~3学年103人
活動に携わった教員数/26人
活動に参加した地域住民・保護者等の人数/120人
実践期間2021年5月21日~2022年1月27日
活動のねらい
①様々な視点で防災と向き合うため探究学習を行い,未曾有の災害から命を守るための方法を追究し,これからの社会を「生き抜く力」を養う。
②地域の現状や自己との関わりを理解し,地域の一員としての自己の役割や望ましい社会を実現するための行動について考える。
③地域の人材や他者と協力する力を高め,主体的に社会に参画しようとする態度を育てる。
④防災・減災と向き合うための様々な視点から課題を見いだし,その解決に向けた仮説を立てたり,獲得した情報を基に,批判的,多面的,総合的に考えたりする力を身に付けさせる。
活動内容
1)実践内容・実践の流れ・スケジュール
総合的な学習の時間
その他
体験学習
探究学習
4月
避難訓練(全学年)
5月
防災学習ガイダンス
6月
東日本大震災伝承館TSUNAMIメモリアル訪問(1年)
女川町訪問(2年)
救急救命講習(3年)
避難訓練・規律訓練(全学年)
海×防災 講話
課題設定
7月
課題設定
防災委員会「カルタ制作」
8月
情報収集
9月
アクサ ユネスコ協会 減災教育プログラム参加(3年)
情報収集
10月
小学生への防災啓発活動(3年)
火災対応避難訓練(全学年)
中間発表,実践
11月
階上地区総合防災訓練(全学年)
小学生への防災啓発活動(3年)
まとめ
防災委員会「避難所初期設営マニュアル見直し」
12月
防災学習発表会
理科2学年「天気とその変化」
1月
防災学習振り返り,講評,レポート作成
理科1学年「動く大地」,理科3学年「環境問題」,理科全学年「レポート作成」
社会「環境問題」
2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
①9月の研修会の学びで自校の実践に活かしたこと
9月の研修会では,教科横断的に学習を行う「クロスカリキュラム」を学んだ。そこで,総合的な学習の時間のみで行っていた学習を9月以降は教科横断的に実施できるところがないか検討し,実践した。防災学習の1年間のまとめとしてレポートを作成することとしたが,作成方法については理科で学習するため,理科の時数を利用して行った。
②昨年度までの実践と今年度の実践で変わった点
ア 助成金を利用して,デジタルカメラ,SDカードを購入した。このカメラを伝承施設や被災地訪問時に生徒へ預け,学習内容を記録させた。個人で記録ができたことで,学習内容のまとめや振り返りのときに,画像を用いることができるようになった。
イ 生徒個人が使用できるタブレット(iPad)が昨年度から導入され,活用が始まった。そのタブレットの活用方法を充実させるためにタッチペンを人数分購入した。防災学習全体を通して,タブレットを活用する様子が見られた。
3)実践の成果
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
理科の時間を使用してレポートを作成することで,時数が足りないという問題を解決する兆しが見えた。また,防災学習が総合的な学習の時間の目標である教科横断的な学習であることを生徒自身も実感している様子が見られ,目標達成に近づいた。
②児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
学習前後のアンケート調査結果で変化が見られた項目
ア 災害についての知識 知っている災害の種類や内容の理解が深まった。
イ 多様な種類の課題の結び付き 地域課題が国際的な課題と結び付いていることの理解が深まった。
ウ 地域の課題の解決方法 主体的に考え,地域に解決策を提案できると答えた生徒が13%増加した。
エ 粘り強く取り組む姿勢 難しいことがあってもあきらめずに取り組むことができるようになった。
オ 学ぶことの意義の理解 表面的な楽しさではなく,学ぶ意義を感じるようになった。
③教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
地域の課題を生徒と共有し,一緒に考えていくことができる。
4)実践から得られた教訓や課題と次年度以降の実践の改善に向けた方策や展望
①実践から得られた教訓
ア 個人探究にしたことで,課題が自分事になり,主体的に考える生徒が増えた。探究の形式は,個人探究で行う必要があると分かった。
イ 教員が計画した講話などにより,探究課題のなかで,地球温暖化や海洋プラスチックなど国際的な問題について考えているものが増えた。個人での情報収集も大切であるが,生徒に身に付けさせたいことに対する手立てを用意することも重要であると分かった。
②課題
ア 生徒が地域のことや防災について,どれだけの事前知識を持っているのか分かっておらず,必要な内容を必要な分だけ知識を身に付けさせることができなかった。
イ 個人探究にしたことにより,生徒は,課題を一人で解決しなければならないと考えてしまった様子だった。結果,他者との関わりが減少し,他者と協力する力の育成が十分ではなかった。
ウ 総合的な学習の時間を利用した防災学習となっており,教科との連携が不足している。
エ 感染症拡大の影響により,地域の集まりに参加したり,地域の方を学校の発表会に招待したりすることができなかった。
③改善策
ア 生徒の地域や国際的な問題への理解度を事前に把握し,必要な予備知識を持たせる。
イ 他者と協力することの必要性を理解させ,探究の中に,協働的な学習場面を意図的に設定する。
ウ 4月の段階で,どの教科のどの部分が総合的な学習の時間に対応しているのかを一覧にした「ESDカレンダー」を作成する。
エ 地域の方から講話をいただいたり,訓練での助言をいただいたりするなど,地域と連携する機会を増やす。
総合的な学習の時間 | その他 | ||
体験学習 | 探究学習 | ||
4月 | 避難訓練(全学年) | ||
5月 | 防災学習ガイダンス | ||
6月 | 東日本大震災伝承館TSUNAMIメモリアル訪問(1年) 女川町訪問(2年) 救急救命講習(3年) 避難訓練・規律訓練(全学年) |
海×防災 講話 課題設定 |
|
7月 | 課題設定 | 防災委員会「カルタ制作」 | |
8月 | 情報収集 | ||
9月 | アクサ ユネスコ協会 減災教育プログラム参加(3年) | 情報収集 | |
10月 | 小学生への防災啓発活動(3年) 火災対応避難訓練(全学年) |
中間発表,実践 | |
11月 | 階上地区総合防災訓練(全学年) 小学生への防災啓発活動(3年) |
まとめ | 防災委員会「避難所初期設営マニュアル見直し」 |
12月 | 防災学習発表会 | 理科2学年「天気とその変化」 | |
1月 | 防災学習振り返り,講評,レポート作成 | 理科1学年「動く大地」,理科3学年「環境問題」,理科全学年「レポート作成」 社会「環境問題」 |
①9月の研修会の学びで自校の実践に活かしたこと
9月の研修会では,教科横断的に学習を行う「クロスカリキュラム」を学んだ。そこで,総合的な学習の時間のみで行っていた学習を9月以降は教科横断的に実施できるところがないか検討し,実践した。防災学習の1年間のまとめとしてレポートを作成することとしたが,作成方法については理科で学習するため,理科の時数を利用して行った。
②昨年度までの実践と今年度の実践で変わった点
ア 助成金を利用して,デジタルカメラ,SDカードを購入した。このカメラを伝承施設や被災地訪問時に生徒へ預け,学習内容を記録させた。個人で記録ができたことで,学習内容のまとめや振り返りのときに,画像を用いることができるようになった。
イ 生徒個人が使用できるタブレット(iPad)が昨年度から導入され,活用が始まった。そのタブレットの活用方法を充実させるためにタッチペンを人数分購入した。防災学習全体を通して,タブレットを活用する様子が見られた。
3)実践の成果
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
理科の時間を使用してレポートを作成することで,時数が足りないという問題を解決する兆しが見えた。また,防災学習が総合的な学習の時間の目標である教科横断的な学習であることを生徒自身も実感している様子が見られ,目標達成に近づいた。
②児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。 学習前後のアンケート調査結果で変化が見られた項目
ア 災害についての知識 知っている災害の種類や内容の理解が深まった。
イ 多様な種類の課題の結び付き 地域課題が国際的な課題と結び付いていることの理解が深まった。
ウ 地域の課題の解決方法 主体的に考え,地域に解決策を提案できると答えた生徒が13%増加した。
エ 粘り強く取り組む姿勢 難しいことがあってもあきらめずに取り組むことができるようになった。
オ 学ぶことの意義の理解 表面的な楽しさではなく,学ぶ意義を感じるようになった。
③教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から 地域の課題を生徒と共有し,一緒に考えていくことができる。
4)実践から得られた教訓や課題と次年度以降の実践の改善に向けた方策や展望 ①実践から得られた教訓
ア 個人探究にしたことで,課題が自分事になり,主体的に考える生徒が増えた。探究の形式は,個人探究で行う必要があると分かった。
イ 教員が計画した講話などにより,探究課題のなかで,地球温暖化や海洋プラスチックなど国際的な問題について考えているものが増えた。個人での情報収集も大切であるが,生徒に身に付けさせたいことに対する手立てを用意することも重要であると分かった。
②課題
ア 生徒が地域のことや防災について,どれだけの事前知識を持っているのか分かっておらず,必要な内容を必要な分だけ知識を身に付けさせることができなかった。
イ 個人探究にしたことにより,生徒は,課題を一人で解決しなければならないと考えてしまった様子だった。結果,他者との関わりが減少し,他者と協力する力の育成が十分ではなかった。
ウ 総合的な学習の時間を利用した防災学習となっており,教科との連携が不足している。
エ 感染症拡大の影響により,地域の集まりに参加したり,地域の方を学校の発表会に招待したりすることができなかった。
③改善策
ア 生徒の地域や国際的な問題への理解度を事前に把握し,必要な予備知識を持たせる。
イ 他者と協力することの必要性を理解させ,探究の中に,協働的な学習場面を意図的に設定する。
ウ 4月の段階で,どの教科のどの部分が総合的な学習の時間に対応しているのかを一覧にした「ESDカレンダー」を作成する。
エ 地域の方から講話をいただいたり,訓練での助言をいただいたりするなど,地域と連携する機会を増やす。
活動内容写真
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活動において工夫した点
①個人探究の実施 自律的に考えさせるために個人での探究を行った。
②視野を広げさせること 海洋教育の視点から,グローバルに考えさせるために地球温暖化や海洋についての講話を聞く機会を設定した。