逃げる?待つ?「感じ、考え、自他の命を大切に行動する」富塚の子
浜松市立富塚小学校
活動に参加した児童生徒数/1~4学年と発達学級342人、5学年92人、6学年86人
活動に携わった教員数/26人
活動に参加した地域住民・保護者等の人数/60人
実践期間2019年4月11日~2020年3月19日
活動のねらい
学区は海からは6.5kmと離れた市街地に位置し、津波想定区域内であるが浸水深5㎝と低いため、被災する
という意識は高くない。地盤の強い台地部分と弱い埋め立て部分や川が入り組んでいるので自己判断して行動す
ることが難しい。昨年、台風による大規模な停電を経験し、今までの想定以外の災害が起こることを知り、防災
意識は高まった。このタイミングで被害想定を広げたり、自分たちができる準備を行ったり、避難訓練を行った
りし、教師の「減災に対する意識」と子供たちの「自分で命を守る意識」を高める。
活動内容
1)実践内容・実践の流れ・スケジュール
4月 ・引き渡し訓練、PTA会員に停電時休校について確認
7月 ・4年生への防災授業(社会)
9月 ・「津波が迫った時の避難場所」への避難訓練の実施(全校)
・学校停電時には、昇降口へ「休校」の表示をすることを決定
・5年生、6年生への防災授業1(防災マップ作り)
・3校合同(富塚中・富塚西小・富塚小)避難訓練、担当者打ち合わせ
・5年生、6年生への防災授業2(災害時行動イメージトレーニング:防災巻)
10月 ・3校合同避難訓練(富塚中生徒・自治会地域防災担当者参加)、停電時の情報伝達方法を児童・地域の連絡
1月 ・校舎内の避難場所(3・4階)への避難訓練の実施
2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。
昨年度まで(助成金・研修受講前)と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
・校舎内避難(3・4階)の計画を作成予定だったが、防災用具を保管する棚を購入できた。また、その棚に名簿や拡声器などを保管し、校内避難時に本部として活用できるように準備できた。
・3校合同防災訓練の時、中学生と小学生との関わり方について、選択肢を増やすことができた。
3)実践の成果
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
・気仙沼の被災当時や現状の写真を児童に見せることができ被災、復興についてのイメージをより鮮明にもたせることができるようになった。そのイメージが、②の防災マップ作りや防災巻(災害時行動イメージトレーニング)の学習時に、児童が自分の行動を考える際のヒントにできるようになった。
本校では、「3校合同防災訓練」を数年前から行っていたが、中学生が考えた危険個所を中学生から聞くだけでなく、小学生も校内での減災教育によって考えたことを生かして話し合うように改善できた。
②児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
・防災マップを小グループで考える時、危険な経路・場所や安全な経路・場所を話し合うことができた。
・防災巻(災害時行動イメージトレーニング)を下校時を想定して行ったが、被災イメージがしっかりもてていたため、児童が主体的に、自分のできる行動を考えることができた。また、家族で相談した避難場所や備蓄品の確認、避難に役立つ登下校の携帯品についても、進んで行った子が見られた。また、有事には、身の回りの人とどのように命を守るか、人を手助けすることについても考えることができた。
③教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
・火事、地震、津波については避難訓練を行っていた。「強い地震が起これば停電する・土砂崩れ・液状化なども起こる、交通がマヒして自動車が避難の妨げになる」「強い雨で学校の周囲の側溝の排水能力を超えた時には、校舎内に一時的に避難する」など、想定していること以上に富塚小の学区に即した被害が考えられることについての理解が先生方に広がった。また、そのため、校舎内避難についての計画を新たに考え、訓練することができた。
4)実践から得られた教訓や課題と次年度以降の実践の改善に向けた方策や展望
・児童に減災教育を行うことも大事だが、減災についての知識をもった教員を増やすことの大切さも感じた。特に、どの地域の学区でも生かせるように状況把握し、被災想定ができることが今後に役立つと感じた。実際に被災された学校関係者の講演を地域(3校合同避難訓練を行っているので、その中学校区3校で開くことができたらより良い)で開きたい。日ごろの児童への減災指導や本部の立ち上げ方、地域との協力体制について教員と地域の住民で聞き、今後につながる知識を深めたい。
5)その他
・熊本地震・北海道胆振東部地震・西日本豪雨などが発生した時、新聞社から報道写真を借り、校内で展示してきた。しかし、展示時期と地域公開日を調整することができず、保護者や地域住民まで十分に公開することはできなかった。報道写真は無償で借りることができるが、写真の総量が必要である。零話2年度ではあるが、助成金の残金を使い、学校公開日を含む日程で災害時の報道写真を借りたい。児童に対する減災教育に活用するほか、保護者や地域住民への啓発に活用する。
4月 ・引き渡し訓練、PTA会員に停電時休校について確認
7月 ・4年生への防災授業(社会)
9月 ・「津波が迫った時の避難場所」への避難訓練の実施(全校)
・学校停電時には、昇降口へ「休校」の表示をすることを決定
・5年生、6年生への防災授業1(防災マップ作り)
・3校合同(富塚中・富塚西小・富塚小)避難訓練、担当者打ち合わせ
・5年生、6年生への防災授業2(災害時行動イメージトレーニング:防災巻)
10月 ・3校合同避難訓練(富塚中生徒・自治会地域防災担当者参加)、停電時の情報伝達方法を児童・地域の連絡
1月 ・校舎内の避難場所(3・4階)への避難訓練の実施
2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。
昨年度まで(助成金・研修受講前)と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
・校舎内避難(3・4階)の計画を作成予定だったが、防災用具を保管する棚を購入できた。また、その棚に名簿や拡声器などを保管し、校内避難時に本部として活用できるように準備できた。
・3校合同防災訓練の時、中学生と小学生との関わり方について、選択肢を増やすことができた。
3)実践の成果
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
・気仙沼の被災当時や現状の写真を児童に見せることができ被災、復興についてのイメージをより鮮明にもたせることができるようになった。そのイメージが、②の防災マップ作りや防災巻(災害時行動イメージトレーニング)の学習時に、児童が自分の行動を考える際のヒントにできるようになった。
本校では、「3校合同防災訓練」を数年前から行っていたが、中学生が考えた危険個所を中学生から聞くだけでなく、小学生も校内での減災教育によって考えたことを生かして話し合うように改善できた。
②児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
・防災マップを小グループで考える時、危険な経路・場所や安全な経路・場所を話し合うことができた。
・防災巻(災害時行動イメージトレーニング)を下校時を想定して行ったが、被災イメージがしっかりもてていたため、児童が主体的に、自分のできる行動を考えることができた。また、家族で相談した避難場所や備蓄品の確認、避難に役立つ登下校の携帯品についても、進んで行った子が見られた。また、有事には、身の回りの人とどのように命を守るか、人を手助けすることについても考えることができた。
③教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
・火事、地震、津波については避難訓練を行っていた。「強い地震が起これば停電する・土砂崩れ・液状化なども起こる、交通がマヒして自動車が避難の妨げになる」「強い雨で学校の周囲の側溝の排水能力を超えた時には、校舎内に一時的に避難する」など、想定していること以上に富塚小の学区に即した被害が考えられることについての理解が先生方に広がった。また、そのため、校舎内避難についての計画を新たに考え、訓練することができた。
4)実践から得られた教訓や課題と次年度以降の実践の改善に向けた方策や展望
・児童に減災教育を行うことも大事だが、減災についての知識をもった教員を増やすことの大切さも感じた。特に、どの地域の学区でも生かせるように状況把握し、被災想定ができることが今後に役立つと感じた。実際に被災された学校関係者の講演を地域(3校合同避難訓練を行っているので、その中学校区3校で開くことができたらより良い)で開きたい。日ごろの児童への減災指導や本部の立ち上げ方、地域との協力体制について教員と地域の住民で聞き、今後につながる知識を深めたい。
5)その他
・熊本地震・北海道胆振東部地震・西日本豪雨などが発生した時、新聞社から報道写真を借り、校内で展示してきた。しかし、展示時期と地域公開日を調整することができず、保護者や地域住民まで十分に公開することはできなかった。報道写真は無償で借りることができるが、写真の総量が必要である。零話2年度ではあるが、助成金の残金を使い、学校公開日を含む日程で災害時の報道写真を借りたい。児童に対する減災教育に活用するほか、保護者や地域住民への啓発に活用する。
活動内容写真
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津波避難訓練
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防災授業
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3校合同防災訓練
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校舎内避難訓練
津波避難訓練
防災授業
3校合同防災訓練
校舎内避難訓練
活動において工夫した点
減災についての学習を、理科(6年:土地のつくりと変化、5年:天気と情報・流れる水のはたらき)や社会の学習(6年:災害復興の願いを実現する政治、4年:地震からくらしを守る)の学習と結び付け、主に教科の時間を使って行った。また、教科学習で学んだことを減災学習と結び付け、両者共に深めた。
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資料なし