私たちの町におこった過去の災害を知り、身近な防災マップを作ろう

中津市立下郷小学校

活動の参加した児童生徒数/5・6年生15人
活動に携わった教員数/2人
活動に参加した地域住民・保護者等の人数/120人

実践期間2019年10月15日~2019年12月24日

活動のねらい

○過去に起きた下郷地区の水害について、当時の水害の様子を知る人たちや水害対策として河川工事を行ってきた人たちへの聞き取り調査を通して、自然災害の怖さを知るとともに、私たちが住んでいる地区で起こった水害に関わった人たちの思いや自然災害に対する防災意識や心構えについて考え、発信することができる。
○私たちが暮らす地域の防災マップづくりを行うことについて、実際に歩いて、危険と感じる場所や助けを求められる場所等を調査し、防災マップに表すことを通して、地域への関心度を高め、災害に対する防災意識や心構えについて考え、いざという時に自分の身を守る行動をとることができるようにする。

活動内容

1)実践内容・実践の流れ・スケジュール
○過去の水害から学ぶこと
①これまで学習してきた、過去に起きた下郷地区の水害について調べたことを、新たに付記・修正し、パワーポイントを利用してまとめ、11月の学習発表会で全校児童及び保護者や地域の方たちの前で発表した。

○校区の防災マップ作り
②各自の家の周りや通学路において危険個所などを調べ、情報を交流した。
③住んでいる地域を中心に班を作り、校区の危険個所や避難所など助けを求められる場所を調べるために、デジカメ及びタブレットでその様子を撮影しながら探検し、調査を実施した。
④調べたことを地図にまとめ、情報を交流した。(学校の周辺を中心にした校区の防災マップ作成)
⑤作成した地図をもとに、登校時の地震を想定にした図上避難訓練を行い、どのように行動したらよいかについて討議検討した。(市教委・耶馬渓町各小中学校教員も一部参加して提案授業として実施)
⑥作成した防災マップを全校に紹介し、防災時の行動について広報活動を行った。
⑦子ども連絡所に新たなステッカーを持参し、地域の方たちへ子どもたち自身でお願いをした。

2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。
  昨年度まで(助成金・研修受講前)と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
○現地視察から学んだことを校内研修で還流報告を行い、防災・減災教育の進め方について改めて学習した。
○これまでの防災・減災教育カリキュラムの見直しをした。
○子ども目線で危険個所や助けを求められる場所を調べ、校区の防災マップ作りを行った。
○タブレットを購入して視覚的に情報を収集・確認・提示・共有してマップ作りに役立てた。

3)実践の成果
減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
○年間を見通して、学年や教員が連携した取り組みを行うことができる防災・減災カリキュラへと見直し、どの教員もどの学年も、定期的で連携した取り組みができるようにした。
○5・6年(2つの学年)で一緒に活動する学習プログラムをつくり、連携した学習が継続的に行うことができるようにした。来年度は5年生が今回経験して得た知識や方法を受け継いで、継続した学習をしながらさらに補充・深化し、防災・減災の知識や意識を各学年へとつなげていくことができると考える。

児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
○身近な危険個所を意識して調査することで、日頃気づかなかった危険個所に気づくことができた。
○避難場所など助けを求められる場所を確認できた。
○災害時に自らどのように行動したらよいかを学ぶことができた。
○地域に出かけて実際に地域の方から話を聞くことで、地域の様子を詳しく知ることができた。
○地域の方に「子ども連絡所」のステッカーをお願いすることで、地域の方から温かい言葉をかけてもらい地域とのつながりを実感できた。

教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
○地域の災害についての学習を例年の取り組みとして継承することができる。
○地域住民との交流ができ、保護者や地域住民に学校としての防災・減災教育の取り組みを発信することができる。
○学習資料や体験学習を提供してくれた山国川河川事務所や県土木事務所等の関係機関との連携がしやすくなる。

4)実践から得られた教訓や課題と次年度以降の実践の改善に向けた方策や展望
○子どもたち目線でどのように行動するかなど問題解決型学習にしていくこと。
○保護者・地域とどのように連携した学習や避難訓練を計画・実践していくかなど連携の在り方が課題。
○修正した防災教育カリキュラムの実施。

 

活動内容写真

  • 過去の災害から学ぶ

  • 下郷公民館長への聞き取り

  • 防災マップ作り1

  • 防災マップ作り2

活動において工夫した点

○5・6年合同で学習を進めていったこと。
○子どもたちによる情報機器の活用。
○作成した防災マップを掲示し、来校者へ防災の取り組みを発信できた。
○県内報道機関を招聘し、取り組みの広がりと周知を広く発信できた。
○本校だけでなく、近隣小中学校の教職員や保護者への啓発ができた。

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