地域合同防災訓練における生徒の関わりについて

只見町立只見中学校

活動に参加した児童生徒数/2学年41人
活動に携わった教員数/3人

実践期間2020年11月1日~2022年3月31日

活動のねらい

平成23年、只見町は新潟・福島豪雨災害により甚大な被害を受けた。この経験から、地域の方々や関係機関と連携した地域合同防災訓練を実施している。訓練を通して、自助・共助・公助の意識は高まっているが、防災・減災の視点から豪雨災害が起こった原因、土砂災害から人間の生命・財産・生活を防御するための治水、豪雪による雪害についての調べ学習を充実させたい。そのためダムや資料館等に出かけ生きた学習をさせたい。
また、只見町を愛し災害の歴史や教訓を後世に語り継ぐ人材を育成するためにも、今まで地域と学校が計画してきた地域合同防災訓練について、生徒がアイディアを出し、計画を立案し運営に主体的に参加することを目的としている。

活動内容

1)実践内容・実践の流れ・スケジュール
・令和2年12月4日(金)、東北電力奥会津水力館を訪問し、災害を知るための調べ学習を行った。
・実際にダムを間近で見学することはできなかったが、金山町の本名ダムを見学し、ダムの仕組みについて学習した。
・3学期以降、総合的な学習の時間を活用して、地域合同防災訓練に向けて細かい日程を考えていく。
・令和2年12月10日(木)、福島県立博物館の学芸員をお招きし、防災・減災についての講演会を行った。自助・共助・公助についての意識がさらに高まった。
・今後、2月から地域合同防災訓練に向けた話し合いを進めていく予定であったが、次年度の4月よりスタートする予定であり、令和3年7月8日に行われる地域合同防災訓練に備える予定である。

2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。
  昨年度まで(助成金・研修受講前)と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
・自助・共助・公助の中の特に自助・共助についての意識が高まった。
・実際に聞き取り調査やアンケート調査を行うことへの意識が高まった。
・校外への発信の仕方について、当時を知らない児童生徒のために語り部活動の重要性について考えることができた。また、治水の仕組みなどについて深く知ることができた。
・実際の訓練は7月に実施するが、助成金で購入したデジタルカメラやトランシーバーを活用しての具体的な構想を立てることができた。

3)実践の成果
減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
・自分たちで何かをしなければならないという気持ちが育ってきた。
・災害を風化させないという気持ちが育ってきた。特に災害を知らない世代に災害の恐ろしさを伝えたい(語り部として)という気持ちが高まった。
・地域合同防災訓練の実施の在り方を考えていく中で、改めてN助の必要性を感じることができた。地域や外部とのネットワークの可能性を考えていく上で大きな成果となった。

児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
・水の役割(治水の面)について、洪水などの災害が起こる可能性がある一方、豊かな恵みを与え、地域の発展に寄与しているという理解を深めることができた。
・当時の状況を知っている方々への聞き取り調査をもとに、災害の風化防止と正しい知識を発信しなければならないという探究的学習への意識が高まった。

教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
・教師側でさまざまな関係機関と連絡を取り、授業参観で保護者と生徒対象に防災・減災の講演会を設定するなど、自助・公助・共助の重要性を確認することができた。
・学年週報の中で定期的に防災・減災について取り上げるようになった(洪水・地震等)。

4)実践から得られた教訓や課題と次年度以降の実践の改善に向けた方策や展望
・治水の面で、豊かな恵みを与え、地域の発展に寄与しているという理解を深めることができた。
・コロナ渦における新しい生活様式を意識して、アンケート調査や語り部としての活動が十分にできるかどうかを話し合っていく。
・防災マップの見直しと作成。

5)その他
・地域合同防災訓練に向けて、近隣の小学校との打ち合わせを重ねているところです。7月8日の実施に向けて地区の振興センターとの打ち合わせも予定しています。

活動内容写真

活動において工夫した点

・自分たちが計画を立案し地域合同防災訓練を実施することで、地域について考え、行動できる生徒が育成できるように工夫した。地域について考え、行動できる生徒が育成できる。話し合い活動を多く取り入れ、熟議を重ねる中で、本校の教育目標である「考える生徒」を育成することができる。
・自分たちの取組を地域に発信することで、情報処理能力や発信力を身につけることができる。
・本格的な話し合いはこれからとなるが、生徒主体で考え、実行するこの訓練が、自分の力で生まれた町を守っていくという気持ちにつながっていく。

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