地域における災害に対する意識啓発と防災対策への取り組み

奈良県立法隆寺国際高等学校

活動に参加した児童生徒数/3学年120人
活動に携わった教員数/3人
活動に参加した地域住民・保護者等の人数/150人

実践期間2015年7月20日~2016年2月19日

活動のねらい

プロジェクト学習を通じて、参加者が防災について受動的に啓発される立場でなく、主体的に情報収集に努め、地域に啓発する立場として取り組むことを狙いとする。啓発内容を考案する事で防災活動を自分の問題という意識を持つことを狙う。奈良県内では比較的大きな災害を近年経験していないが、将来起こり得る東南海・南海地震等発生による被害の可能性は否定できない。災害時、生命の危機回避のみならず、ライフラインの確保、建造物被害の最小化等々、防災に対する意識が必要であることは言うまでもない。加えて、世界遺産である法隆寺、歴史建造物の保護も踏まえ、防災、減災、また災害発生時の対応を考案し、啓発する活動が必要となる。

活動内容

1)実践内容・実践の流れ・スケジュール
7月下旬:英語部と本校歴史文化科による連携で、法隆寺の防災について研究
8月上旬:英語プレゼンテーション大会のため来日した台湾の高校生に法隆寺を訪問し、防災について説明
9月下旬:東北教員研修を国際英語科・国際教養科の英語科授業にて実施し、それに基づいて、各3クラスのうち
     数グループが防災のテーマで研究
11月中旬:授業内にて研究発表会実
12月中旬:英語部が防災のテーマにて研究活動開始&台湾の高校生とSkypeにて討論会
1月上旬:本校独自のフォーラム「ユネスコフォーラム2016」にて英語部が防災の英語紙芝居発表&
     地震の影響についての実験実施
     ※本校生徒のみならず、地域住民や町長の参加するフォーラムにて防災の啓発活動を実施
     ※フォーラムの発表ではSkypeにて台湾の高校生にも意見を聞いた
1月下旬:英語部生徒によるハザードマップ制作(世界防災子どもサミット準備)
     ※世界防災子どもサミットは8月に延期された。
2月上旬:斑鳩東小学校にて英語授業に参加し、高校生による授業と防災について啓発活動を行った。

2)9月研修会での学びから自校の実践に活かしたこと、研修会を受けての自校の活動の変更・改善点、
  昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点、助成金の活用で可能になったことなど。
今まで本校では防災といえば、防災訓練程度しかなかったのが昨年度までの状況であったが、この事業に参加することにより、管理職も含めて防災の意識は高まった。また教員研修の内容を生徒につたえることによって、生徒の意識が高まり、課題研究のテーマで複数グループが防災についてのテーマを選び、東北の被災状況について英語で発表したり、奈良の災害の歴史をテーマで発表したりしたグループが多かったのは良き啓発活動につながった様に思える。また、小学生の英語授業の時にも、小学生と防災についてのテーマで実施できたのは良かったと思える。ただ反省点として、この様な取り組みは初めてで、正直手探り状態で行っていたため、活動は手始めの状態で、今後さらに深い活動へつなげていきたい。

3)実践の成果
減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
今年度の防災のテーマ研究発表やフォーラムでの啓発活動では正直、歴史や被災状況等を説明し、啓発活動につなげるものが多く、実際に何が出来るのかという事を考え、アイデアを具現化し、実践するまでには至っていない。防災についてこれ程教育活動の時間が増えたことは成果と言えるかもしれないが、今後防災をテーマに小学生と連携して法隆寺の防災についてフィールドワークのプログラムを企画したり、台湾の生徒と防災をテーマにスカイプで交流したりするような事を実施し、今後もっと活動を深めていきたい。

児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
前述のとおり、東北研修で管理職も含め、私自身も防災・減災についての知識を深める事ができ、意識が高まった。結果、この研修内容を生徒に伝える事で生徒達の意識も高まり、研究テーマに防災を選択する生徒が複数あり、また英語部の活動でも英語で防災をテーマに紙芝居を制作し、台湾生徒にも法隆寺の防災について英語で説明するなどの活動にもつながっている。防災について自主的に学ぶ態度が身についた様に思える。

教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
またその活動を全校規模のフォーラムで発表する事で学校全体の啓発活動につながり、小学校にて活動を実施することで地域にも波及している。今年度は地域との連携が発足したばかりで、今後共同プログラムを企画し、深めていきたい。

4)実践から得られた教訓や課題と今後の改善に向けた方策や展望
海外生徒とも、高校生とも今年はつながりが出来たばかりで、防災をテーマに交流出来たことは得られたこととして大きいが、今後防災をテーマに協働学習が出来る様なプログラムを実践していきたい。

活動内容写真

活動において工夫した点

防災をテーマに本校生徒の課題研究でフォーラムに参加するのみならず、地域小学校や海外とのつながりを作る様に工夫をした。

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