自他のいのちを守り、震災の経験を語り継ぐ~地域に貢献する防災教育~
宮城県多賀城高等学校
活動に参加した児童生徒数/1学年265人
活動に携わった教員数/16人
活動に参加した地域住民・保護者等の人数/115人
実践期間2018年10月2日~2019年3月3日
活動のねらい
1学年普通科と災害科学科あわせた中で、各クラス内4~6名でグループを編成し、災害に関する課題から生徒が研究テーマを設定し、グループで研究して発表する。インターネットや書籍、該当する団体などに問い合わせるなど調べ学習だけでなく、実験・実践できることについて自分たちで検証し考察を行い、防災・減災につなげていくことが目的となる。
活動内容
1)実践内容・実践の流れ・スケジュール
10月 グループ編成の決定とテーマ設定の仕方及び研究方法について全体への講義 (全3時間)
11月~ 研究実践
各グループに分かれて研究実践。インターネットや書籍などを使って、グループ毎のテーマに沿った災害に
関する課題などを焦点化し、アンケートの作成や集計、実験などを行っていた。教員は、各グループの研究に
ついてアドバイスを行うなどが中心となり、研究の方法や方向性などが適切になるように支援した。(全6時間)
12月~ ポスター作成及びポスター発表の準備
ポスター作成の方法について全体へ説明を行い、グループ毎に作成及び発表に向けて練習を行った。(全3時間)
1月~ ポスター発表
クラス内での発表を全グループが行い、クラスから選出されたグループが学年全体の発表会で発表を行う。(全3時間)
※( )内は授業としての時間数。放課後や休日にも多くの時間を割いている。
2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。
昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
助成金の活用により、多くの生徒が学校外で活動するための交通費の予算が増額したために、生徒が外部で活動できる機会が増えた。また、防災・減災学習に必要な教材も購入することができ、より充実した学習環境が整った。
3)実践の成果
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
本校において、防災・減災教育についてはすでに非常に充実したものとなっている。しかし、指導する側の教員が教科を超えた防災・減災教育の活動をする際に十分な知識を備えている人ばかりとは限らない。外部講師を活用した教育活動も多く、生徒は多くの災害に関する知識を獲得している。また、教員は教員を対象とした研修会にも数多く参加している。私自身としては防災担当という立場からこういった研修会に参加することが非常に多かった。しかし、本校の特色から考えれば、多くの教員にこういった研修会で知識を深めるべきではないかと考えている。
②児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
東日本大震災を経験し、また、近年の異常気象が関係した災害についても耳にすることが多くなり、興味関心は高まっている。課題研究を通して災害について調べていく中で、あの時「こういった対応をして欲しかった」「こういった対策はとれないのか」など様々な意見を出し、感情ではなく論理的・科学的に物事を捉えて冷静に分析することができるようになってきていると感じている。
③教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
課題研究のアドバイスをする中で、既存の知識では対応できないこともあり、生徒の意見から逆に気づかされることもあった。アドバイスをするために教員自らも調べることも少なくなく、防災意識の高揚につながっているものと思われる。
4)実践から得られた教訓や課題と次年度以降の実践の改善に向けた方策や展望
ESD・SS課題研究については、次年度以降も継続して行われる。ESD・SS課題研究を行う上で重要なポイントは仮説と検証である。仮説を立てずに情報収集するとその情報が自分の答えのようになってしまいがちなので、じっかり順序立てて研究をしていくことが重要だと考える。今年度の実践手順が次年度以降にも引き継がれるようにしていきたいと思う。階上中の生徒があれだけのことを行っていることはメディアを通してなど、生徒も目にしている。災害について他校と比較しても多く学んでいる本校生には、より深い洞察力で調査結果について考察してくれることを期待している。
5)その他
「9月の教員研修会の学びを活かして実践した成果と課題」とのテーマであったが、多賀城高校ではすでに多くの防災・減災学習に取り組んでおり、新たな取り組みをより、継続した取り組みを発展させているのが実情である。しかし、研修会で学んだことをこれまで行ってきた防災・減災学習に活用して、研修を受講する前よりも深い視点での課題研究への助言や学校設定科目である「くらしと安全」の授業における実例の紹介などに活用されることになると思われる。そういった意味でも非常に有意義なプログラムに参加でき、今後の防災・減災学習の指導に役立つものになった。本校の教員は継続して、異なる教員が参加し続けることで、多くの教員に学ぶ機会を提供し、防災・減災学習に活かしていってほしいと思う。
また、活動報告会後の3月2日・3日に本校が主幹となり行われた「東日本大震災メモリアルday2018」では、「みやぎ防災ジュニアリーダー研修会」の県内高校からの参加者38名に加え、多賀城市内中学校より23名と県外からの高校の参加者44名が参加した。研修会終了後には参加者を対象に災害科学科の生徒が多賀城市内の震災当時の様子などを話しながら歩く「まち歩き」を行った。その際に今回の助成金で購入したまち歩きパンフレットを活用が大いに役立った。
10月 グループ編成の決定とテーマ設定の仕方及び研究方法について全体への講義 (全3時間)
11月~ 研究実践
各グループに分かれて研究実践。インターネットや書籍などを使って、グループ毎のテーマに沿った災害に
関する課題などを焦点化し、アンケートの作成や集計、実験などを行っていた。教員は、各グループの研究に
ついてアドバイスを行うなどが中心となり、研究の方法や方向性などが適切になるように支援した。(全6時間)
12月~ ポスター作成及びポスター発表の準備
ポスター作成の方法について全体へ説明を行い、グループ毎に作成及び発表に向けて練習を行った。(全3時間)
1月~ ポスター発表
クラス内での発表を全グループが行い、クラスから選出されたグループが学年全体の発表会で発表を行う。(全3時間)
※( )内は授業としての時間数。放課後や休日にも多くの時間を割いている。
2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。
昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
助成金の活用により、多くの生徒が学校外で活動するための交通費の予算が増額したために、生徒が外部で活動できる機会が増えた。また、防災・減災学習に必要な教材も購入することができ、より充実した学習環境が整った。
3)実践の成果
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
本校において、防災・減災教育についてはすでに非常に充実したものとなっている。しかし、指導する側の教員が教科を超えた防災・減災教育の活動をする際に十分な知識を備えている人ばかりとは限らない。外部講師を活用した教育活動も多く、生徒は多くの災害に関する知識を獲得している。また、教員は教員を対象とした研修会にも数多く参加している。私自身としては防災担当という立場からこういった研修会に参加することが非常に多かった。しかし、本校の特色から考えれば、多くの教員にこういった研修会で知識を深めるべきではないかと考えている。
②児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
東日本大震災を経験し、また、近年の異常気象が関係した災害についても耳にすることが多くなり、興味関心は高まっている。課題研究を通して災害について調べていく中で、あの時「こういった対応をして欲しかった」「こういった対策はとれないのか」など様々な意見を出し、感情ではなく論理的・科学的に物事を捉えて冷静に分析することができるようになってきていると感じている。
③教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
課題研究のアドバイスをする中で、既存の知識では対応できないこともあり、生徒の意見から逆に気づかされることもあった。アドバイスをするために教員自らも調べることも少なくなく、防災意識の高揚につながっているものと思われる。
4)実践から得られた教訓や課題と次年度以降の実践の改善に向けた方策や展望
ESD・SS課題研究については、次年度以降も継続して行われる。ESD・SS課題研究を行う上で重要なポイントは仮説と検証である。仮説を立てずに情報収集するとその情報が自分の答えのようになってしまいがちなので、じっかり順序立てて研究をしていくことが重要だと考える。今年度の実践手順が次年度以降にも引き継がれるようにしていきたいと思う。階上中の生徒があれだけのことを行っていることはメディアを通してなど、生徒も目にしている。災害について他校と比較しても多く学んでいる本校生には、より深い洞察力で調査結果について考察してくれることを期待している。
5)その他
「9月の教員研修会の学びを活かして実践した成果と課題」とのテーマであったが、多賀城高校ではすでに多くの防災・減災学習に取り組んでおり、新たな取り組みをより、継続した取り組みを発展させているのが実情である。しかし、研修会で学んだことをこれまで行ってきた防災・減災学習に活用して、研修を受講する前よりも深い視点での課題研究への助言や学校設定科目である「くらしと安全」の授業における実例の紹介などに活用されることになると思われる。そういった意味でも非常に有意義なプログラムに参加でき、今後の防災・減災学習の指導に役立つものになった。本校の教員は継続して、異なる教員が参加し続けることで、多くの教員に学ぶ機会を提供し、防災・減災学習に活かしていってほしいと思う。
また、活動報告会後の3月2日・3日に本校が主幹となり行われた「東日本大震災メモリアルday2018」では、「みやぎ防災ジュニアリーダー研修会」の県内高校からの参加者38名に加え、多賀城市内中学校より23名と県外からの高校の参加者44名が参加した。研修会終了後には参加者を対象に災害科学科の生徒が多賀城市内の震災当時の様子などを話しながら歩く「まち歩き」を行った。その際に今回の助成金で購入したまち歩きパンフレットを活用が大いに役立った。
活動内容写真
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活動において工夫した点
校内での活動に限定せず、調査のために校外で活動することも許容した。安易にインターネットで調べたデータや知識を活用するのではなく、身近なところでアンケートを実施したり実験を行うなど実際に自分たちが実践する中で調査していることが良い点であると思う。
資料ダウンロード
資料なし