安全・安心な学園都市平川(幼保小中高大)づくりをめざして

山口市立平川中学校

活動に参加した児童生徒数/1~3学年433人
活動に携わった教員数/35人
活動に参加した地域住民・保護者等の人数/4300人

実践期間2019年4月8日~2020年3月26日

活動のねらい

平川中学校、平川小学校の共通チャレンジ目標である「安心・安全」な学校づくりのためには地域の協力が必要である。そこで地域を巻き込んだ防災に関する取組を展開し、学校・家庭・地域の防災意識の向上を図りたい。また、平川地域には、幼稚園・保育園・小学校・中学校・特別支援学校・高等学校・大学があり、「学園都市平川づくり」をめざしている。幼小中合同引き渡し訓練、体験型地域防災イベントを、安全・安心な「学園都市平川づくり」の起爆剤としたい。

活動内容

1)実践内容・実践の流れ・スケジュール
〇幼小中合同引き渡し訓練
豪雨災害を想定して、平川幼稚園園児・平川小学校児童・平川中学校生徒、総計約1300名の引き渡し訓練を行った。また、平川地域交流センターは避難所開設準備と情報センター(情報集約、連絡調整、緊急対応等)としての動きを確認した。
【スケジュール】実施日:令和元年6月24日(月)
12:30 山口市に「大雨洪水特別警報」発令情報を入手(想定)
      各校・各機関で対策本部を設置。引き渡しを決定。平川地域交流センターへ連絡。
      保護者へ緊急メール配信。児童生徒への指導。
      平川幼稚園はホール待機。平川小学校・平川中学校は教室待機。
14:00 引き渡し開始。
16:00 引き渡し終了。平川地域交流センターへ連絡。
〇体験型地域防災イベント
地域の「平川まつり」(参加者は約3000人)と同時同会場で体験型地域防災イベントを開催した。体験内容として、防災熟議、小学生KYT教室、防災カードゲーム、非常食体験、東日本大震災復興支援グッズ販売、台風19号水害復興義援金募金、はしご車体験、煙体験、心肺蘇生講習、消防車展示、ハンドマッサージ、防災クイズを行った。
【取組の詳細】  実施日:令和元年11月17日(日)
〇防災熟議・・・中学生・高校生・大学生・地域住民が、未曽有の豪雨の際、どのタイミングでどのような行動を
        とるかのシミュレーションを通して、「災害に強い平川にするために」というテーマで語り合った。
〇小学生KYT教室・・・中学生が小学生にKYT(危険予知トレーニング)で防災について教えた。
〇非常食体験・・・いろいろな非常食を実際に作ったり食べたりすることで非常食への関心を高めた。

2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。   昨年度まで(助成金・研修受講前)と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
防災熟議を通して、災害時の行動についてより具体的な想
定をし、防災、減災への意識を高め、実際に行動に移せるよう促した。幼小中合同引き渡し訓練では、新たに、平川地域交流センターが加わり、避難所開設準備と情報センター(情報集約、連絡調整、緊急対応等)としての動きを確認した。
 体験型地域防災訓練は、今年度初めて行った。なるべく多くの参加者を得るために、地域の祭りを同時開催した。助成金のおかげで、非常食体験などのプログラムを実現することができた。また、啓発活動も充実させることができた。

3)実践の成果
減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
全校一斉での避難訓練や講演会で経験や知識を積むことも大切だが、教職員や生徒、保護者、地域住民が、実際の場面を想定して、しっかり考え、実際に体を動かして、減災(防災)について学習することが大切であることが実感できた。また、地域の団体と協働したことで、今後も連携をとることでより充実した取組をしていくための基盤ができた。

児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。  体験型地域防災訓練のボランティア生徒からは来年度の活動を楽しみにしているという声を聴くなど、生徒の一部ではあるが減災(防災)教育活動に積極的にかかわりたいという生徒が増えてきた。生徒は、与えられたことをただやるのではなく、自分たちで何をしたいのかを考えるような、学びに向かう力を身に付けてきた。

教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
実施以降、地域の団体で防災に関する研修会があったり、来年度の防災の取組についての話題が出たりするなど、地域全体の減災(防災)への関心の高まりを感じる。地区内にある保育園や高校も来年度は一緒に活動したいという申し出があるなど、安全・安心な「学園都市平川づくり」の起爆剤となった。

4)実践から得られた教訓や課題と次年度以降の実践の改善に向けた方策や展望
近隣の地域が自然災害にあったり、自分の地域も過去に浸水被害にあったりしているにも関わらず、減災(防災)について自分事として考えていない人が多い。記憶が風化してしまうのは仕方ないので、定期的に考える機会を提供することが学校の使命と考える。来年度も多くの人を巻き込みながら、さらに深く減災(防災)について考えることができるような工夫をしていきたい。

 

活動内容写真

活動において工夫した点

既存の取組に、いろいろな団体を結び付けることで、より充実した地域全体の取組となり、地域がさらに活性化することを目指して実践した。地域との連携にはコミュニティ・スクールのしくみが十分に生かされた。

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