誰もが暮らしやすい曽根にするために,災害から身を守ることについて調べ実践しよう。

岡山市立曽根小学校

活動に参加した児童生徒数/5学年22人
活動に携わった教員数/4人
活動に参加した地域住民・保護者等の人数/25人

実践期間2017年4月8日~2018年2月10日

活動のねらい

ESD教育の視点に立ち,南海トラフ地震や洪水・台風などの災害から,自分や大切な人の命を守るための正しい知識や判断力を培い,率先して地域に貢献する力を養う。

活動内容

1)実践内容・実践の流れ・スケジュール
A.5年「総合的な学習の時間」(26時間)
①【知る】
ア 地震を知る
・「ぼうさい授業」(東京海上日動火災による出前授業)
・「地震体験学習」(岡山市南消防局の地震体験車)
・「伝言ダイヤル学習」
・「6年目の東日本を訪ねて」(校長による授業)
イ 岡山市・曽根学区の防災・減災を知る。
・曽根地区が受けた過去の災害を学ぶ。
・岡山市ハザードマップ(津波,洪水)を使って学ぶ。
②【追及する】
・防災に関するテーマを決め,班単位で調べ学習を行う。
・例 曽根小学校に整備されている防災施設を調べる。(備蓄倉庫,緊急応給栓,避難所 等)
③【まとめる】
・土曜参観日に発表会を行う。
・質疑応答の時間を設ける。(保護者にも質問してもらう)
・プレゼンの工夫(模造紙,プリント,パワーポイント,実物提示,実演など)
④【活用する】
・防災食づくり(パッククッキング)の実習
※強化ポリエチレン袋に食材を入れ,沸騰した湯で加熱し,暖かい食べ物を作る。五目御飯やリゾットなど袋を分けることで一度に何種類も作ることができる。
B.5・6年特別活動(2時間)
・心肺蘇生法研修・・・日本赤十字社岡山県支部の青少年赤十字提供プログラム「救命コース」活用

2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。
  昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
・平成28年度の和歌山市立高松小学校の発表を参考に,5年の総合的な学習の時間の年間指導計画を見直した。
・東日本大震災をリアルな出来事としてとらえ,教訓を学ぶことを目的に,教員研修会での資料や写真を使って,校長による「6年目の東日本を訪ねて」の授業を5年生で行った。
・教員研修会で研修した階上小学校・階上中学校の防災授業,震災遺構の向洋高校視察,事前に訪れた大川小学校の写真等を用いて「6年目の東日本の現状と防災教育について」と題した職員研修を行った。
・助成金を活用してプリンターを購入し,カラー刷りの学習プリントを作成したり,調べ学習の資料を印刷したりした。また,防災食作り実習を行った。

3)実践の成果
減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
・これまでは訓練主体の防災教育であったが,5年生の総合的な学習の時間を減災教育の中心に据えることで,探究する減災教育となり,継続して取り組む体制ができあがった。また,ESD教育の具現化につながった。
・防災食作りの実習を通して,アイデア次第で避難所生活を改善できることを児童も教員も学ぶことができた。

児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
・児童は主体的に減災・防災について考え,課題を持って家庭や地域を見直すことができ,防災対策が不十分な箇所や状況があることを自ら学んだ。また,学んだことを保護者や地域に発表することで,自分や大切な人の命を守ることへの意識が高まった。

教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
・教師にとって,減災教育は生きる力を学ぶ重要な教育であるという視点に気づかされた。
・地域や保護者にとっては,地域防災を持続可能な地域づくりの核として位置付けるきっかけとなった。

4)実践から得られた教訓や課題と今後の改善に向けた方策や展望
・5年の総合的な学習の時間に減災教育を位置付けて2年目となるが,ねらいが教員に十分浸透しているとはいえない。【知る】や【活用する】の指導プログラムを開発・充実させることが,減災教育を継続発展させる鍵となる。
・今年,6年間毎年,土曜授業日に行ってきた曽根学区民防災訓練の実施が見送られた。主催団体の高齢化やマンネリ化などが原因である。小学校が今後も減災教育について地域に情報発信し,新たな防災の取り組みを呼びかけることで地域と連携していきたい。

活動内容写真

活動において工夫した点

・【知る】の指導を担任だけに任せると担任の意欲や理解度によって差を生じる。出前授業や実習を取り入れることで減災・防災に対する基本的理解を一定の水準に保ち,継続できるようにした。
・【まとめる】では,今年は発表会を参観日に行った。(昨年度は地域防災訓練の日に,地域住民に向けて行った。)発表の場を大勢集まる場にすることで,児童の学習意欲をより高めるようにした。
・防災食作りや心肺蘇生法研修を取り入れることで実生活と結びつけ,減災教育を活きた学習とすることに留意した。

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