自分の将来,そして地域の未来を安心して創造できる児童の育成~自助・共助の力を育む防災学習の実践を通して~

気仙沼市立鹿折小学校

活動に参加した児童生徒数/1~6学年218人

実践期間2014年4月~2015年3月

活動のねらい

・自分と人やもの,社会,自然環境との関わりやつながりが分かり,よりよい関わりをつくろうとする児童を育てる。
・自分の命について考え,関わりのある人たちの命,そして関わりのあるすべての場所やものについて考え,自分なりに判断し行動する児童を育てる。

活動内容

1)実践内容・実践の流れ・スケジュール
5月 1年1組 ・教室で地震が起きたら,安全な場所でダンゴムシのポーズを取り,身を守ることを学習した。
9月

 

 
6年1組
  2組
・避難所のくらしや防災ボランティア等について調べた。
・災害時に備えた備蓄品について調べることを通して,進んで他の人々や集団,地域の安全に役立つことは何かを考えた。
11月

 

 

 
1年1組

 
・教室以外の校舎内で,地震が起きたらどこでダンゴムシのポーズを取って身を守ったらよいか,校舎内を回りながら考えた。
2年1組

 
・津波の怖さについて映像資料で確認し,体育館に再現した鹿折地区の場の設定をもとに津波が来るかもしれないときの避難の仕方を考えた。
12月

 

 

 

 
4年1組

 

 
・地域に出て,津波から避難するための場所やそこまでの経路等について調べ,防災マップを作成した。
・地図にまとめた内容を発表し合いながら,安全に避難する方法を考えた。
3年1組

 
・4年生が作った防災マップの発表会に参加し,危険な場所や避難場所について考えた。
・危険な場所や避難場所を確認し,地震や津波が起きたときの対応の仕方について話し合った。
1月

 

 
5年1組
  2組
・昨年度,自分たちで作った防災マップを再度,振り返り,改めて避難場所の確認をした。
・6年生になったときの防災学習の準備として,今,自分でできる災害への準備について考えた。
2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。     昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
・階上中学校で生徒から直接,防災の取組の様子を聞くことができた。中学校での「共助」の取組を本校の高学年の取組に生かした。
・学区内地図を作成し,児童の居所を確認した。その地図によって,災害時の安全な避難経路を考えることができるようになった。また,児童のフィールドワークによる防災マップ作りなどがしやすくなった。

3)実践の成果
① 減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
今年度,新たに教科領域等との関連を明確にしつつ,気仙沼市「防災学習シート」と対応させて実践に取り組んだ。教科領域等と関連付けながら系統的に取り組んだことにより,防災学習を効果的に進めることができた。

② 児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり,どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
・低学年では,緊急時の自分の身の守り方について考えることを通して状況に応じた命を守るための判断が少しずつできるようになった。
・中学年では,フィールドワーク・防災マップ作り・発表会を通して,地域の人たちとのコミュニケーション能力や情報収集能力,情報発信能力が身に付いてきている。
・高学年では,避難所のくらしや防災ボランティアについて,自分たちでできることを調べることを通して,安心・安全な生活を目指していくための行動力が身に付いてきている。

③ 教師や保護者,地域,関係機関等(児童生徒以外)の視点から
4年生では,フィールドワークや防災マップ作り・発表会を通して,地域の人たちとのコミュニケーションを図ったり,保護者への防災教育についての啓発をしたりすることができた。
また,ほかの学年についても学校で実施している防災学習の様子や成果をお便りや参観日で紹介してきたことにより,保護者との連携が進んできている。

4)実践から得られた教訓や課題と今後の改善に向けた方策や展望
今年度,1年生から6年生までの具体的なカリキュラムを作成し,実践することができたが,さらに,小学校教科書改訂に対応した教科領域等との関連を図った年間指導計画を作成していかなければならないと考えている。

 

活動内容写真

  • 地震がおきたらどうするか

  • 防災マップを作ろう

活動において工夫した点

・昨年度から,2年間に渡り校内研究で防災学習を扱い,全校で授業作りに取り組んできた。
・今年度は,気仙沼市から配布された「防災学習シート」を積極的に活用し,学年ごとの学習内容を発達段階に合わせて系統的に位置付け,実践を積み重ねてきた。

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