自分の命を守る力と人のために行動する態度を養う

玄海町立玄海みらい学園

活動に参加した児童生徒数/1~9学年513人
活動に携わった教員数/73人
活動に参加した地域住民・保護者等の人数/350人

実践期間2016年5月16日~2017年2月28日

活動のねらい

平成27年4月開校の小中一貫校である本校は、町内に玄海原子力発電所を有し、原子力や地震津波等の防災減災教育の一層の推進が必要である。また、自然豊かでとても美しい棚田等の環境を、今後どう守るかも大きな課題である。助成活動により、命や自然環境を大事にし、未来に夢を持ち活躍できる子どもの育成を目的・ねらいとしている。

活動内容

1)助成活動内容
○職員研修(何故、防災・減災教育か。災害とは何か。何を学ばせるのか。)…講師招聘による
○災害学習→防災・減災学習(授業)…減災姿勢、食器作り、防災・減災マップ作成、非常食、防災・減災のカルタ作成、避難所づくり(ベッド、トイレ)、備蓄確認、防災・減災家族会議、避難グッズの備え
○原発事故による放射能漏れを想定した児童生徒の保護者引き渡し訓練、および、避難訓練、地震・津波避難訓練の実施
○様々なスタイルの交流会(異学年、他校、他地域、国際的)、発表・報告会における発信・学びの深化

2)成果
成果① 減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
ただ単に「避難訓練を行ったり」「ESDカレンダーを作成して関連性を確認したり」にとどまらず、何のための学びか、何を目指しているのかをはっきりさせることができた。つまり、時や場所にかかわらず災害にあったときの自分の行動や周りの人との協力、日頃の備え等、多方面から防災・減災に向き合い、『持続可能なふるさと』を意識した教育活動を確立させることができた。

成果② 児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力を身につけたか。
まずは、災害に対する正しい知識を得、それに対する身の守り方や備えを理解することができた。本プログラムにより、それに加えて、コミュニケーション能力、規律や道徳心、地域とのつながり等、日常生活において人として大切なことも体感し、それを身に付けようとすることも意識するように、つまり、協働する力をつけるべく、活動することができるようになってきた。

成果③ 教師や保護者、地域、関係機関等の視点から
○取り組みにより、教職員の活動に対する意識が特段に高まり、保護者も学校との連携の重要性を実感した。
○学校が子どもの安全を最優先に、しかも緊急への備えの姿勢に評価をいただき、協力的な雰囲気が高まった。
○高校との合同避難訓練等で一層の連携が図れた。警察・消防・役場等との連携も前年より改善できた。

3)実践から得られた教訓や課題と今後の改善に向けた方策や展望
地域とつながりながら進める大切さを得た今、これを今後につなげ、更なる広く深い学びが必要だと感じている。来年度から取り組む海洋教育の中で、この減災教育の位置づけを明らかにし、誰もが見通しのもてる教育計画の設計を目指す。そのために、本学園独自の「学びの航海図」とその手引きを作成し、その中で本学園が目指す教育活動の発展に努める。

活動内容写真

活動において工夫した点

町内のみの関わりだけで終わるのではなく、広く世界を視野に入れた活動を展開した点。
→大学訪問による留学生や県内に住む外国出身者との交流の中で行った、自分たちの町の減災の発信
→様々な国の災害・減災事情の収集と、それを基に見えてきたこれからの減災学習の方向性

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