自ら考え,判断し,危険に適切に対応する力を育む防災教育の在り方

神栖市立波崎小学校

活動に参加した児童生徒数/1~6学年271人

実践期間2014年4月1日~2015年3月31日

活動のねらい

① 災害時における危険を認識し,日常の備えを行うとともに,状況に応じて的確な判断の下,自らの命・安全を確保するための行動ができる。(危険予測・主体的な行動)
② 自然災害発生のメカニズムをはじめとして,地域の自然環境,災害や防災についての基礎的・基本的事項を理解し,安全な行動をとるための判断に生かすことができる。(知識,思考・判断)
③ 災害発生時や事後に,進んで他の人々や集団,地域の安全に役立つことができる。(災害時の人とのかかわり)

活動内容

1)実践内容・実践の流れ・スケジュール(※図表等を使用して分かりやすく記述してもよい)
①研究発表会に向けての要請訪問(神栖市教育委員会指導主事を講師に招聘しての研究授業)(6月30日(月),7月8日(火))
②防災をテーマにした保護者向け授業公開(授業参観) 7月4日(金)
③避難所生活体験(4年生対象) 7月28日(月),29日(火)
④波崎一中学区幼・小・中合同避難(引き渡し)訓練 9月29日(月)
⑤神栖市教育委員会指定研究発表会(防災教育) 11月21日(金)
⑥防災マップの改訂(6年生) 4月~2月
⑦学習発表会 2月20日(金)

2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。     昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
防災学習シートに記載された読み物資料の道徳や学級活動における活用
①防災学習シートの活用による授業の見直し
②避難所生活体験において,非常食について知り,その試食ができた
③ホワイトボードを活用することにより,防災教育の授業の中で言語活動の充実を図ることができた
3)実践の成果
減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
防災教育年間指導計画を作成することで,各教科・道徳・特別活動・総合的な学習の時間や避難訓練等で各学年の発達段階に応じた計画的・継続的な指導ができるようになった。

児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
災害発生時における,自分の命や安全を確保するための必要な行動については,「倒れると危険なものから離れる」,「しゃがんで頭を守る」,「災害についての情報を得る」等,状況に応じその場で何が最優先か,的確に判断ができるようになり,「走って逃げる」,「安全な場所や高い所へ逃げる」など,漠然とした行動判断は減ってきた。
「予告なしの避難訓練」では,運動場にいた児童は,通報を聞いて中央に集まり,姿勢を低く保って待つことができ,どうしてよいかわからない低学年の児童の手を引く高学年の姿も見られた。校舎内にいた児童は,机の下にもぐり,次の通報で,避難場所へと移動するなど状況に応じ主体的に安全確保のための行動をとることができた。
社会・理科の授業及び,各学年の校外学習時における避難経路や避難場所の確認を通して,地域の自然環境,災害や防災についての知識を得ることができた。
児童は,避難所生活体験における様々な体験活動を通して,防災に関連する知識や判断力を高めることができた。実際に生活スペースを作り,そこで生活することで避難所生活での注意すべき点について気付くことができた。事後調査では,避難所では「静かにする,迷惑をかけない」という回答が増え,「分からない」と答えた割合が減った。災害時の人との係わりという点において,避難所生活体験は大変効果的であった。

教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
年間指導計画に沿った系統的な防災教育により,災害時の避難場所や連絡方法の確認等,家族で話し合う機会が増え,各家庭における防災意識の啓発に役立った。

4)実践から得られた教訓や課題と今後の改善に向けた方策や展望
学級の防災コーナーの資料の定期的な更新,体験コーナーを含めた校内環境の見直しを行い,児童の防災への意識を維持・向上させていくことが重要である。
防災教育の授業を地域や児童の実態に沿ったものとし,効果的に実施していくために,防災教育における地域人材のリストアップや素材の開発と教材化が必要である。

 

活動内容写真

活動において工夫した点

①防災教育年間指導計画の作成
  各教科・道徳・特別活動・総合的な学習の時間等全教育活動を通して防災教育を推進することができた。
②津波防災マップの改訂
  平成24年度に茨城県の「地域と連携による学校の防災力強化推進事業」の指定を受け,津波防災マップを作成した。その後,平成25年度,平成26年度と地域の実態に合わせて改訂を行っている。
③避難所生活体験
  1泊2日の宿泊体験を通して生活スペース作り,簡易灯り作り,サバイバル飯作り等の体験を行った。この活動は3年間継続実施しているが,児童の防災に対する意識を高めると共に,今後も継続可能な活動となるように毎年、実施学年や内容等を見直している。

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