『自分の命を自分で守ることができる力』を育む防災教育
低学年(学校内の危ないところを知ろう。)
高学年・中学部(地震や日頃怪我したときに活かせる応急手当を知り、自分も人も助けられるようになろう。)
箕面こどもの森学園
活動に参加した児童生徒数/(低学年)1~3学年19人、(高学年・中学部)4~6学年、中1~3学年31人
活動に携わった教員数/6人
活動に参加した地域住民・保護者等の人数/4人
実践期間(低学年)2019年1月17日(高学年・中学部)2019年1月10日
活動のねらい
低学年 (自助)
・学校内の危険なところについて知り、学校内で地震が起こったときの、自分の身の守り方を知る。
・すでに行っている備えについて知り、防災に向けて取り組んでいることを知る。
高学年・中学部 (自助・共助)
・地震のときだけでなく日常のときでも起こりうる怪我の対処法(応急手当)について知る。
活動内容
1)実践内容・実践の流れ・スケジュール
低学年
内容
スタッフの動き
こどもの様子
〇防災をやる理由
「今日ってなにがあったか知ってる?」〇地震体験を振り返る
「㋅の地震のときどうしてた?」
「家の様子はどうだった?」
サークルをつくり、3つの質問をする。できるだけ多くの子に話を振る。(地震体験を想起することに怖れを感じる子に対しては聞き過ぎない)
〇防災をやる理由
震災があったことは知っている子が多いが、震災の名前は「阪神淡路大震災」と「東日本大震災」の両方が出る。
〇地震体験を振り返る
それぞれ、どこにいたか答える。家・バス・電車・道の回答あり。㋅の体験を覚えているようで、具体的に話してくれた子が複数。
〇学校内のあぶないところ探し
・学校にいる時間が長いことの確認
・活動の説明
・活動
・調べてきたことの共有
ルール説明後、校内をめぐる。実際に、地震が起きた時のことを想像させるような声かけをする。
ファミリーグループで校内を探す。2・3年生の子がメモをとっている。
〇身の守り方を考える
身の守り方にどんなポーズがあるか聞く。
ダンゴムシのポーズをする。頭を守るか、首を守るかで話が分かれる。
〇学校でしている備えの紹介
パワーポイントで備えの写真を紹介。どこにある何に
使うものかを確認。
防災バッグの中身の確認。
突っ張り棒の位置は知っている子が多かった。
防災バッグについてはどこにあるか知らず。防災バッグを出す際、「そこは地震の時取り出しにくい」という意見が出て、置く場所について意見を出し合う。
高学年
内容
スタッフの動き
こどもの様子
「講義」
〇消防署への電話のかけ方
〇応急手当て
熱中症・窒息・止血・骨折・やけどについて。
〇運搬方法
消防署の方による説明。
テキストを見ながら、必要なことをメモしている。
119番をかけてみる。
「体験」
〇窒息時の対応
〇三角巾の使い方
各グループの補助。体験することを促したり、質問を促したりする。
窒息時にどのくらいの強さでどこを圧迫するのか、消防署の方にアドバイスを受けながら体験する。
三角巾を自分の足や頭に実際に巻いてみる。巻く強さなど消防署の方からアドバイスを受けながら体験する。
2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。
昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
・自助→共助の考え方。
・昨年と一昨年は高学年と中学部の防災バッグの確認をしていた。今回は地域の消防署の方と関わり、本校初の応急手当講習をこどもたちにしていただいた。応急手当講習も、消防署の方と相談し、本校に合わせて、体験的な要素を増やして実施することができた。
・まだ、実施で来ていないが、助成金のおかげで、低学年の部屋の防災グッズを低学年集会で子供達の意見を集め、購入することができそうであること。
3)実践の成果
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
・本校の場合、テーマ学習のテーマが決まっており、防災は3年に一度テーマとなる。(次回は2020年3月期予定)。そのため、今回のように他のテーマが決まっているときは、あまり防災の時間をテーマ学習の時間にとることができなかった。(とることができたのは各2コマずつ)防災の意識を高めていくには、ほかの「しぜん」などのプログラムで防災の要素を取り入れることによって、時間を確保していくことが必要。
・今まで防災バッグの確認は、高学年と中学部だけで行っていたが、今回の体験により低学年も防災バッグの中身に関心を持ったため、次回は全校で防災バッグの確認をすることにしたい。
②児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
⚪︎低学年
・学校内の危険な箇所について知ることで、学校内で地震から自らを守る方法について考え、行動しようとする態度。(低学年の部屋において、どう隠れるか話し合っていた様子から)
・学校での防災活動において自分にできることを意識しながら、自ら進んで行動しようとする態度(「集会に防災バッグのことについて提案したい」という発言があったことから)
⚪︎高学年・中学部
・防災活動において自分の責任や役割を意識しながら、進んで行動しようとする態度。(防災バッグに応急手当のテキストを入れておこうという発言が多かったことから)
③教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
近くの消防署の方と連携して活動を行うことができた。応急手当についての講習は今回が初めてであったため、正しい応急手当の知識を普及するためにも、定期的に講習をお願いするようにしたい。
また、保護者や会員も参加可能な形にして、応急手当や救急法についての講習を開催することも今後考えていきたい。
4)実践から得られた教訓や課題と次年度以降の実践の改善に向けた方策や展望
・毎年行っていた防災バッグの確認を低学年も合同で行うようにしたい。
・テーマの学習以外の時間(しぜん、選択プログラムなど)で、防災の要素を取り入れて実践するようにしたい。
・会員の方も参加できるような形で、応急手当や救急法の講習を開催したい。
・2020年3月期のテーマ学習においては、地域の方も含めて行えるようにしたい。(公立ではなく、オルタナティヴスクールであることを考慮しながら考える)
低学年
内容 | スタッフの動き | こどもの様子 |
〇防災をやる理由 「今日ってなにがあったか知ってる?」〇地震体験を振り返る 「㋅の地震のときどうしてた?」 「家の様子はどうだった?」 |
サークルをつくり、3つの質問をする。できるだけ多くの子に話を振る。(地震体験を想起することに怖れを感じる子に対しては聞き過ぎない) | 〇防災をやる理由 震災があったことは知っている子が多いが、震災の名前は「阪神淡路大震災」と「東日本大震災」の両方が出る。 〇地震体験を振り返る それぞれ、どこにいたか答える。家・バス・電車・道の回答あり。㋅の体験を覚えているようで、具体的に話してくれた子が複数。 |
〇学校内のあぶないところ探し ・学校にいる時間が長いことの確認 ・活動の説明 ・活動 ・調べてきたことの共有 |
ルール説明後、校内をめぐる。実際に、地震が起きた時のことを想像させるような声かけをする。 | ファミリーグループで校内を探す。2・3年生の子がメモをとっている。 |
〇身の守り方を考える | 身の守り方にどんなポーズがあるか聞く。 | ダンゴムシのポーズをする。頭を守るか、首を守るかで話が分かれる。 |
〇学校でしている備えの紹介 | パワーポイントで備えの写真を紹介。どこにある何に 使うものかを確認。 防災バッグの中身の確認。 |
突っ張り棒の位置は知っている子が多かった。 防災バッグについてはどこにあるか知らず。防災バッグを出す際、「そこは地震の時取り出しにくい」という意見が出て、置く場所について意見を出し合う。 |
内容 | スタッフの動き | こどもの様子 |
「講義」 〇消防署への電話のかけ方 〇応急手当て 熱中症・窒息・止血・骨折・やけどについて。 〇運搬方法 |
消防署の方による説明。 |
テキストを見ながら、必要なことをメモしている。 119番をかけてみる。 |
「体験」 〇窒息時の対応 〇三角巾の使い方 |
各グループの補助。体験することを促したり、質問を促したりする。 | 窒息時にどのくらいの強さでどこを圧迫するのか、消防署の方にアドバイスを受けながら体験する。 三角巾を自分の足や頭に実際に巻いてみる。巻く強さなど消防署の方からアドバイスを受けながら体験する。 |
昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
・自助→共助の考え方。
・昨年と一昨年は高学年と中学部の防災バッグの確認をしていた。今回は地域の消防署の方と関わり、本校初の応急手当講習をこどもたちにしていただいた。応急手当講習も、消防署の方と相談し、本校に合わせて、体験的な要素を増やして実施することができた。
・まだ、実施で来ていないが、助成金のおかげで、低学年の部屋の防災グッズを低学年集会で子供達の意見を集め、購入することができそうであること。
3)実践の成果
①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
・本校の場合、テーマ学習のテーマが決まっており、防災は3年に一度テーマとなる。(次回は2020年3月期予定)。そのため、今回のように他のテーマが決まっているときは、あまり防災の時間をテーマ学習の時間にとることができなかった。(とることができたのは各2コマずつ)防災の意識を高めていくには、ほかの「しぜん」などのプログラムで防災の要素を取り入れることによって、時間を確保していくことが必要。
・今まで防災バッグの確認は、高学年と中学部だけで行っていたが、今回の体験により低学年も防災バッグの中身に関心を持ったため、次回は全校で防災バッグの確認をすることにしたい。
②児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
⚪︎低学年
・学校内の危険な箇所について知ることで、学校内で地震から自らを守る方法について考え、行動しようとする態度。(低学年の部屋において、どう隠れるか話し合っていた様子から)
・学校での防災活動において自分にできることを意識しながら、自ら進んで行動しようとする態度(「集会に防災バッグのことについて提案したい」という発言があったことから)
⚪︎高学年・中学部
・防災活動において自分の責任や役割を意識しながら、進んで行動しようとする態度。(防災バッグに応急手当のテキストを入れておこうという発言が多かったことから)
③教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
近くの消防署の方と連携して活動を行うことができた。応急手当についての講習は今回が初めてであったため、正しい応急手当の知識を普及するためにも、定期的に講習をお願いするようにしたい。
また、保護者や会員も参加可能な形にして、応急手当や救急法についての講習を開催することも今後考えていきたい。
4)実践から得られた教訓や課題と次年度以降の実践の改善に向けた方策や展望
・毎年行っていた防災バッグの確認を低学年も合同で行うようにしたい。
・テーマの学習以外の時間(しぜん、選択プログラムなど)で、防災の要素を取り入れて実践するようにしたい。
・会員の方も参加できるような形で、応急手当や救急法の講習を開催したい。
・2020年3月期のテーマ学習においては、地域の方も含めて行えるようにしたい。(公立ではなく、オルタナティヴスクールであることを考慮しながら考える)
活動内容写真
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活動において工夫した点
〇低学年
異学年合同クラスであるため、上級生と下級生が支え合いながら活動に取り組めるようにしたこと。スタッフ3人体制で行うことによって、小学部校舎の全体を探検し、たくさん危ないところ探しができるようにしたこと。集会で提案することが受け入れられるため、防災バッグのことや低学年の部屋のことについて今後考える機会が設けられそうであること。
〇高学年・中学部
消防署の方と連携し、応急手当講習を体験的な内容に変更して行ったこと。オルタナティヴスクールでは、あまり取り入れられていなかったであろう応急手当講習を実施したこと。
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資料なし