川・いのち・つなぐ~守る自然 つなぐまちの未来~

見附市立葛巻小学校

活動に参加した児童生徒数/4学年66人
活動に携わった教員数/3人
活動に参加した地域住民・保護者等の人数/約40人

実践期間2021年4月1日~2022年3月13日

活動のねらい

刈谷田川は近くにある川であり,生活に深くかかわっている自然でありながら,子どもたちとっては身近な存在とは言えない。そこで,繰り返し刈谷田川とかかわることを通して,そこに棲む生き物や自然,川とかかわってきた人や生活について関心を広げていく。観察・見学・体験活動を重視し,そこから気付くことを学びの出発点「課題」とする。防災・減災の必要性に気付き,課題を自分の生活とかかわらせながら考え,刈谷田川の恵みを学び,さらに川の恐ろしさへと追究していく。防災・減災の観点から自分・家族の身を守るために何ができるかという観点で考えをまとめ,自分の生活の中に積極的に取り入れていこうとする姿を目指す。

活動内容

1)実践内容・実践の流れ・スケジュール ① ふるさとの川と自然の素晴らしさでつなぐ(4月~7月,8月)
○ 刈谷田川を楽しみ,川の流れ,岩,周囲の自然観察,刈谷田川ダムの役割を学ぶ。
○ 刈谷田川に住む生き物,植物を調べる。
○ 魚釣り体験,魚をさばき焼いて食べる体験

② ふるさととの川といのちをつなぐ(9月~11月)
○ 2004年の7.13水害(新潟福島豪雨災害)について調べる。
・防災施設の見学 ・水害体験を聞く ○ 刈谷田川での水難訓練,Eボート体験
○ 2004年の新潟県中越地震について調べる。
・長岡震災アーカイブセンターの見学 ・震災体験を聞く
○ 水害,地震等の災害から命を守る防災・減災のための防災スクール「くずまきサバイバル ウイズコロナ~めざせ!未来のBOUSAIマスター~」を行う。
・水害,地震体験者の話をただ聞くだけでなく,事前に調べたことを基に質問をしたり,小グループで対話したりしながら学ぶような場を設定した。また,ここでは,たくさんの人とかかわりながらの避難所生活体験や防災ワークショップでの探究的学びを大切にする。

③ まちの未来と思いをつなぐ(12月~3月)
○ 調べたこと,体験したことを「防災かべ新聞」としてまとめ,様々な人に見てもらい,防災・減災への知識を伝え、意識を高める。
○ 「こども防災未来会議」「イザ!カエルキャラバン!」を実施し,これまでの学びを様々な人に伝え合う。

2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。   昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
・水中の生き物を撮影できるGoProを活用し、より川の命をリアルに実感し、命を守る川と命を危ぶむ川とのギャップをより強く感じさせることができた。
・防災スクール「くずまきサバイバル ウイズコロナ~めざせ!未来のBOUSAIマスター~」での避難所生活に必要なパーテーション用の段ボールを購入し、より災害時に実際に活用できる技能を培うことができた。

3)実践の成果 ①減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
・自分から動く、自分の役割を自覚し,それを果たす,できることを見付け主体的に取り組むなど、「よりよい避難生活」に必要なことを経験を通して考え,災害時は「助け合う,譲り合う,話し合う」ことの必要性を実感することができた。
・「こども防災未来会議」では,他校とオンラインでそれぞれの学びを伝え合い、防災・減災を含めたよりよい未来のまちづくりを考えていくことができた。

②児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
・「楽しむ」「体験する」ことを大切にしながら,「魚をさばく」「魚を焼いて食べる」体験を通して,命をいただくこと,命の大切さを学ぶことができた。
・防災・減災に関する思いや経験を伝える「防災かべ新聞」の制作を通して,写真,絵,グラフ等と文字でどのように伝えるとわかりやすい新聞,主張の明確な新聞になるかなどの表現技能を身につけた。2021年度防災かべ新聞コンクールに応募した。グランプリ,準グランプリ,審査員賞等に入賞し,達成感を得ることができた。

③教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
・ふるさと未来創造堂主催の「防災みらい会議」に参加し他校の友達と同じ防災・減災というテーマで話し合ったり、地域の人や保護者ボランティアと防災スクールで共に学ぶ中で未来につながる防災・減災への意識を高めることができた。

4)実践から得られた教訓や課題と次年度以降の実践の改善に向けた方策や展望
・「未災者」である子どもや教師が防災・減災を学び、伝えていくためには、その災害のことを机に座って勉強したりテレビのニュースを見たりするだけではなく、実際に被災地に行き、リアルな被災地の様子を肌で感じたり、被災者の声を面と向かって聞くことが非常に重要なことだと考える。新型コロナウイルス感染の不安が落ち着いたら、修学旅行等でそういった機会をつくりたい。

活動内容写真

活動において工夫した点

・防災・減災を「避難」という視点だけなく,身近な川へ愛着をもたせる活動を加えることによって、より地域の川やそれにかかわる防災・減災をジブンゴトと捉え、「よりよい未来の社会」を地域の人と共に主体的につくる子どもたちを育てるための授業を追求した。
・発表の形をICTを活用することで,子どもたち一人一人の思いと主張が十分に伝えることができるようにした。写真,動画等,伝えたい内容によって効果的な選択ができるようにした。
・イザ!カエルキャラバン!」は,「防災訓練になかなか参加者が増えない」「防災訓練は面倒だ」というイメージを変えること大切にした。たくさんの人が参加してもらえる防災訓練を目指し,子どもたちができることを考え,アイディアを出し合い,「親子で学べる楽しい防災訓練」「参加してよかったと思える防災訓練」を目指した。子どもたちだから出せるアイディア,子どもたちだからこそできることを大切にした。
・次の方々から関わっていただき,支援いただいた。
・刈谷田川ダム職員 ・見附市防災アーカイブの職員 ・見附市消防署職員 ・見附市市役所防災担当職員 ・(特非)ふるさと未来創造堂職員 ・長岡震災アーカイブセンターきおくみらい職員 ・にいがたNGOネットワーク国際教育研究会RING会員 ・長岡技術科学大学 ・保護者 ・地域のふるさとセンター職員 ・くずまきまちづくり協議会役員等

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