NO.175.
 に よ せ て
会長 加藤玲子
桜を愛でる時の、心のときめきを覚えるのは、もしかしたら日本人だけかもしれない。
春霞にとけいるような遠景の桜も、並木を歩きながらの花吹雪のあの情景も、脳裏にかけめぐるだけで豊かな心地になる。
 入園式、入学式には欠かせない風景ではあるが、私の小学校入学時には、なぜか、その情景の思い出はない。そんな背景の写真もない。
 小学校(目黒区立八雲小)の校庭の第一の印象は、中央にうずたかく積まれた「錆びた鉄」であった。第二次世界大戦の最中、戦局思わしくない状況下、国民から供出された「鉄の山」であったのだろう。
今年も見事に咲いた八雲小学校の桜
(2001.4.1)
 「学校ではネ。.お休み時間にお友達のいない子と遊ぶのよ。」入学に際して、母から贈られた言葉だった。私は、ただ忠実にひとりポツンとしている子を探しては、遊びの群れに誘う役割もしていたようだ。
 今ふりかえれば、これは、ユネスコの精神の原点とも言える。願うことなら、世界の孤児も地域社会の孤児もつくりたくはない。そのためには、すべての人々が相手の立場に立つ姿勢から築かなければならない。ユネスコの心だ。
 ユネスコ加盟50周年にあたる今年、目黒ユ協は第48回の総会(5月26日)を迎える。
今年は、会長以下役員は2年間の任期を終え、改めて新役員を総会で選出する。(別記役員推薦委員会参照)
 ここに、今年の課題の幾つかをあげてみたい。
@ 役割分担の意識改革―この活動を皆で支え合うという視点から、役割の交代も必要。
A 財政基盤安定のための方策―すべての活動はボラン (2001.4.1) ティアを基に展開しているが、今後にむけて財政基 盤の整備は欠かせない。会員や会費額の検討等。
B それぞれの活動内容の検証―多岐にわたる活動がマンネリ化していないか。もし.そうならば、ユネスコ運動の一端としてより充実させるために方策を考えあいたい。
C 事務作業の分担システムの方策―多忙な事務処理を分担しあうために知恵をよせたい。
D 独立した事務局設置や法人化にかかわる問題など。
 以上、会員各位のさらなるご協力にあわせ、ぜひとも新しい息吹をふきいれていただきたい。
 そして今年も、ユネスコ活動に関わる喜びとときめきが、会員のみなさまの心によぎることを願いたい。
 それが、たとえ一瞬であっても・・・。。


次ページへ