No.190

2002.9.18

第13回国際交流青年リトリートを終えて
目黒ユネスコ協会顧問 田島 重雄

恒例の国際交流青年リトリートは、8月1〜3日、長野県和田村の目黒区「青少年自然の村」において開催され、成功裡に終了した。参加アドバイザーの一人として率直に感想を述べてみたい。 先ず準備は、青少年対象活動委員長橋永隆行君以下のリーダー達によって行われていたが、開催の約3ケ月前の5月、アドバイザーを含めた正式の企画委員会が開催された。実行委員長・跡地源多君司会の下に本年度のモットー、「話し合おう」「友達になろう」「共に歩こう」が確認され、次いでディスカッションのテーマとして「教育」が採り上げられ、その内容として「家庭教育」、「学校教育」、「世界と日本の教育(平和教育)」の三つとすること、更に実行委員の責任分担などが決定された。その後7月下旬の日曜日、参加者を集めた顔合わせを兼ねた説明会が開催され、班の構成なども行われた。こうした一連の準備過程を考えてみると、大体総てが和気藹々の内に進められ、その自主性、計画性、リーダーシップ、議事運営など熟達してきていることが感じられたが、議事運営にはもう一歩という感じが残った。
 いよいよ実施の段階に入り、8月1日、無事12ケ国からの参加者約78名が和田村に到着、開村式、スタッフの紹介、国旗の説明などと順調に進み、国旗の色やデザインが語るそれぞれの国の歴史や文化の説明があったが、日本国旗の説明は他に比べると見劣りした。今年こそはと、協会で解説書を購入し手渡してあったのだが、残念であった。明年を期したい。
 2日目は、早朝のラジオ体操を皮切りに、森林内散策、服部先生の基調講演、教育についてのディスカッション、キャンプファイアーなどと主要行事が進められた。何れも素晴らしかった。特にラジオ体操、散策が初めて実行されたし、昨年問題になった時間も比較的良く守られ、食事、清掃、リクリエーションなどの活動も、各担当リーダーの指導よろしきを得て、また全参加者の協力も得られ、見る限りにおいて非の打ち所がなかった。
 ただ、ディスカッションの方法にもう少しの工夫が欲しかった。成果の確認をするための全体集会が無かったことはやはり問題で、各グループで1課題ずつ討議し、それを全体会議で報告したら、全員が同じ結論を分かち合えて帰れるのではないかと思った。また、服部先生の講義内容は、ユネスコ活動の真髄に触れているので、日常の青少年対象活動委員会の研究課題として引続き勉強し、全員の心に深く刻み込む必要があろうと思った。
 3日目の閉村式で目立ったことは、関係者、担当者、協力者に対する感謝の表現で、特に宿舎管理人夫妻に対する感謝が含まれていたことは周到な配慮と云うべきであろう。
 このように今回のリトリートには、企画に、また運営に新しい試みが幾つか見られており、実行委員達の努力として大いに評価したいと思う。またここには多少批判的な表現も含んでいるが、点数で言えば80点の優、これを更に90点、100点にするため、つまり、“To make the better best”へのアドバイスと考えて頂ければ幸いである。

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