No.191−5



 
ユネスコ文化講座
 
主 催 : 目黒区教育委員会   主管:目黒ユネスコ協会 
日 時  ~14年9月12日(木)18:30〜20:00
会 場  緑が丘文化会館
 講 師  亜細亜大学助教授 三門 準先生
 表 題 : 日本語教育最前線
「最近の留学生の志向と現実・彼らは何を求めて日本に来るのか」大学での日本語教育を通して留学生と直接接し、長期に亘りその行動実体をつぶさに見てこられた先生の、具体例をふんだんに取り入れられたお話は、今後、ボランティア活動を通して彼らと接して行こうとする当講座参加者にとって大変斬新な興味深い内容だった。(この講座は、日本語研修講座[15回]のオリエンテーションと同時開催したものです)
 
 お話は、留学生の最近の急激な変化を来日目的、自国の事情、生活環境の変化等を分析された資料やビデオによる実例などを交えて分かりやすく説明された。
そして、この講座の参加者が今後ボランティアとして留学生と接する時、彼らが学校ではなかなか見せない生活人としての顔を見せる事があり、それが彼らとの交流の接点として大事な一面であり、今日の話を参考にして、常に各国の文化や最近の情勢などの変化をキャッチし、理解して彼らと接する姿勢でいて欲しいと結ばれた。
  一端を紹介すると
* 留学生の形態:中国:一昔前は家族、一族をあげてお金を出し、優秀な長男を日本に送り出し一旗上げさせる。本人も一心に頑張る。最近は、一人っ子政策により「小さい皇帝」として、大事に育てられ、学校への行き来はタクシー、料理は一度も作ったことが無いという学生が多い。
  韓国・台湾:政策として進学率を高めるために私立大学をどんどん認可。無理をしなければ100%大学に入れ、大学卒業の学歴は自国で取得できる。では、なぜ日本に来る?
  マレーシア:アメリカの大学が進出し、優秀な学生をハンティング。日本の大学にとってかなりのダメージ、脅威となっている。
  欧米:殆どが交換学生で1年くらいで帰国する。日本の大学の学位が目的では無い。
* 日本のイメージ: 日本の何が魅力なのか。  
   いま、日本のイメージが以前のハード志向(東芝、日立、トヨタ、日産など大企業)から大きく変化し、今や全世界に広がっているアニメーション、漫画、ゲームが留学生の目的と言っても過言ではない。卒業後は日本のアニメーションの輸出商社を作る、漫画の翻訳などの志向が多い。
* お金: 最近は政府の奨学金制度が充実し、学校、民間の奨学金と併せて学資、生活費が支え易くなったが、一方ではお金稼ぎのためにマイナス方向に走る学生もいる。この背景には、日本のように法により治められているのではなく、人で治められていて、お金も無くコネも無ければ何も出来ない国から来た学生にとっては、第一にお金なのだ。 真面目なアルバイトから手っ取り早いお金稼ぎに流れやすい。学校としてもしっかり見守っていかなければいけない問題だ。
* 日本人学生: 最近、留学生に対する日本人の学生の行動が気になっている。 何故か接触を避ける傾向にある。 留学生20人と日本人学生3人位が良いのだが、留学生が多いゼミを辞めてしまう。 等々
研修活動委員長 清水嘉男

日本語教育研修講座(短期集中) 上記三門準氏による講座が開講中です
 
亜細亜大学助教授三門準氏 緑が丘文化会館 9月12日〜 (火/木夜)全15回
 
ボランティアで教える日本語・教室現場での問題点(壁・落とし穴等)の対処法・初めての人にも分かりやすい教え方のポイント等々を開講中です。
 






次ページへ