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ユネスコ学校運営委員会
 

 当協会が行なっている各種の活動の中でユネスコ学校はもっとも長い歴史をもっているといえるだろう。当協会の創立に先立つ1954(昭29)年6月、目黒ユネスコ学校という名称でひとつの試みとして活動が開始されているからである。目黒ユネスコ協会の設立は同年10月3日だからユネスコ学校の発足が協会創立を先導したといってもよい。
 このユネスコ学校はつぎの世代を担う子どもたちの心に国際理解と文化を尊び平和を愛する心を育てることを目的としており、小中学生らに理想をつなぎたいという当時の社会的雰囲気が強く感じられる。
 
この活動は一時中断したこともあったが、1956年になって教育委員会からの要望をうけて「中国からの帰国子女のための日本語教室」として再出発した。この頃中国に残留していた邦人らの帰国が増加し、多数の児童を含む家族が東が丘寮(現特別区人事厚生事務組合東が丘荘)に入居してきた。入居者の中でも子供たちの置かれた立場はとりわけ深刻なものがあり、言語、習慣など未知の環境に困惑し、学校での学習にも差し支え、学校での教育だけでは全く不十分な状況であった。こうしたことから目黒ユネスコ協会は教育委員会、小学校との協議の結果、とりあえず東根小学校児童に対して人材を派遣して補習に協力することとなった。

 現在のユネスコ学校は小学校児童の補習にとどまらず中高生や成人まで、東が丘荘居住者のうち日本語の習熟を望むものは随時受け入れることにしており、教育委員会、東根住区住民会議と協力して毎週2回、火曜日は成人及び小学生以下を対象として東が丘荘で、また水曜日は中学生以上と成人を対象として東根住区センターで開催している。小中高生は日本語に限らずその他の学科でも可能な範囲で支援することで、学習上言語によるハンディキャップを小さくするよう努めている。

 ここで勉強をしてのちに、東が丘荘から転出していった人たち、順調に進学を果たした人、今なお勉強に励む人、さまざまな生活があるようであるが、これらの人々によき新年が訪れることを祈っている。
写真 日ユ協連事務局で書きそんじハガキ整理のボランティアをするユネスコ学校の生徒さん
ユネスコ学校運営委員会 委員長 斎藤 孝
 

日本語教育活動委員会
 

 昨年12月12日のお話です。守屋教育会館の幾つかの部屋に分散していたクラスが一部屋に集まりました。先ず、初めて日本語を勉強したAクラスの人達がたどたどしいけれども一生懸命に覚えた日本語で自己紹介。続いてタイの人達6人が、輪になって踊りながら自国の歌を披露。韓国のグループは憂いを含んだ「アカシア」という韓国の歌を歌い、イギリスのジュリーさんの音頭で「メリークリスマス」を全員で合唱。次はサンタさんからのユニークなプレゼント。締めくくりは我がユネスコ日本語教室指導陣全員の日本の歌「お正月」と「ふるさと」でした。こうして2002年の朝のクラスは終わりました。

 1985年に、ほんの数人でスタートしたユネスコ日本語教室は、今では年3期、常に120人から130人、30数カ国の人たちが勉強する程になりました。当日本語教室の活動の基本は「平和は国際理解と協力によって初めて可能になる」というユネスコ精神であり、目黒ユネスコ協会を信頼して参加する受講者と、それに応えるべく各人が持てる力を惜しみなく提供する会員スタッフ(現在25名)。そして「ユネスコ活動に関する法律」にもとづき、目黒区教育委員会の協力を得て活動を続けています。これからこの活動にかかわりたいと思っておられる会員の方は、ぜひご一報ください。 
 また、当教室の運営は委員会およびスタッフが担当しています。事務、会計、受付等を お手伝い頂ける方を募集しています。
               日本語教室は下記の形で行われています。
コース クラス 時  間 場  所
火木朝コース
土曜コース
   
火曜夜コース
 A〜G(7)
 A〜S(7)
漢字A・B(2)
 A〜F(6)
10:00〜11:45
10:00〜11:45
10:00〜11:45
18:30〜20:15
 守屋教育会館
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* 年3期: 春期(4月〜7月) 秋期(9月〜12月) 冬期(1月〜3月)
* 冬期には目黒区教育委員会委託の初心者向けクラス「初めて習う日本語30時間」あり。
日本語教育活動委員会 委員長 梶谷恵子

 


 

交流活動委員会
 


 

 「人は他者との交わりの中で自分を発見し、自己の価値、立場を理解する」と言われています。自分を知り、自国を知り、自国の文化を理解するのは大切なことです。同時に他者、他国、他国の文化を知り、違いを確認したり、共通するものを発見するのは、とても大きな喜びで楽しいことです。「違った系統のものが互いに行き交う事」が交流だそうです。青年達と一緒にリトリートで学んだ事を思い起こします。「種(species)の数が多いところではエコシステム(生態系)は強い。しかし南極のように種の数が少ない所ではエコシステムは弱い(fragile)。」これは「ユネスコにおける教育の理念」として「文化の多様性に関するユネスコの世界宣言」の真っ先に出てくる基本理念だそうです。
 交流活動委員会はそのような思いで活動しています。

 他の委員会と合同で国際交流バザー・美術展・国際交流ひろば等、単独ではフレンドシップメンバーとの遠足・見学会等を時に応じて行っています。既に毎年恒例になっているものもありますが、皆さんのご要望に応じて新しい企画が実現出来るとなお嬉しいです。 

  昨今の素晴らしい科学技術の発達で、多くの人が世界中を自由に行き交っています。私達はそれを当然の事のように思いその恩恵を受けています。あまり深く考えずに近頃「出会い」ということばをよく使い、又耳にします。小さい言葉ですが深い意味があると思います。その「出会い」によって自分が変わる、良く変えられる。 行きずりの人、物、ではない真の「出会い」の場をユネスコ活動の中で持ちたいと願っています。
 どうぞ、協会のプログラムに参加し、ご意見ご感想をお寄せ下さい。提案もお待ちしています。



 
 2003年2月24日(月)には日本文化紹介「文楽を楽しむ」があります。「文楽」は「能」に続いて 世界無形文化遺産に登録される模様です。我が国の、この素晴らしい文化を再認識する良い機会です。
 
 

 


 
 そして、その前に「新年会」があります。1月18日(土)正午から聖パウロ教会でお目にかかりましょう。楽しい企画を沢山用意してお待ちしています。 
写真 フレンドシップメンバーとNHKスタジオパーク見学(2002.6.27))
交流活動委員会 委員長 宮崎富美子      

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