No.194-3


成人式で目黒区教育委員会が「寺子屋募金」実施
 
 目黒区の成人式は1月13日ウエスティンホテル(恵比寿)で新成人1400余名の参加で賑々しく行われた。地下2階の豪華なギャラクシールームはあふれるばかりの熱気で、地域別のテーブルには同窓会の様な懇談が楽しげに続いた。
 注目すべきは、教育委員会が今回初めて、「寺子屋募金箱」を会場中央に設置した事。目黒ユ協からもお手伝いのため、青年を含め5名が参加した。社会に還元する社会人意識の成長を願うこのような有意義な試みが、目黒区をモデルとして全国に広められることを期待したい。募金額は11,183円で全額が目黒ユ協を通じて日ユ協連の寺子屋運動資金に送金された。
写真左:新成人の貴重な募金第一号 写真右:加藤教育次長も楽しそう 右端から目黒ユ協・森田、青木、国安の皆さん

  報告
 

「ユネスコ世界寺子屋運動の現状と課題」 
 
 1月15日(水)午後6時から、中目黒GTプラザに於いて、(財)日本ユネスコ協会連盟 世界寺子屋運動専門委員会委員長・国際基督教大学教授 千葉杲弘氏から寺子屋運動の歴史、現状、今後の課題などについての講演会が行われました。以下簡単なご報告をいたします。
 
 世界寺子屋運動は1990年の国際識字年に始まります。当初は「ユネスコ・コーアクション・ラーニングセンター」と呼ばれていました。そこに日本ユネスコ協会連盟が独自に途上国の識字プロジェクトを支援することになり、「共生」という概念が生まれ「世界寺子屋運動」として現在に至っています。多くの国際機関が初等教育の普及に重点を置くなか、世界寺子屋運動は援助ではなく対等のパートナ−として共に学び、共に生きることを目標に常に現地の識字NGO、識字プロジェクトと顔の見える協力をし、活動してきました。また、現地の現状を理解し、各地の関係者との友好を深めこの運動を実現させるため、未来を担う青年を対象にスタディ−ツアーを行ってきました。一方、国内に於いては「書きそんじハガキ・キャンペーン」によってその資金作りが行われています。
 こうした運動は国際的に「哲学を持った国際協力」という高い評価を受け、「寺子屋」という日本語はそのまま国際社会でも通用するようになりました。
 しかし、現実には、まだ途上国には8億8千万以上の非識字者が存在します。そして、その64%が女性です。そこで、「すべての人に教育を─Education for All─」の目標実現のため、2003年よりさらに「国連識字10年」が始まります。
 では、今後の識字教育はどうあるべきでしょうか。字を覚えるだけのプロジェクトは終わり、生活を向上させ、経済を向上させるための技能を身に付けさせるプロジェクトになるべきです。そして、世界寺子屋運動はその国の文化とかかわり、他のNGOとの違いを打ち出す必要があります。また、支援先が今までアジアに集中していましたが、将来アフリカとどう関わるか等が課題となります。
 
 以上、講演会の内容を日ユ協連の機関誌「ユネスコ」1月号も参考にしてまとめました。お手許にある「ユネスコ」1月号も併せてご覧ください。又、この講演の詳細は今後日ユ協連の冊子にも収録される模様ですのでご期待下さい。会場には千葉先生が教鞭をとっていらっしゃる国際基督教大学の学生や目黒ユネスコの青年なども出席しており、この運動の広がりと今後への期待を感じました。
 
 なお、会場の「中目黒GTプラザ」は中目黒駅から徒歩1分の非常に交通の便のいい所にあり、図書館、ホールなども併設されています。今後、ここを利用した講演会や講座が数多く開催されるものと思われます。どうぞ、お出かけください。☆3月24日ユネスコ講座「日本の国際教育協力政策について」P6参照            広報委員会 勝岡 由紀子
 
 千葉氏の講演に先立ってベトナムでの識字活動を紹介するビデオが上映されました。 日ユ協連の制作したビデオシリーズの中、次の6巻が事務局にあります。貸し出しも出来ますし、事務局でご覧になることも出来ます。事務局までお申し出下さい。各巻ともVHS 10分。
  @「クイズで知るユネスコ」A「世界寺子屋運動ってなあに」B「湖でくらすチンダちゃんとソバナリーちゃん」(カンボジャ・トンレサップ湖)C「がんばれサディカちゃん」(ネパール・ルンビニ)D「少年リポーター・ルスタムくん登場」(バングラデシュ)
E「初めてのラブレター」(ベトナム・ライチャウプロジェクト)

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