No.195−5

書きそんじハがキが届きました

2月14日(金)午後 目黒区立不動小学校の宇賀村先生と5年生と6年生の児童4名が書きそんじハガキを持って事務局に来られました。西村君、立川さん、シャーロック君そして増田さんは、加藤会長からユネスコの話を聞いた後、"共に生きる"バングラデシュ編のビデオを見ました。書きそんじハガキがどのように生かされているのか、また、学校に行くことが出来ない人達の生活、寺子屋で文字を学ぶことによって一人一人が希望と夢を持つ事ができる喜びを知ることができました。
 贈呈式で子ども達は「三日間で全校生徒に呼びかけ集めました。」と、きちんと整理した書きそんじハガキがいっぱい入った三つの封筒を加藤会長に手渡しました。宇賀村先生は「君たちも大きくなつたらいろいろな国に行く事もあるけど、アメリカとかイギリスなどの国と違つた国に行く事もいいですね。」と話されていました。
 事務局に飾つてある外国の品々を見ているうちに、1988年、当時ユネスコ日本語教室に参加された駐日スーダン国大使バシール閣下からいただいた蛇の皮を見つけ皆で長く延ばして見ました。あまりの大きさにびっくり。短い間でしたが「寺子屋」を通じてのユネスコの心にふれた楽しいひとときでした。
 不動小学校の皆様のユネスコ世界寺子屋運動への支援に心から感謝しお礼を申し上げます。
                        子ども達の未来にGood Luck! 事務局 鈴木静江記
 

世界教育フォーラム/世界社会フォーラム参加報告
 
中野佳裕(PhD Student, CDE Centre, University of Sussex)
目黒ユネスコ協会青年会員
 
 去る1月19日から1月28日まで、ブラジルはポルトアレグレ(Porto Alegre)にて開催された第2回世界教育フォーラム(O Forum Mundial de Educacao)(1月19日−22日)と第3回世界社会フォーラム(O Forum Social Mundial)(1月23日−28日)に全日参加してきました。両フォーラムは、1970年代後半以降、世界銀行/IMFに代表される国際金融機関や、米国/日本の先進国多国籍企業によって牽引される、自由市場経済万能主義の世界化(新自由主義グローバル化)に、草の根レベルからNO!を唱えるための民衆参加型の国際フォーラムです。ラテンアメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、アジアからの知識人、市民団体、草の根の社会運動組織が、参加型民主政治のモデル都市でもあるポルトアレグレに集まり、新しい社会のあり方について意見を交換します。スローガンは「もう1つの世界は可能だ(Outro Mundo é Possivel )」です。教育フォーラムは、市場万能主義による教育の民営化が、初等教育や社会教育の普及を妨げ、将来世代にわたって社会の基盤を不安定にすることを全面的に問題視しました。後者、社会フォーラムに至っては、今年は前年の約2倍にあたる10万人強の参加者を動員し、新自由主義と米国による対イラク戦争の全面的反対を訴えました。社会フォーラム開会の23日と閉会の27日の夕方には、それぞれ10万人と2万人の参加者がポルトアレグレの街を行進しました。
 自らこのような大規模な社会運動に関わることで、普段新聞やテレビの報道で耳にする経済グローバル化が、実は先進諸国の一部の層のみを豊かにしており、世界中の多くの人々が重荷を背負っているという現実の一側面を理解することができました。また、経済グローバル化が政治的に造られており、世界中の人々が草の根からなんとかして流れを変えなければと必死になっていることも分かりました。個人的にも、国際開発問題の研究を更に進めていく際に、必ず社会的なコミットメントをしていこうと決心がつきました。
   
 追伸:ラテンアメリカという土地柄、地元の人々や参加者と会話をする際に、英語とフランス語がほとんど使用できなくて戸惑いました。覚えたてのポルトガル語やスペイン語を、辞書を持ち歩きながらなんとか話し、ラテンアメリカからの参加者の心境などを聴き取りました。最後には基本会話や新聞記事などが読めるようになりましたが、改めて「異文化理解は言葉の学習から始まる」ということを痛感した日々でもありました。
 
中野佳裕君は「リトリート」に参加し触発された青年の一人、英国に留学中です。写真中央



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